貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6810 マクセル

東証P
1,721円
前日比
+13
+0.76%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.4 0.83 2.91 1.54
時価総額 808億円
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【杉村富生の短期相場観測】 ─解散・総選挙はマーケットを救えるか?


「解散・総選挙はマーケットを救えるか?」

●セル・イン・ジュライ(7月に売れ)には警戒を!

 年初以来、急騰に次ぐ急騰(日経平均株価は6月7日に3万2708円と1月4日のザラバ安値2万5661円比7047円幅、+27.5%の上昇)を続けてきた株式市場だが、短期的(7月初旬)には高値しぐれ商状に陥りやすいタイミング(セル・イン・ジュライ?)にある。

 その象徴が7日、8日の値動きだ。7日の日経平均株価は593円安だったし、8日は高値が3万2035円、安値が3万1420円(大引けは272円安の3万1641円)と、上下615円の値幅があった。これは強弱感の対立(外国人買いの信託銀行売り)を意味する。

 もちろん、9日のメジャーSQ(先物・オプションの特別清算指数の算出)に向けての売り方と買い方のせめぎ合いとの見方ができる。これならば週明け以降の相場は反発に転じる。ただ、高値圏での乱高下は相場の転機になるケースが多いし、チャートの足形は悪い。古来、「株価は正直」という。

 さらに、需給面では売り方の買い戻しが一巡、バフェット効果(4月上旬に来日、強気発言の賞味期限は3カ月)が7月早々には消える。外国人の買いが継続するか否かが焦点になろう。外部環境では台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の動向がポイントだ。先日、熊本に第2工場(第1工場は菊陽町)を建設する方針を示した。これは好材料である。

 半面、今年の設備投資計画を当初の320億~360億ドル見込みに対し、「下限の320億ドルに近づく」と明らかにした。実質、減額修正だ。TSMCの主要顧客はエヌビディア<NVDA>、アップル<AAPL>など。巨大IT企業の生産見通しを知り得る立場にある。AI(人工知能)ChatGPTの需要予測に影響を与えるだろう。

●九州フィーバーの次は北海道に注目!

 一方、6月13日には岸田首相の記者会見が予定されている。マーケットでは「さあ、衆議院の解散・総選挙か」と期待する声がある。なにしろ、1969年以降の17回の解散・総選挙は「17連勝」(解散前日~投票日前日)だ。その平均上昇率は3.9%となっている。そう、選挙は買いになる。ただし、投票後は売りになろう。

 物色面ではどうか。ここ数カ月、九州フィーバーが展開されてきた。次は北海道だろう。夏の北海道は インバウンドの目玉だ。ラピダスは北海道(千歳)に5兆円を投じ、最先端の「2ナノ」半導体の量産工場を建設している。ラピダスの中核企業はキオクシアだ。PER11倍のクエスト <2332> [東証S]はキオクシアが主要取引先である。

 サツドラホールディングス <3544> [東証P]は北海道が地盤の ドラッグストア(189店舗)だ。2023年5月期は約6.5億円の特別損失を計上するため、ほぼ利益ゼロだが、2024年5月期はV字型の回復に向かうと予想されている。ドラッグストアはインバウンド特需を満喫しているが、どれも値がさ株だ。株価750~760円には魅力がある。

 主軸株では車載用光学部品を手掛ける光学・システム事業、半導体関連など成長分野が加速しているマクセル <6810> [東証P]、水素事業の収益化が見えてきた岩谷産業 <8088> [東証P]、好業績に加え、チャート妙味(長期上昇局面入り)の野村総合研究所 <4307> [東証P]に注目できる。

 このほか、ホテル向け厨房設備機器総合メーカーのフジマック <5965> [東証S]、ホテル&レストラン、ゴルフ場などを兼営、株価は底練りの明治海運 <9115> [東証S]、ソフトウェアテストの3位グループ、日本ナレッジ <5252> [東証G]などに妙味があろう。

2023年6月9日 記

株探ニュース

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