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億り人はどんな人、負けが込んでいる人と含み損益の銘柄に違いは?

第5回 上級者・勝つ人はココが違う!(億り人・バガー・残念さん編)
~個人投資家3750人調査で判明~

筆者/真弓重孝 = 『株探』編集部・編集統括プロデューサー
ビジネス誌、マネー誌などを経て、2018年4月にみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)に入社。現在に至る。

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今春に実施した「個人投資家大調査2023春」の回答結果を分析していくシリーズでは、今回から億り人バガー残念さんの3者について見ていく。

強くて、上手い投資家の代表格である億り人バガーと、最近は負けがこんでいる残念さんとの間にどのような違いがあるのかが認識できれば、投資の腕を上げるヒントになるはずだ。

3者の定義は以下の通り。億り人とバガーでは、どちらにも属す人がおり、
億り人58%バガーであり、バガーの41%は億り人――となっている。

■今回見ていく人たち
・億り人足元の日本株資産が1億円以上
・バガーさん累積元本を2倍以上に増やし、日本株資産が3000万円以上
・残念さん19~23年春の年間成績が5連敗の人

この3者を、これから第5回~第8回の4回の記事で比較していく。

特徴的な差が見られるのは、毎回掲載する銘柄リストや、

「損益動向」「保有銘柄数」や「金融資産に占める日本株資産の割合」~今回(第5回)
「投資スタイル」や「平均的な銘柄保有期間」~第6回、
「今後6カ月先の見通し」や「同狙い方」~第7回、
「アメ株投資の有無」「日本株・アメ株以外の投資対象」や「株探プレミアムの活用内容」~第8回、

――などになる

では、これから比較を始めていく。今回は以下の項目を見ていく。

・投資の腕前
・年齢や職業、年収
・日本株の投資歴および足元の運用額
・投資開始以来のパフォーマンス
・2019年から足元の運用成績の動向
・足元の保有銘柄数や全金融資産に占める割合
・足元の含み益および含み損が最大の銘柄

億り人とバガーは上級者が過半、残念さんは初級者がトップ

まず今回の調査から質問に加えた「自身の投資の腕前」については、想定通りの結果となっている。億り人バガーの1位は「上級者」で過半を占め、2位は「中級者」で30%前後の割合となっている。

一方の残念さんは、「初級者」が最も多く、続いて「中級者」「初心者」となり、「上級者」はいなかった。

■投資の腕前
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位上級者53.0%上級者54.3%初級者40.1%
2位中級者31.0%中級者29.3%中級者30.3%
3位初級者9.0%初級者7.1%初心者26.8%
4位わからない4.0%わからない5.0%わからない1.8%
5位初心者3.0%上記以外2.9%上記以外1.1%
6位――――初心者1.4%――――
注:回答数は左から順に100、140、284

なお、投資の腕前の定義は以下の通りで、知識の取得や投資法の確立、そして投資の成果から自己分析してもらっている。

■投資の腕前の定義
・上級者-投資法を確立し、満足する成果を上げている
・中級者-投資法を確立済みも、満足する成果に至っていない
・初級者-必要な知識を取得済みで、投資法の確立途上
・初心者-必要な知識を取得中で、投資法を模索中

億り人の8%が30代、残念さんの上位に60代と70代

年齢では、億り人バガーとも50代と60代が中核で、併せて60%近くを占めている。30代の億り人は8%の割合となっている。

一方、残念さんでは、60代に続いて70代が2番目になっている。

■年齢
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位50代32.0%60代32.1%60代27.1%
2位60代29.0%50代26.4%70代以上24.6%
3位70代以上16.0%70代以上17.1%50代23.9%
4位40代15.0%40代15.7%40代18.0%
5位30代8.0%30代8.6%30代5.6%
6位――――――――20代0.7%
注:回答数は左から順に100、140、284

職業の内訳は以下の通り。3者のトップ2は共通するが3位は異なり、億り人バガーは「専業投資家」、残念さんは「自営業」となっている。

■職業
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位会社員等36.0%会社員等35.0%会社員等37.7%
2位定年退職後27.0%定年退職後27.1%定年退職後26.1%
3位専業投資家13.0%専業投資家13.6%自営業11.3%
4位会社役員等9.0%会社役員等10.0%パート・派遣社員等8.8%
5位自営業6.0%自営業6.4%専業主婦・主夫4.6%
6位パート・派遣社員等6.0%パート・派遣社員等3.6%会社役員等3.9%
7位専門職2.0%その他2.9%専門職3.5%
8位その他1.0%専門職0.7%求職中1.8%
9位――――専業主婦・主夫0.7%専業投資家1.4%
10位――――――――その他0.7%
11位――――――――学生0.4%
注:回答数は左から順に100、140、284

