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今晩のECBフォーラムや米マイクロン決算に注目/後場の投資戦略


日経平均 : 32842.39 (+304.06)
TOPIX  : 2279.01 (+25.20)


[後場の投資戦略]

 前日に発表された米経済指標は総じて強かった。5月耐久財受注、6月消費者信頼感指数、5月新築住宅販売は軒並み市場予想を大幅に上回り、消費者信頼感指数は2022年初めの以来の高水準、新築住宅販売は約1年ぶりの高水準を記録した。個人貯蓄がまだ残されていることや労働市場の健全さが続いていること、そして中古住宅を中心とした住宅市場での在庫不足を背景に、消費者信頼感指数と新築住宅販売の結果はある程度想定できたが、上振れ度合いは想定よりも大きかった。また、先週末に発表された米6月製造業の購買担当者景気指数(PMI)の悪化を踏まえると、耐久財受注の上振れ度合いもややサプライズを伴った。さらに、4月S&Pコアロジック・ケース・シラー全米住宅価格指数は前月比ベースで3カ月連続の上昇となった。

 これらの結果を受けて、改めて米国経済のソフトランディング(軟着陸)期待が高まっており、前日は米債利回りが短期を中心に長期の年限まで幅広く上昇した。一方、強すぎる経済データは米連邦準備制度理事会(FRB)の政策運営を難しくする。市場は依然として年内について残り一回の利上げしか織り込んでいないが、今回のような強い経済データが続くと、次回7月会合だけでなく、9月会合での利上げの可能性も高まってくるだろう。

 米経済が思った以上に底堅く本当にソフトランディングとなるのであれば、先行きの景気後退懸念で抑えられていた米長期金利が再びじわりと上昇してくる可能性もある。一方でインフレ指標はまだFRBの目標値を大幅に上回っているとはいえ、伸び率は鈍化傾向にあるため、金利上昇と合わせてこれは実質金利の上昇につながってくる。すでに米株のバリュエーションは高く過熱感を指摘する声が聞かれているが、実質金利が上昇してくるとなれば一段と米株式の割高感が意識されてこよう。

 こうした中、今晩は欧州中央銀行(ECB)主催のフォーラムで各国中央銀行の総裁らがパネル討論会に参加する予定だ。パウエルFRB議長などからは改めてタカ派な姿勢が示される可能性が高いと思われ、米ハイテク株がそれでも前日同様に強い動きを続けられるかに注目したい。

 ほか、米ハイテク株を巡っては、バイデン米政権が中国への人工知能(AI)半導体輸出について新たな規制措置を検討していると一部報道で伝わっている。これを受けて米半導体エヌビディアの株価は時間外取引で3%下落している。本日の東京市場では、半導体株が大きく失速せずに上昇を維持しているため、相場への影響は限定的かもしれないが、生成AIブームの火付け役となったエヌビディア株が調整色を強めるようであれば、東京市場でも日経平均の上値抑制圧力として働くことになるだろう。

 半導体については、今晩は米半導体メモリ大手のマイクロン・テクノロジーの決算も予定されている。在庫調整の進展度合いを確認するとともに、再び底入れ感が強まるのか株価の反応に要注目だ。(仲村幸浩)
《AK》

 提供:フィスコ

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