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4718 早稲田アカデミー

東証P
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早稲アカ Research Memo(6):2024年3月期は塾生数の増加と価格改定効果により増収増益が続く見通し


■今後の見通し

1. 2024年3月期の業績見通し
早稲田アカデミー<4718>の2024年3月期の連結業績は売上高で前期比8.1%増の33,228百万円、営業利益で同10.8%増の2,659百万円、経常利益で同10.8%増の2,693百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同7.1%増の1,662百万円と増収増益が続く見通しだ。期中平均塾生数が同2.9%増と着実に増加するほか、人件費負担の増加に対応した価格改定効果、業務効率の向上による間接部門の生産性向上などが増収増益要因となる。

(1) 部門別売上高と塾生数の見通し
部門別売上高は、小学部で前期比9.2%増の19,589百万円、中学部で同6.0%増の11,787百万円、高校部で同11.4%増の1,705百万円となる見通し。前提となる期中平均塾生数は、小学部で同4.0%増、中学部で同1.1%増、高校部で同3.1%増となる。小学部においては、コロナ禍で私国立中学校を志望する生徒が増加したこと、並びに双方向Web授業などを活用しながら品質の高い教育サービスを提供し続けたことにより生徒や保護者からの評価が高まったこと、2021年7月に開校した豊洲校や品川校が好調で塾生数の増加に寄与したこと(豊洲校で1,000名超、品川校600名超)などから直近2期間は2ケタ成長が続いたが、こうした追い風もやや落ち着くと見ている。実際、2023年3月期第4四半期の伸び率は前年同期比で4.9%増と8四半期ぶりに1ケタ台の伸びに減速しており、4.0%増というのは妥当な水準と弊社では見ている。また、中学部は景気の先行き不透明感や物価上昇の影響からか、学習塾業界全体で生徒数が低調な状況となっており、同社においても1年生の集客に苦戦していることから微増の計画にとどめた。一方で、高校部については校舎の集約化によるマイナス影響が一巡し、伸びが加速する見通しだ。

塾生1人当たりの平均売上単価は、小学部で前期比5.0%増、中学部で同4.8%増、高校部で同8.0%増を見込んでいる。同社では物価上昇への対応や優秀な人材の確保を目的に、従業員(非常勤職員含む)給与のベースアップを実施しており、授業料や合宿料の値上げ(平均5~6%アップ)によってこれらの負担増分を吸収する。現段階では値上げによる塾生数へのマイナスの影響は出ていないようだ。

(2) 校舎展開について
新規開校については、「早稲田アカデミー(小学・中学部)」を1校、「個別進学館」を3校開校するほか、子会社で「QUARD」を1校開校する計画となっている。このうち、個別進学館は2023年4月に「茗荷谷校」(東京都文京区)を開校しており、QUARDも夏に「茂原校」(千葉県茂原市)の開校が決まっている。そのほか、同年5月に渋谷校の増床・拡充リニューアルを実施しており、分散していた3つのブランド(ExiV、大学受験部、個別進学館)を1ヶ所に集約し、教室数も拡充した。また、野田学園の経営効率改善を目的に同年4月に校舎を2校から1校に統合している。

(3) 費用の見通し
売上原価率は前期の71.3%から70.6%と0.7ポイント低下する見通し。原材料費は塾生数・受講者数の増加により前期比で4.0%増となるが、値上げ効果で売上比率では0.6ポイント低下する。また、労務費率で0.1ポイント、その他費用で0.1ポイントそれぞれ低下する見込みだ。一方、地代家賃は新規出校のほか、既存校のリニューアル移転・増床もあって0.1ポイントの上昇を見込んでいる。

販管費率は前期の20.9%から21.4%と0.5ポイント上昇する見通し。労務費率は業務効率の向上により前期比0.4ポイント低下する一方、広告宣伝費率で0.4ポイント、その他費用で0.5ポイントの上昇を見込んでいる。広告宣伝費は営業支援のマーケティング活動や宣伝活動の強化、人員体制の強化により前期比で18.0%増を見込む。その他費用についてシステム開発費や外注費、支払手数料、販促費の増加等で同15.1%増を見込んでいる。例年、費用計画については保守的な見積りで出す傾向にあるため、結果的に計画の範囲内で収まる可能性も十分ある。

(4) 子会社の動向
子会社の動向については、野田学園が校舎統合による固定費の削減効果で損益の改善を見込んでいるほか、集学舎や水戸アカデミーについては塾生数の増加により増収増益を見込んでいる。今後も相互のリソースを共有し連携しながら合格実績を積み上げていくことで成長を目指していく戦略だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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