テクマト Research Memo(7):情報基盤事業は採算重視の営業方針に切り替え、第4四半期に収益性が回復(2)
■テクマトリックス<3762>の業績動向
(3) 医療システム事業
医療システム事業の売上収益は前期比104.9%増の9,344百万円、営業利益は同173.8%増の1,993百万円となり、受注高で同195.9%増の10,007百万円、期末受注残高で前期末比6.6%増の10,736百万円となった。前期は2ヶ月分の寄与だった旧PSPの業績が通年で寄与したことが大きいが、旧NOBORIも導入施設数の増加により収益は順調に拡大したものと見られる。
期初計画では、旧PSPのオンプレミス製品のクラウドシフトにより一時的な利益の落ち込みを想定していたが、既存顧客のリプレイス案件についてはほぼオンプレミスでの更新となったことで売上収益・営業利益ともに計画を超過した。特に営業利益についてはソフトウェア開発費を無形固定資産に計上したことや、賞与引当不足分を前期中に費用計上したことも増益要因となった。旧PSP製品のクラウドシフトが想定よりも進まなかった要因として、2023年3月期に売上計上する案件のうち一定数は子会社化前の段階ですでにオンプレミスで決まっていたこと、システム変更に対して保守的な考えを持つ顧客が多かったことが一因として考えられる。ただ、2023年3月期からクラウドPACSの提案活動を推進していることもあって、2024年3月期はクラウドシフトが一定程度進むものと予想される。なお、2023年3月期におけるストック売上比率は49.1%である。
医知悟については読影件数の増加により、売上収益・営業利益ともに計画を超過し、堅調に推移した。A-Lineについては医療機関の放射線量管理システム導入に対する投資意欲が停滞したままで、計画は未達となった。ただし契約件数は着実に増加しており、売上収益は前期比2ケタ増となり、営業損失も縮小した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