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3392 デリカフHD

東証S
497円
前日比
-3
-0.60%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.9 0.96 2.41
時価総額 81.4億円
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デリカフHD Research Memo(5):2024年3月期の計画は保守的。外食市場の回復が続けば上振れの公算大


■今後の見通し

1. 2024年3月期の業績見通し
デリカフーズホールディングス<3392>の2024年3月期の連結業績は、売上高で前期比8.5%増の52,000百万円、営業利益で同80.8%増の1,150百万円、経常利益で同56.0%増の1,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同6.8%増の750百万円と前期に引き続き大幅増益が続く見通しだ。親会社株主に帰属する当期純利益の増益率が1ケタ台と鈍化する見通しだが、過年度損失分の繰越控除があることを考えれば保守的と見られる。

物価の上昇など景気の先行きは依然として不透明感が残るものの、経済活動の再開や外国人旅行客の増加を背景に外食市場の回復基調が続くものと予想され、2024年3月期も2023年3月期下期からの勢いが継続するものと予想される。通期では大幅増益の計画であるが、2023年3月期下期の収益水準との比較で見ると堅実な計画と見ることもできる。実際、2023年4月の収益も好調だったようで、経常利益は1ヶ月だけで2023年3月期上期の水準を超過したもようだ。今後、異常気象等によって青果物が不作になり市況が高騰するなどの外食市場の環境が暗転するようなことがなければ業績は計画を上振れする可能性が高いと弊社では見ている。

なお従来は、青果物が不作となった場合、市況高騰による仕入率の悪化やカット野菜の廃棄ロス増加によって収益が悪化するリスクがあったが、2018年に稼働した中京FSセンター及び埼玉FSセンターに設置した大型貯蔵冷蔵庫の運用ノウハウが蓄積されてきたことで、市況高騰に対する耐性が強化された点は注目される。市況高騰が予想される場合には、商品を事前に調達して貯蔵施設に保存しておくことで、市況高騰の影響を回避することが可能となる。開設当初は鮮度面の懸念からあまり活用されてこなかったが、実績を積み重ねて品質に問題ないことが確認され、2022年頃から活用するケースが増え、実際に活用の効果も出ていると言う。貯蔵可能な品目や期間はそれぞれ異なるが、こうした施設を2拠点に分散して保有していることも同社の強みの1つと言える。

(一社)日本フードサービス協会が毎月発表している外食業界の月次売上動向について見ると、2021年12月以降前年同月比でプラスに転じ、2023年4月は同15.8%増と2ケタ増ペースが続いた。コロナ禍が落ち着き経済活動の正常化が進むなかで、4月は歓送迎会や春休みの行楽需要、インバウンド需要の回復が外食売上の押し上げ要因となった。単月ベースでは、2022年秋以降はコロナ禍前の水準を上回る状況となっており、2023年4月も2019年対比では7%増となった。業態別の前年同月比伸び率は、ファストフード業態が12.9%増、ファミリーレストラン業態が18.0%増、パブ・居酒屋業態が31.9%増、ディナーレストラン業態が122.4%増、喫茶業態が24.3%増とすべての業態で2ケタ増となっている。2019年比ではパブ・居酒屋業態が35.2%減、ファミリーレストラン業態が4.0%減、ディナーレストラン業態が7.4%減とまだ回復途上の業態もあるが、ファストフード業態や喫茶業態は2019年の水準を上回って推移している。インバウンド需要の拡大が続くほか、値上げ効果もあって2023年の外食市場は4年ぶりに過去最高を更新するものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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