利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 33社選出 <成長株特集>
本特集では、4月下旬から5月中旬までの決算発表集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は4日に配信した時価総額2000億円以上の銘柄を対象とした「第1弾」に続き、4日時点の時価総額が600億円以上2000億円未満の銘柄を対象に、23年1-3月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、1-3月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している33社を選び出し、1-3月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、半導体向け純水製造装置の大手メーカーである野村マイクロ・サイエンス <6254> [東証P]。1-3月期(第4四半期)の経常利益は32.1億円と過去最高だった前年同期を2.1倍も上回って着地。旺盛な半導体設備投資を背景に大型水処理装置案件の受注が増加するなか、韓国や中国、台湾、米国などで手持ち工事が順調に進んだ。また、超純水製造装置の配管材料も好調だった。同時に発表した24年3月期の同利益は前期比8.8%増の69.8億円と4期連続で過去最高益を更新する見通しだ。好決算を背景に株価は急騰劇を演じ、青空圏を舞う展開となっている。
2位に入った静岡ガス <9543> [東証P]の1-3月期(第1四半期)経常利益は前年同期比4.4倍の143億円に膨らみ、実に55四半期ぶりとなる最高益更新を果たした。ガス販売量は減少したものの、原料価格の高騰分を反映させる原料費調整制度でガスの販売単価が上昇したことが収益を押し上げた。第1四半期実績だけで、通期計画の141億円をすでに上回っており、業績上振れが期待される。
3位のテクマトリックス <3762> [東証P]は事業統合したPSPの医用画像管理システムの収益が大きく伸び、1-3月期(第4四半期)の税引き前利益は22.5億円と過去最高だった前年同期を71.9%も上回って着地。併せて発表した24年3月期の同利益は前期比4.4%増の52.9億円と3期連続で最高益を更新する見通しを示している。
4位のやまびこ <6250> [東証P]は欧米でチェンソーなど小型屋外作業機械の販売が堅調に推移したほか、建設やエンターテイメント需要の増加を背景に北米で発電機の好調な販売が続いた。また、円安による収益押し上げ効果や前期に実施した値上げの浸透も寄与し、1-3月期(第1四半期)は3四半期ぶりに過去最高益を更新した。業績好調に伴い、上期(1-6月)の経常利益を従来予想の80億円→90億円に上方修正したことも好感され、株価は6月7日に約5年1ヵ月ぶりの高値1534円まで上値を伸ばした。
5位には人工知能(AI)開発ベンチャーのPKSHA Technology <3993> [東証S]が入った。1-3月期(第2四半期)は自動応答エンジンなどのAI SaaSプロダクトの販売が拡大したほか、対話型AI「ChatGPT」の登場などを追い風にソリューション案件の引き合いが増加した。また、投資先の株式売却に伴う売却益を計上したことも利益を押し上げた。併せて、減益予想だった23年9月期通期の経常利益を一転して最高益見通しに上方修正した。足もとでは生成AI関連として注目を集めており、株価は6月7日に約2年2ヵ月ぶりに3000円大台を回復する場面があった。
選出リストでは、利益成長とともに配当も増やす方針を示している企業に年初来高値を更新するものが目立つ。12位のユアサ商事 <8074> [東証P]、15位のオカムラ <7994> [東証P]、24位のアルプス技研 <4641> [東証P]、27位の西本Wismettacホールディングス <9260> [東証P]はいずれも今期増配計画かつ配当利回りが3%超と高水準であり、積極的な株主還元も評価されているようだ。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 1-3月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<6254> 野村マイクロ 109 3219 1543 8.8 6981 6416 11.0
<9543> 静ガス 75.7 14374 8180 16.5 14160 12152 9.9
<3762> テクマト 71.9 2259 1314 4.4 5290 5066 22.1 *
<6250> やまびこ 46.9 5913 4025 29.1 12800 9913 7.4
<3993> パークシャ 45.3 718 494 3.2 1600 1551 128
<4776> サイボウズ 32.5 1257 949 7.8 2450 2272 72.7
<4680> ラウンドワン 27.4 7874 6180 19.9 20010 16690 14.0
<4051> GMO-FG 24.5 351 282 36.6 1018 745 139
