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8798 アドバンスクリエイト

東証P
636円
前日比
-25
-3.78%
PTS
636円
17:08 11/27
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
203 4.37 2.75 2.26
時価総額 146億円
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アドバンクリエ Research Memo(1):アバター接客など先進技術の活用により保険業界で高成長を目指す


■要約

アドバンスクリエイト<8798>は、国内最大級の保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」を運営する独立系保険代理店の大手である。「保険市場」サイトを通して問い合わせのあった見込み顧客に対して、非対面販売(通信販売、ネット完結型販売)や同社直営店であるコンサルティングプラザでの販売、提携代理店での販売、オンライン保険相談など最適なチャネルで保険商品の販売を行っている。事業としては保険代理店事業のほか、ASP※事業、メディア事業(「保険市場」サイトによる広告収益)、メディアレップ事業、再保険事業を展開している。

※ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)とは、インターネットを通して各種アプリケーションを提供するサービスまたはサービスを提供する事業者のこと。


1. 2023年9月期第2四半期業績の概要
2023年9月期第2四半期(2022年10月~2023年3月)の連結業績は、売上高で前年同期比8.9%増の6,454百万円、経常利益で同44.0%減の666百万円となった。保険代理店事業やメディア事業を中心に売上高は半期ベースで過去最高を更新したが、円安を背景とした外貨建保険の解約等により売上の戻入が発生したこと、前期から実施しているコールセンター部門の先行投資負担増、再保険事業の収益悪化などが減益要因となった。ただ、第2四半期だけで見れば売上高で前年同期比15.7%増の3,720百万円、営業利益で同30.7%増の1,153百万円と四半期ベースで過去最高業績を更新した。

2. 2023年9月期の業績見通し
2023年9月期の連結業績は売上高で前期比26.9%増の15,050百万円、経常利益で同39.0%増の2,800百万円と期初計画(売上高16,680百万円、経常利益3,030百万円)から若干下方修正した。外貨建て保険商品の解約等によるマイナス影響や再保険事業の一時的な収益悪化を織り込んだ。ただ、下期業績は売上高で前年同期比1.4倍増、経常利益で2.6倍増と急成長する見通しに変わりない。保険販売の先行指標となるアポイント数がテキストメッセージやアバターなどITの活用もあって年率2ケタ増ペースで増加しているほか、オンライン面談で生産性の高いコンサルタント指名予約やアバター接客※の比率が上昇することで、収益成長が加速することになる。また、アバターシステムを組み合わせたオンライン接客ツールの外販も開始し、既に大手保険会社複数社で導入されたほか、引き合いも増加している状況にあることからASP事業の一段の成長も期待される。

※世帯当たり単価は、実面談に対してコンサルタント指名予約で1.2倍増、アバター接客で1.5倍増の実績となっている。


3. 成長戦略
同社はICTを駆使した先進的なマーケティング施策と生産性の高い営業手法を組み合わせて「アポイント数×稼働率×人財」の3要素を強化することで、保険代理店事業の高成長を目指す。国内のリテール向け保険商品の販売額は年間約20兆円と推計される。このうち同社の販売額は約400億円と1%未満の水準で、シェア拡大による成長余地は大きい。保険代理店事業を拡大することでメディア事業やメディアレップ事業、再保険事業の売上高も連鎖的に拡大する。提携代理店との取引件数が増加することでASP事業の成長も期待できる。保険に関するあらゆる収益機会にアプローチしていくことで、今後も持続的な成長が期待される。

4. 株主還元策
株主還元策として配当金と株主優待を実施しており、配当金は配当性向50%以上を目標として開示している。2023年9月期の1株当たり配当金は前期比2.5円増配の35.0円(配当性向45.1%)の予定だが、通期計画を達成すれば増配が見込まれる。また株主優待として、9月末時点で100株以上を保有する株主に対して2,500円相当のカタログギフトと福利厚生サービス「保険市場Club Off」の利用権を付与する。配当金と合わせた総投資利回りは、福利厚生サービスを除いたベースで5%台の水準となる。

■Key Points
・2023年9月期第2四半期業績は先行投資負担で増収減益となるも、第2四半期だけで見れば過去最高を更新
・2023年9月期業績は保険代理店事業の成長加速で2ケタ増収増益見通し
・国内のリテール向け市場におけるシェアは1%未満、「OMO×FinTech」戦略並びにポートフォリオ戦略の推進による成長ポテンシャルは極めて大きい

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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