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3392 デリカフHD

東証S
497円
前日比
-3
-0.60%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.9 0.96 2.41
時価総額 81.4億円
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デリカフHD Research Memo(1):コロナ禍の逆風をチャンスに変え、青果流通企業として飛躍を遂げる


■要約

デリカフーズホールディングス<3392>は外食・中食業界向けにカット野菜や、ホール(丸)野菜等を卸す、いわゆる「業務用の八百屋」の国内最大手で、農産物の流通を通じて農業の発展と人々の健康な生活づくりに貢献する創造型企業である。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)で外食市場が大打撃を受けるなか、量販・小売業界向けの顧客開拓並びにBtoC事業やミールキット※事業を相次いで立ち上げるなど事業ポートフォリオの変革に取り組み、業容を拡大している。

※ミールキットとは、あらかじめ決まった料理メニューを簡便に作れるように、肉や魚、野菜などの食材と調味液などをパックにして提供する商品で、肉や魚などは半分調理した状態、野菜はカットした状態で提供される。


1. 2023年3月期の業績概要
2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比20.5%増の47,925百万円、経常利益で769百万円(前期は242百万円の損失)と急回復を見せた。コロナ禍で続いた行動制限が解除され外食需要が回復してきたことに加え、事業ポートフォリオの変革に取り組んできたことが奏功した。具体的には、量販・小売店向けや2020年以降に新たに開始したBtoC事業やミールキット事業の育成に取り組み、外食業界の動向に影響を受けにくい収益構造に変革してきた。外食業界のなかでもコロナ禍に強い業態や外食業界以外の市場を開拓してきたことで、売上高は3期ぶりに過去最高を更新した。また、経常利益も増収効果に加えて仕入率や売価改善の効果により3期ぶりに黒字転換しただけでなく、8期ぶりに過去最高益を更新した。

2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の連結業績は、売上高で前期比8.5%増の52,000百万円、経常利益で同56.0%増の1,200百万円と連続増収増益が続く見通し。外食業界向けの回復が続くほか、BtoC事業も自社ブランドの「楽彩」の販売拡大に加えて、OEMの成長も見込まれる。2023年4月の滑り出しは好調で、今後市場環境が悪化しなければ計画を上回る可能性が高いと弊社は見ている。設備投資計画については、関西圏での旺盛な需要に対応すべく大阪FSセンターを2024年3月末に竣工する予定である。物流センターとカット野菜工場の拠点として、10年後を目途に年間売上72億円とすることを目標に掲げている。既存の大阪事業所(売上高で約50億円)からの移管分を差し引いても約30億円の新規売上創出を見込んでおり、中期的に収益貢献することが期待される。

3. 第4次中期経営計画の進捗状況
2022年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画では、2024年3月期に売上高450億円、経常利益10億円を目標に掲げていたが、売上高については1年前倒しで達成し、経常利益も超過する可能性が高い。2025年3月期からスタートする次期中期経営計画では、業務提携を発表したエア・ウォーター<4088>、(株)ベジテックとの「調達、加工、物流、販売機能を持つ青果流通プラットフォームの構築」に向けた協業も推進し、事業規模の拡大と収益力の強化を図るものと予想される。主力の外食業界向けについては、新規顧客の開拓と大手顧客の取引シェア拡大、冷凍野菜の量産化等によってさらなる売上拡大を推進する。また、BtoC事業(ミールキット含む)では売上高100億円を目標に掲げ(前期実績約37億円)、今後も積極的に事業展開する計画だ。以上から、同社の業績は今後も着実に成長していくものと期待される。

■Key Points
・コロナ禍の逆風をビジネスチャンスに変え、2023年3月期は過去最高売上更新と3期振りの黒字転換を果たす
・2024年3月期の業績計画は保守的で、外食市場の回復が続けば上振れする公算大
・事業ポートフォリオの変革、青果物流通インフラの構築等が順調に進展し、中期経営計画の売上目標は1年前倒しで達成
・3社連合で調達から加工、物流、販売に至る青果流通プラットフォームの構築に取り組み企業価値向上を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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