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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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4464 ソフト99

東証S
1,500円
前日比
+14
+0.94%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.2 0.58 2.87
時価総額 334億円
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ソフト99 Research Memo(1):高付加価値製品・サービスを強化し、利益成長と資本効率向上を目指す


■要約

ソフト99コーポレーション<4464>は、カーワックスや洗浄剤、補修材などのカー用品の大手である。子会社で展開するポーラスマテリアル事業は半導体製造用の精密洗浄材で高シェアを持ち、医療分野への展開も推進中。そのほか、子会社で自動車整備・鈑金事業、自動車教習所、温浴施設の運営事業なども展開している。既存の主力製品において高いシェアと収益力を持ち、強固な財務基盤を持っていることが強みとなっている。2022年4月の東京証券取引所市場再編に伴い、スタンダード市場に移行している。

1. 2023年3月期の業績概要
2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比6.1%増の30,170百万円、営業利益で同13.4%減の3,256百万円となった。ポーラスマテリアル事業を中心にすべての事業セグメントで増収となり、売上高は過去最高を更新したものの、ファインケミカル事業における販売ミックスの悪化や、ポーラスマテリアル事業におけるエネルギー価格や原材料の上昇、新工場稼働に伴う減価償却費の増加により営業利益は3期ぶりの減益となった。ただ、会社計画(売上高29,000百万円、営業利益3,200百万円)に対してはいずれも上回って着地した。

2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の連結業績は、売上高で前期比0.6%減の30,000百万円、営業利益で同0.4%増の3,270百万円を見込む。売上高は前期にファインケミカル事業で大きく伸長した海外向けの仕入販売商品の反動減を想定し、若干の減収を想定しているが、利益面では自社製品の販売拡大によるファインケミカル事業の増益でそのほかの事業の減益分を吸収し微増益を見込む。ファインケミカル事業では、新車販売の回復による業務用製品の伸長に加えて、2023年3月に発売したホイール&タイヤクリーナーをはじめとした、一般消費者向け製品の売上貢献が期待できる。ポーラスマテリアル事業は半導体向け製品の需要は安定しているものの、今後の市場動向を注視している。利益面においては世界的な原材料価格や燃料費の高騰に加え、新工場へ導入する設備投資等により減価償却費が増加することで減益を見込む。減価償却費は全体で前期比207百万円増加の1,010百万円を計画している。

3. 新中期経営計画について
2024年3月期からスタートする3ヶ年の第7次中期経営計画を発表した。「Evolve!!~進化せよ!!~」をテーマに掲げ、デジタルを活用し、心揺さぶられるアナログ的(エモい)価値を創り出す『ヒト(人財)』を育て、その価値を通じて社会課題の解決に貢献することを目指す。強化すべき事業領域として「価値提供方法の多様化」「海外展開」「医療分野」の3点に積極的な設備投資を行い、また、「デジタルの活用」による高付加価値製品・サービスの提供により、利益の成長と資本効率の向上を目指す。2026年3月期の経営数値目標は、売上高で31,700百万円、営業利益で3,780百万円、ROICで8.1%(2023年3月期実績7.1%)とし、売上高は年率1.7%増、営業利益は同5.1%増と堅実な収益成長を計画している。

4. 株主還元策
株主還元については、「安定的かつ継続的な配当」及び「連結営業利益の25%を目安とする」基本方針を踏襲し、2024年3月期は1株当たり配当金で前期比3.5円増配の41.0円(記念配当3.0円含む)と9期連続の増配とすることを発表した。また、併せて2026年3月期までに7億円程度の自己株式取得(2023年5月~9月の期間で上限60千株、取得総額100百万円の自社株取得を発表済み)を行い、株主還元を強化する方針であることも明らかにしている。同社の1株当たり純資産は前期末で2,429円、PBRで0.5倍台と純資産価値を割れた状況が続いており、企業価値向上に向けた取り組みの1つとなる。

■Key Points
・2023年3月期は増収減益となるも売上高、営業利益、経常利益は会社計画を達成
・新中期経営計画を始動、デジタル活用による付加価値向上により利益成長と資本効率の向上を目指す
・2024年3月期はファインケミカル事業の収益回復により増益に転じる見通し
・株主還元策をさらに強化し、2024年3月期は記念配当と自社株買いを実施

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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