早稲アカ Research Memo(5):無借金経営で財務の健全性は高い
■早稲田アカデミー<4718>の業績動向
2. 財務状況と経営指標
2023年3月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,450百万円増加の21,114百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現預金が1,099百万円増加し、固定資産ではのれんが189百万円減少した一方で、新規校舎の開設や既存校の増床等により有形固定資産が15百万円増加したほか、差入保証金が339百万円増加した。
負債合計は前期末比350百万円増加の8,582百万円となった。流動負債では前受金が89百万円減少した一方で、未払金が210百万円、未払法人税等が77百万円それぞれ増加した。固定負債ではリース債務が流動負債への振替えにより52百万円減少した。純資産は前期末比1,100百万円増加の12,532百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益1,553百万円の計上と配当金支出437百万円により、利益剰余金が1,116百万円増加した。
経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は前期末の58.1%から59.4%に上昇した。有利子負債もなく現預金も60億円を超える水準まで積み上がったこともあり、財務の健全性は良好な状態を維持していると判断される。積み上がった資金については新規校舎の開設や新サービスの開発、あるいはM&A等の成長投資に振り向け、収益をさらに拡大していく戦略となっている。収益性についても売上高営業利益率だけでなくROEやROAもそれぞれ10%台の水準に回復するなど着実に収益力の強化が進んでいるものと思われる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