鎌倉新書 Research Memo(2):終活関連情報サービス事業を展開、終活情報インフラを構築するユニークな企業
■会社概要
1. 会社概要
鎌倉新書<6184>は、葬儀、お墓、仏壇などのポータルサイトを運営する終活関連情報サービス事業を展開する。供養系のWebマッチングサイト運営に留まらず、介護施設への入居、生前整理や葬儀の準備、相続手続きなど終活にかかる情報インフラを構築するユニークな企業である。また、2021年3月より、蓄積したノウハウを生かして、自治体の住民に向けた終活セミナーの開催・情報提供支援、自治体職員への研修・情報提供支援、終活専用ダイヤル設置支援など、自治体との官民協働事業も開始し、提携自治体数を着実に伸ばしている。
供養系の事業であることから、競合他社としてサン・ライフホールディング<7040>、平安レイサービス<2344>、ティア<2485>、燦ホールディングス<9628>、こころネット<6060>を挙げる投資家は多いだろう。しかし、これらは自社で葬儀などのサービスを行っている企業であるため、供養系の事業とはいえ、同社のビジネスモデルとは大きく異なる。ユーザーに判断材料を提供して業者につなぐマッチングサービスであることから、カカクコム<2371>など価格比較サイトに近い業態ではあるが、価格比較だけではなく、物事が円滑に行われるように全体の調整や進行を担当するコーディネーターや、相談を受けて診断、助言、ガイダンスを示すコンサルティングの要素を兼ね備えた企業である。
2. 沿革
同社は1984年4月に東京都豊島区において、仏壇仏具業界向け書籍の出版社として設立された。社名の由来は事業を始めた場所が千代田区の鎌倉橋の近くだったほか、創業者(代表取締役会長CEO 清水祐孝(しみずひろたか)氏の父親)が鎌倉仏教に造詣が深かったことから「鎌倉」、元々出版社であったため「新書」とし、「鎌倉新書」となった。
仏教書から、葬儀や墓石、宗教用具等の業界へ向けた出版社へと転換。さらに「出版業」を「情報加工業」と定義付け、セミナーやコンサルティング、さらにはインターネットサービスへと事業を転換させた。2000年に日本最大級の葬儀相談依頼サイト「いい葬儀」を開始、2003年には日本最大級のお墓に関するポータルサイト「いいお墓」、日本最大級の仏壇・仏具に関するポータルサイト「いい仏壇」を開始した。現在は「いい葬儀」「いいお墓」「いい仏壇」に加え、「いい相続」「いい介護」「いい不動産」など終活関連の様々なポータルサイトを運営し、高齢者の課題解決へ向けたサービスを提供している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《SI》
提供:フィスコ