億り人の年収は「1000万~1500万円未満」がトップ

年収を見ると、億り人バガーは「1000万~1500万円未満」が1位ないし2位だが、残念さんでその年収は7位となっている(下の表)。

億り人とバガーは高年収層が多く、残念さんはその逆の傾向となっている。これは、残念さんは高年齢層の割合が高いことが影響している可能性がある。

表で示していないが、残念さんの年齢と収入をクロス集計すると、最も多いのが「70代以上の200万~400万円未満」で12.3%を占め、次に「60代の200万~400万円未満」で8.1%となっている。

■年収
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位1000万
~1500万円未満
25.0%400万
~600万円未満
21.4%200万
~400万円未満
31.0%
2位400万
~600万円未満
17.0%1000万
~1500万円未満
17.1%400万
~600万円未満
21.8%
3位800万
~1000万円未満
15.0%600万
~800万円未満
15.0%200万円未満16.9%
4位3000万円以上15.0%800万
~1000万円未満
13.6%600万
~800万円未満
10.9%
5位600万
~800万円未満
9.0%3000万円以上10.7%無収入7.0%
6位1500万
~3000万円未満
9.0%200万
~400万円未満
9.3%800万
~1000万円未満
6.7%
7位200万
~400万円未満
5.0%1500万
~3000万円未満
7.9%1000万
~1500万円未満
4.6%
8位200万円未満3.0%200万円未満3.6%1500万
~3000万円未満
1.1%
9位無収入2.0%無収入1.4%
注:回答数は左から順に100、140、284

投資歴の長い人は、やはり強い

日本株の投資歴や保有資産額、投資開始以来のパフォーマンス(運用成績)を見ると、投資歴の長い人が強い傾向が見て取れる。

1993年以前」と投資歴が30年を超える人の割合は、億り人は約半数、バガーは40%を超えているのに対して、残念さんは2010年代半ば以降に投資を始めた人が半数を占める。

■日本株の投資開始年
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位1993年以前49.0%1993年以前41.4%2019~21年29.2%
2位1994~2003年22.0%1994~2003年24.3%2014~18年22.2%
3位2004~13年18.0%2004~13年22.1%2004~13年21.8%
4位2019~21年5.0%2014~18年8.6%1993年以前17.3%
5位2014~18年5.0%2019~21年3.6%1994~2003年9.5%
6位2022年以降1.0%――――――――
注:回答数は左から順に100、140、284

日本株資産額の割合を見たのが以下の表。冒頭で触れたように、バガーの41%が億り人となっている。

■日本株の保有資産額
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位1億~3億円未満78.0%5000万~1億円未満36.4%100万~300万円未満32.4%
2位3億~5億円未満9.0%1億~3億円未満31.4%100万円未満20.4%
3位5億~10億円未満7.0%3000万~5000万円未満22.1%300万~500万円未満17.3%
4位10億円以上6.0%3億~5億円未満5.0%500万~1000万円未満12.0%
5位――――5億~10億円未満2.9%1000万~2000万円未満11.6%
6位――――10億円以上2.1%2000万~3000万円未満2.1%
7位――――――――3000万~5000万円未満2.1%
8位――――――――5000万~1億円未満1.4%
9位――――――――不明0.7%
注:回答数は左から順に100、140、284

投資歴と資産額も、「長いほど大きい」

億り人バガーについて、投資歴と日本株資産額をマトリクスにして全体に占める割合を見たのが、以下の2つの表。

双方とも、すべての資産額の区分で1993年以前に投資を始めた人の割合がトップになっている。億り人バガーになるには、相場に居続けることが重要な要素になると言えるだろう。

■億り人の投資歴と日本株資産額別の動向(総計に占める割合)
1億~
3億円未満
3億~
5億円未満
5億~
10億円未満
10億円
以上
小計
1993年以前36%4%6%3%49%
1994~2003年17%3%1%1%22%
2004~13年17%1%18%
2014~18年4%1%5%
2019~21年4%1%5%
2022年以降1%1%
小計78%9%7%6%100%
注:小数点第1位を四捨五入