<9229> サンウェルズ 22.3 434 355 104 2330 1140 67.7
<7595> アルゴグラフ 22.0 2643 2167 1.0 8280 8200 15.2
<3679> じげん 21.0 1348 1114 26.2 5300 4199 20.3 *
<8074> ユアサ商 19.4 6249 5232 6.6 16400 15382 7.9
<3856> Aバランス 19.4 5273 4416 794 13500 1510 29.3
<6866> HIOKI 19.1 2381 2000 10.9 8080 7287 19.8
<7994> オカムラ 15.6 9464 8186 13.6 21500 18924 11.4
<8117> 中央自 14.7 2805 2445 5.9 9500 8968 8.4
<1879> 新日本建 14.6 7403 6459 0.4 17300 17225 5.4
<2384> SBSHD 13.9 10520 9233 4.2 22300 21404 10.1
<5352> 黒崎播磨 13.8 3901 3429 3.5 12500 12083 6.7
<4481> ベース 10.9 1216 1096 19.4 4692 3931 30.5
<6200> インソース 10.9 1034 932 11.2 3720 3346 42.9
<4071> PAコンサル 9.7 948 864 25.4 3350 2671 50.3
<1949> 住友電設 6.9 5810 5434 0.7 14500 14394 10.9
<4641> アルプス技 6.6 1511 1417 10.1 5060 4595 16.2
<3844> コムチュア 5.8 1196 1130 16.8 4750 4067 21.5
<6544> Jエレベータ 5.0 1502 1430 11.8 5700 5100 44.9
<9260> ウィズメタク 3.9 3370 3244 2.0 11000 10787 8.7
<4373> シンプレクス 3.1 2044 1982 18.8 8667 7298 22.5 *
<2317> システナ 3.1 2770 2688 6.9 10644 9955 15.9
<7821> 前田工繊 3.0 2257 2192 27.0 8100 6378 19.0
<7105> ロジスネクス 2.8 5383 5236 67.7 23000 13714 9.6
<6947> 図研 2.0 1542 1512 3.5 4900 4735 24.9
<7839> SHOEI 0.2 2449 2444 3.3 8780 8503 21.9
※2022年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース
下表では、本決算月にかかわらず、1-3月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している33社を選び出し、1-3月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、半導体向け純水製造装置の大手メーカーである野村マイクロ・サイエンス <6254> [東証P]。1-3月期(第4四半期)の経常利益は32.1億円と過去最高だった前年同期を2.1倍も上回って着地。旺盛な半導体設備投資を背景に大型水処理装置案件の受注が増加するなか、韓国や中国、台湾、米国などで手持ち工事が順調に進んだ。また、超純水製造装置の配管材料も好調だった。同時に発表した24年3月期の同利益は前期比8.8%増の69.8億円と4期連続で過去最高益を更新する見通しだ。好決算を背景に株価は急騰劇を演じ、青空圏を舞う展開となっている。
2位に入った静岡ガス <9543> [東証P]の1-3月期(第1四半期)経常利益は前年同期比4.4倍の143億円に膨らみ、実に55四半期ぶりとなる最高益更新を果たした。ガス販売量は減少したものの、原料価格の高騰分を反映させる原料費調整制度でガスの販売単価が上昇したことが収益を押し上げた。第1四半期実績だけで、通期計画の141億円をすでに上回っており、業績上振れが期待される。
3位のテクマトリックス <3762> [東証P]は事業統合したPSPの医用画像管理システムの収益が大きく伸び、1-3月期(第4四半期)の税引き前利益は22.5億円と過去最高だった前年同期を71.9%も上回って着地。併せて発表した24年3月期の同利益は前期比4.4%増の52.9億円と3期連続で最高益を更新する見通しを示している。
4位のやまびこ <6250> [東証P]は欧米でチェンソーなど小型屋外作業機械の販売が堅調に推移したほか、建設やエンターテイメント需要の増加を背景に北米で発電機の好調な販売が続いた。また、円安による収益押し上げ効果や前期に実施した値上げの浸透も寄与し、1-3月期(第1四半期)は3四半期ぶりに過去最高益を更新した。業績好調に伴い、上期(1-6月)の経常利益を従来予想の80億円→90億円に上方修正したことも好感され、株価は6月7日に約5年1ヵ月ぶりの高値1534円まで上値を伸ばした。
