パリミキHD Research Memo(7):国内事業では「団塊世代」と「団塊ジュニア」がターゲット
■パリミキホールディングス<7455>の中長期の成長戦略
2. 国内事業
国内事業は「団塊ジュニア世代」及び「団塊世代」が大きなマーケットになると考え、以下のような施策を実行していく。
i) 団塊ジュニア世代が気軽に何度でも来店したくなる店舗・商品展開を加速する。出店する地域の特性や顧客構成、立地に合わせて「メゾン」「ロッジ」「ベルエポック」「サロン」「エンターテインメント」という新コンセプト店舗を展開しており、これら店舗の出店・改装を進める。商品についても、長く使用できる品質を保ち、豊富な品ぞろえによるファッション提案や機能性商品を拡充していく。
ii) 高い知識・技術により累進レンズ(遠近)の販売を強化
2025年3月期までにビジュアルライフケアを全店舗にて展開し、累進レンズ(遠近)購入者の比率向上を目指す。
iii) オーディオライフケアの充実、補聴器マーケットの拡大を目指す
従来の補聴器は、高齢者の聞こえをサポートする補装具であった。こうしたイメージを払しょくするため、イヤフォン型補聴器を展開するほか、補聴器としての機能に留まらず聞こえる喜びや音の楽しさを伝えるオーディオライフケアを充実し、マーケットを拡大する。
iv) メディカルとの連携による相乗効果を目指す
近隣眼科医と眼鏡作製技能士との連携による未病・予防のビジョンケアを目的に、2022年5月に医療モールを開店した。同社店舗のほか、眼科クリニック、調剤薬局が入居し、眼の診察・処方、メガネの購入・調整までがワンストップで可能となる。メディシェアードによるメディカル要素を取り入れた教育研修プログラムにより、医療機器としても最適なメガネを顧客や患者に提供していく。眼科医・眼科クリニック向けには眼科医薬品等の卸売、病院の設計・施工、人材派遣・教育支援といった経営支援・コンサルティングも展開していく。
海外事業では「医療との協業」を推進し、利益体質定着を目指す
3. 海外事業
海外事業では「選択と集中」を完遂し、利益体質を固める。東南アジアでは、積極的な投資や低コスト・高リターンの店舗を展開する方針である。競合他社にない、眼科医療との融合・協業を軸に展開し、差別化を図る戦略である。2014年には、ベトナムにおいて「眼科専門病院とメガネ店の一体経営」を開始した。日本最高水準の医療を現地へ提供するため眼科専門病院を経営。また病院内にメガネ店を併設し、日本最高水準のホスピタリティと高品質商品を提供することで、「目のトータルケア」の実現に取り組んでいる。
4. 成長投資
今後も、事業活動を通じて得たキャッシュは、 企業の成長のために積極的に投資する方針である。主な投資は以下のような内容を計画している。
i) 国内事業
店舗戦略投資は50億円を見込んでいる。新コンセプト店舗への出店・改装投資及び2025年3月期までに新店61店、新コンセプト店舗合計367店を計画している。
ii) 海外事業
メディカル協業投資は8億円を見込んでいる。構築したメディカル協業のノウハウにより東アジア圏において眼科+メガネ店のコラボレーションに注力する。
iii) その他投資
その他投資として7億円を見込んでいる。内訳は、視力測定機器の新規投入と入替、顧客タッチポイント、CX、DX強化、ブランディングを推進する。
iv) 投資資金
これらの投資に対する資金源は、営業キャッシュ・フローで60億円、手元資金で5億円を計画している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
《SI》
提供:フィスコ