テクマト Research Memo(10):2024年3月期は増収増益を予想。情報基盤事業の収益拡大続く(2)
■テクマトリックス<3762>の今後の見通し
(3) 医療システム事業
医療システム事業の売上収益は前期比0.5%増の9,390百万円、営業利益は同30.8%減の1,380百万円となる見通し。旧PSPのオンプレミス製品のクラウドシフトによる落ち込みを、「NOBORI」の契約件数増加によりカバーし売上収益は前期並みの水準を見込む。2022年4月に業務提携したPACS業界第3位のキヤノンメディカルシステムズ(株)へのOEM供給が本格化することも増収要因として期待される。営業利益については、クラウドシフトの影響に加えて2023年3月期にソフトウェア開発費を資産計上したことで減価償却費の増加が見込まれること、人員増や処遇制度の統一による人件費等の増加が見込まれることが減益要因となる。
旧PSPの顧客がどの程度、クラウドサービスにシフトするか流動的ではあるが、2024年3月期中には旧PSPの読影用ビューアソフト「EV Insite R」とクラウドPACS「NOBORI」を統合するほか、2026年4月を目途にその他の周辺システムも含めて完全統合する計画となっているため、数年内にはクラウドシフトが完了するものと見られる。クラウドシフトによって一時的に収益面でマイナス影響が出るが、中長期的に見れば、業界シェアの上昇が見込めることや製品統合による収益性の向上(開発費・保守費用の削減等)、新規サービスの創出が促進されることなどにより、事業規模は一段と拡大する可能性があると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