5位には人工知能(AI)開発ベンチャーのPKSHA Technology <3993> [東証S]が入った。1-3月期(第2四半期)は自動応答エンジンなどのAI SaaSプロダクトの販売が拡大したほか、対話型AI「ChatGPT」の登場などを追い風にソリューション案件の引き合いが増加した。また、投資先の株式売却に伴う売却益を計上したことも利益を押し上げた。併せて、減益予想だった23年9月期通期の経常利益を一転して最高益見通しに上方修正した。足もとでは生成AI関連として注目を集めており、株価は6月7日に約2年2ヵ月ぶりに3000円大台を回復する場面があった。
選出リストでは、利益成長とともに配当も増やす方針を示している企業に年初来高値を更新するものが目立つ。12位のユアサ商事 <8074> [東証P]、15位のオカムラ <7994> [東証P]、24位のアルプス技研 <4641> [東証P]、27位の西本Wismettacホールディングス <9260> [東証P]はいずれも今期増配計画かつ配当利回りが3%超と高水準であり、積極的な株主還元も評価されているようだ。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 1-3月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<6254> 野村マイクロ 109 3219 1543 8.8 6981 6416 11.0
<9543> 静ガス 75.7 14374 8180 16.5 14160 12152 9.9
<3762> テクマト 71.9 2259 1314 4.4 5290 5066 22.1 *
<6250> やまびこ 46.9 5913 4025 29.1 12800 9913 7.4
<3993> パークシャ 45.3 718 494 3.2 1600 1551 128
<4776> サイボウズ 32.5 1257 949 7.8 2450 2272 72.7
<4680> ラウンドワン 27.4 7874 6180 19.9 20010 16690 14.0
<4051> GMO-FG 24.5 351 282 36.6 1018 745 139
<9229> サンウェルズ 22.3 434 355 104 2330 1140 67.7
<7595> アルゴグラフ 22.0 2643 2167 1.0 8280 8200 15.2
<3679> じげん 21.0 1348 1114 26.2 5300 4199 20.3 *
<8074> ユアサ商 19.4 6249 5232 6.6 16400 15382 7.9
<3856> Aバランス 19.4 5273 4416 794 13500 1510 29.3
<6866> HIOKI 19.1 2381 2000 10.9 8080 7287 19.8
<7994> オカムラ 15.6 9464 8186 13.6 21500 18924 11.4
<8117> 中央自 14.7 2805 2445 5.9 9500 8968 8.4
<1879> 新日本建 14.6 7403 6459 0.4 17300 17225 5.4
<2384> SBSHD 13.9 10520 9233 4.2 22300 21404 10.1
<5352> 黒崎播磨 13.8 3901 3429 3.5 12500 12083 6.7
<4481> ベース 10.9 1216 1096 19.4 4692 3931 30.5
<6200> インソース 10.9 1034 932 11.2 3720 3346 42.9
<4071> PAコンサル 9.7 948 864 25.4 3350 2671 50.3
<1949> 住友電設 6.9 5810 5434 0.7 14500 14394 10.9
<4641> アルプス技 6.6 1511 1417 10.1 5060 4595 16.2
<3844> コムチュア 5.8 1196 1130 16.8 4750 4067 21.5
<6544> Jエレベータ 5.0 1502 1430 11.8 5700 5100 44.9
<9260> ウィズメタク 3.9 3370 3244 2.0 11000 10787 8.7
<4373> シンプレクス 3.1 2044 1982 18.8 8667 7298 22.5 *
<2317> システナ 3.1 2770 2688 6.9 10644 9955 15.9
<7821> 前田工繊 3.0 2257 2192 27.0 8100 6378 19.0
<7105> ロジスネクス 2.8 5383 5236 67.7 23000 13714 9.6
<6947> 図研 2.0 1542 1512 3.5 4900 4735 24.9
<7839> SHOEI 0.2 2449 2444 3.3 8780 8503 21.9
※2022年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース