貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8035 東京エレクトロン

東証P
23,135円
前日比
+885
+3.98%
PTS
23,200円
19:26 11/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.3 5.98 2.47 17.40
時価総額 109,112億円
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上げ潮相場に乗る! 最高益予想で高値圏飛翔も“まだ割安”の7銘柄リスト <株探トップ特集>


―24年3月期にピーク益更新見通しも割安評価、上値期待膨らむ銘柄をピックアップ―

 3月期決算企業の決算発表シーズンが終わった。上場企業の23年3月期業績は営業利益段階で増益を確保した。欧米の景気減速や長引く原材料高などを受けて製造業に苦戦を強いられる企業が目立つ一方、急速な円安進行が輸出関連企業に追い風となったほか、コロナ禍から経済活動の正常化が進んだことで空運 鉄道レジャー関連などの業績が持ち直した。続く24年3月期は逆風要因が多いなかでも増益基調が続く見込みとなっている。

 今回は収益環境に向かい風が吹き続けるなかでも成長を堅持する見通しを示す企業に注目。24年3月期の営業利益が過去最高益の更新を見込む企業のなかから、株価指標面で割安感が強く、水準訂正妙味のある銘柄を追った。

●24年3月期は底堅い業績が続く

 19日までに24年3月期の営業利益予想を開示した東証上場企業2047社を集計したところ、営業利益の合計額は前期比で6%増加する計画となった。全社合計の増益率は1ケタ台にとどまるものの、社数ベースでは7割近くの企業が前期実績を上回る予想を示している。営業利益の増加額が前期と比べ最も大きいのは関西電力 <9503> [東証P]で、24年3月期は前期の520億5600万円の赤字から4100億円の黒字へ急浮上する見通しだ。原発再稼働の進展に伴う原子力利用率の上昇や燃料価格の低下などによって採算が大きく改善する。

 利益増加額の上位には、半導体不足の緩和による自動車生産の回復を見込むトヨタ自動車 <7203> [東証P]、ホンダ <7267> [東証P]、日産自動車 <7201> [東証P]といった自動車大手が並んだほか、アイシン <7259> [東証P]やデンソー <6902> [東証P]など自動車部品メーカーも多く入った。そのほか、リオープン(経済再開)の動きを受けて、鉄道や外食なども回復傾向が継続する計画を示している。一方、世界的な景気後退懸念など先行きに不透明感が漂うなか、設備投資を抑制する動きが広がっており、東京エレクトロン <8035> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]、ファナック <6954> [東証P]などは減収減益の見通しだ。

 こうしたなか、今回は24年3月期に営業利益が過去最高益を更新する計画で、かつ株価指標が割安圏にある銘柄に照準を合わせた。以下では、決算内容が評価され株価が新高値圏にある最高益企業のうち、予想PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)の水準が低く、一段の上値が期待できそうな7銘柄を紹介していく。

●旭有機材はグローバルニッチトップの強み発揮

 旭有機材 <4216> [東証P]は世界で初めて樹脂製バルブを開発し、現在でも世界シェア約15%を持つグローバルニッチトップ企業。“錆びない”という特徴を持つ樹脂製バルブでこれまで金属製が主流だった洗浄工程など半導体製造装置向けの需要を捉え、業績は急拡大を遂げている。前期は3度にわたる業績上方修正を経て、営業利益119億4700万円(前の期比81.7%増)と過去最高を大幅に更新した。24年3月期は半導体関連市場の成長が緩やかになるとともに業績は減速するものの、増収増益を確保する計画だ。足もとでは事業拡大に向けた生産能力の増強を進めるほか、世界の半導体メーカーによる日本国内の設備投資拡大への思惑が高まるなど、中長期の成長期待は強い。株価は約26年5ヵ月ぶりの高値圏を快走しているが、予想PER8倍台と見直し余地は大きいとみられる。

●ラウンドワンは16期ぶり最高益と大復活見通し

 ラウンドワン <4680> [東証P]の前期業績は営業損益が169億2100万円の黒字(前の期は17億2600万円の赤字)へ急浮上した。クレーンゲーム専用フロアへの改装効果で国内事業が4割の大幅増収を達成したほか、一足早くコロナ禍から立ち直った米国も新規出店や値上げ効果で収益が大きく伸びた。24年3月期は国内事業が牽引する形で営業利益205億6000万円(前期比21.5%増)と16期ぶりに過去最高益を奪還する計画だ。配当は年10円(実質25%増配)とし、今期から四半期配当制度を導入する。また、4月の国内既存店売上高は前年同月比19.7%増と好スタートを切ったことも好感され、株価は10日に年初来高値678円をつけたが、その後は利益確定売りに押される展開にある。予想PERは14倍台と割高感はなく、押し目買い候補として注視したい。

●ヤマエGHDは積極買収による事業拡大で株価も青空圏へ

 ヤマエグループホールディングス <7130> [東証P]は九州地盤の食品卸大手で飼料、木材、住宅、物流なども展開。積極的なM&A戦略によって事業領域を広げている。前期業績は昨年8月に子会社化した日本ピザハット・コーポレーションなどの業績上積みに加え、経済活動の正常化に伴う外食需要の増加で業務用食材・酒類の販売が回復し、売上高5879億8200万円(前の期比16.7%増)、営業利益115億7500万円(同68.3%増)といずれも過去最高を大きく塗り替えた。24年3月期は前期に買収した子会社が通期寄与するほか、インバウンド需要やイベントの復活などを追い風に業務用分野が一段と伸び、2ケタ増収増益が続く計画だ。株価は青空圏に舞う展開となっているが、予想PER6倍前後、PBR0.8倍近辺にすぎず、更なる上値が期待できそうだ。

●バンドーは株主還元強化で配当利回り5%超と高水準

 バンドー化学 <5195> [東証P]は自動車、産業機械、農機などの伝動ベルトを主力とする産業用ベルトメーカー。前期業績(国際会計基準)は自動車生産台数の回復や設備投資需要の増加を背景に、営業利益段階で4期ぶりの最高益更新(同一会計基準内)を果たし、24年3月期も成長が継続する見通しだ。決算発表とあわせて、これまで40%以上としていた配当性向のメドを50%以上に引き上げる方針を示した。これを踏まえ、今期配当は前期比16円増の68円に増配する計画とし、配当利回りは5%台で推移している。また、27年3月期にコア営業利益120億円(前期実績は67億3400万円)の目標を掲げる中期経営計画も発表。自動車電動化ニーズの獲得や大型農機市場での商機拡大に加え、電子資材や医療・ヘルスケア機器といった新規事業の強化を通じて更なる成長戦略を描く。

●日総工産は自動車分野の回復で4期ぶり最高益へ

 日総工産 <6569> [東証P]は製造業向け派遣や業務請負などを展開する総合人材サービス会社。前期は主力の自動車分野で半導体を中心とした部品不足の影響が続いたものの、人材ニーズは堅調で稼働が緩やかに回復したうえ、契約単価も上昇し、3期ぶりに営業増益を達成した。24年3月期は自動車の回復基調が継続するほか、パソコンや通信機器関連の部品需要が徐々に持ち直し、営業利益36億円(前期比58.7%増)と4期ぶりの最高益更新見通しで増配も計画する。4月には半導体受託製造の世界最大手TSMC<TSM>が新工場を建設する熊本県に半導体関連の高付加価値人材を育成する研修施設を開設した。TSMCの取引先なども九州への設備投資に動いており、半導体エンジニアニーズの取り込みが期待される。

●あらたは前期まで8期連続最高益、安定成長で増配も続く

 あらた <2733> [東証P]は日用品・化粧品における国内トップクラスの卸商社。業績は安定成長を続けており、売上高、営業利益ともに8期連続で過去最高を更新中だ。前期は行動制限の緩和による外出機会の増加で基礎化粧品やメイクアップ商品が伸びたほか、ペット用品などの販売も好調だった。24年3月期は卸事業の更なる成長によって営業利益137億円(前期比6.9%増)と増益路線を継続し、配当は前期比30円増の166円と9期連続の増配を計画する。同社はツルハホールディングス <3391> [東証P]を中心にドラッグストア向けを主力としており、インバウンド需要の回復が追い風となりそうだ。指標面では予想PER8倍近辺、PBR0.7倍台、配当利回り3%台後半と水準訂正余地は大きい。

●エスリードは低PER・低PBR・高配当で株価の水準訂正に期待

 エスリード <8877> [東証P]は大阪を地盤とする森トラスト系のマンションディベロッパー。前期業績は主力のマンション販売で好採算物件が好調に推移したうえ、物件管理や建設などを手掛けるマンション周辺事業も拡大し、営業利益段階で2期連続のピーク益更新を果たした。24年3月期は底堅い住宅需要や潤沢な事業用地、マンション周辺事業の更なる成長を背景に、2ケタ増収増益を見込む。配当は前期比10円増の100円に増配する予定だ。予想PER5倍前後、PBR0.6倍近辺、配当利回り4%台と指標面からの投資妙味は大きい。PBRについては配当政策など資本政策の向上によって1倍超の早期実現を目標に掲げる。今後は大阪・関西万博や大阪IR(統合型リゾート)による関西経済の発展を背景に一段の成長を目指す。

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