TKP Research Memo(7):2024年2月期は需要回復を受け、新規出店・既存施設の増床を積極化する方針
■業績見通し
1. 2024年2月期の連結業績予想
2024年2月期の連結業績についてティーケーピー<3479>は、売上高を前期比28.1%減の36,300百万円、営業利益を同51.0%増の5,400百万円、経常利益を同63.3%増の5,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を6,700百万円(前期は4,936百万円の損失)と、リージャス事業の売却により減収となるも、損益面では大幅の増益を見込んでいる。
売上高は、リージャス事業のはく落(約176億円のマイナス)が減収要因となるものの、その影響を除くと約20%の増収を確保する計画である。貸会議室・宿泊需要が回復基調にあるなかで、東京・大阪のビジネス地区を中心に新規出店・既存施設の増床を積極化する方針であり、会議室面積で1万坪増を目指す。また、宿泊施設についても、既存施設のブランド転換・新規建設も視野に入れ、これまで以上に開発を強化していく(本格的な業績寄与は2025年2月期以降を予定)。
損益面でも、筋肉質な収益体質への転換(損益分岐点の引き下げ)を進めてきたところに増収効果が重なることで大幅な増益を実現し、営業利益率も14.9%(前期は7.1%)に大きく改善する。特に、経常利益については金融費用の軽減により過去最高を更新する見通しである。さらに親会社株主に帰属する当期純利益が大幅な増益となるのは、税効果の持越し分(約35億円)が上乗せされることによる。
2. 弊社の見方
弊社でも、貸会議室・宿泊需要の回復が進んできたことや、筋肉質の収益体質が定着してきたことから、同社業績予想は十分に達成可能であると見ている。また、業績の伸びをけん引する床面積の拡大(1万坪増の計画)についても、既に5拠点(合計5,701坪)の新規・増床オープン※が予定されており、滑り出しは順調のようだ。今後も東京駅付近を中心に利便性の高い拠点を積極的に仕入れ、本格的な需要回復に対応していく方針であり、その進捗にも注目したい。なお、前期からの税効果の持越し分は第1四半期に計上される見込みであることから、最終損益の四半期ごとのバラツキには注意が必要である。
※赤坂カンファレンスセンター(2023年4月新規オープン、620坪)、ガーデンシティPERMIUM東京駅丸の内中央(同年5月新規オープン、471坪)、ガーデンシティ渋谷(同年5月増床オープン、131坪)、東京駅カンファレンスセンター(同年6月増床オープン、743坪)、ガーデンシティ幕張(同年7月増床オープン、3,736坪)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
《SI》
提供:フィスコ