■バガーの投資歴と日本株資産額別の動向(総計に占める割合)
3000万~
5000万円未満
5000万~
1億円未満
1億~
3億円未満
3億~
5億円未満
5億~
10億円未満
10億円
以上
小計
1993年以前9%14%13%3%2%1%41%
1994~2003年6%9%7%2%1%――24%
2004~13年4%9%9%――――――22%
2014~18年2%4%1%――――1%9%
2019~21年1%1%1%―――――― 4%
小計22%36%31%5%3%2%100%
注:小数点第1位を四捨五入

投資開始以来の成績、残念さんの90%超が凹み

投資開始以来の運用成績を見たのが、以下の2つの表になる。

先に触れたように、残念さんは2019年以降に投資を始めた人は30%ほどになる。にもかかわらず資産を減らした人は90%を超えている。つまり、投資歴に関わらず成績不振に陥っている(下の表)。

■投資開始以来の損益・資産増減の動向
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位利益・資産増94.0%利益・資産増100.0%損失・資産減91.5%
2位損失・資産減4.0%――――利益・資産増5.3%
3位変化なし2.0%――――変化なし1.8%
4位――――――――わからない1.4%
注:回答数は左から順に94、140、15

それを示すのが、下の表で、投資歴が20年や30年を超える人でも損失・資産減となっている人の割合が一定数いることがわかる。

■残念さんの投資歴と投資開始以来の成績
投資歴損失・資産減利益・資産増変化なしわからない
1993年以前16%20%40%50%
1994~2003年10%13%0%0%
2004~13年20%53%0%25%
2014~18年23%13%20%25%
2019~21年31%0%40%0%
小計100%100%100%100%
注:回答数は左から順に260、15、5、4

投資開始以来のパフォーマンス、億り人とバガーの最多は「2倍~5倍未満」

投資開始以来のパフォーマンスの内訳を見たのが、以下の表になる。億り人バガーの最多は「2倍~5倍未満」に対して、残念さんでは「10~30%未満」となっている。

■投資開始以来のプラス・リターン動向
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位2倍~5倍未満23.4%2倍~5倍未満43.6%10~30%未満26.7%
2位20倍以上17.0%5倍~10倍未満21.4%5%未満20.0%
3位10倍~20倍未満11.7%10倍~20倍未満18.6%30~50%未満20.0%
4位10~30%未満10.6%20倍以上16.4%5~10%未満13.3%
5位5倍~10倍未満9.6%――――80~100%未満13.3%
6位わからない9.6%――――2倍~5倍未満6.7%
7位30~50%未満6.4%――――――――
8位50~80%未満6.4%――――――――
9位5%未満2.1%――――――――
10位5~10%未満2.1%――――――――
11位80~100%未満1.1%――――――――
注:回答数は左から順に94、140、15

億り人の投資歴別のプラス・リターン率を見ると、投資歴が長くなるほど高いパフォーマンスを上げている状況が見て取れる(下の表の左上部分)。

■億り人の投資開始以来のプラス・リターンと投資歴の動向
1993
年以前
1994~
2003年
2004
~13年
2014
~18年
2019
~21年
2022
年以降
20倍以上4%6%5%1% ――  ――
10倍~20倍未満6%――3%1%1%
5倍~10倍未満5%3%1% ――  ――  ――
2倍~5倍未満13%5%4%1% ――  ――
80~100%未満 ―― 1% ――  ――  ――  ――
50~80%未満3%1%1%1%
30~50%未満3%2% ――  ――  ―― 1%
10~30%未満4%3%1%1%1%
5~10%未満1% ―― 1% ――  ――  ――
5%未満2% ――  ――  ――  ――  ――
わからない7% ―― 1%1%
小計50%22%18%5%3%1%

マイナス・リターン率では、残念さんの中には「元本を超える減少」と回答した人が8.5%いた。

■投資開始以来のマイナス・リターン動向
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位▲5%未満25.0%――――▲10~▲30%未満28.1%
2位▲5~▲10%未満25.0%――――▲5~▲10%未満18.5%
3位▲10~▲30%未満25.0%――――▲30~▲50%未満18.1%
4位▲30~▲50%未満25.0%――――▲50~▲80%未満13.8%
5位――――――――元本を超える減少8.5%
6位――――――――▲80~▲100%6.2%
7位――――――――▲5%未満5.0%
8位――――――――わからない1.9%
注:回答数は左から順に4、0、260

足元のパフォーマンス、億り人・バガーの約80%が勝ち

足元の成績を見ると億り人バガーとも、約80%が勝ちとなっている。

■足元の損益動向
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位利益・含み益77.0%利益・含み益81.4%損失・含み損100.0%
2位損失・含み損15.0%損失・含み損10.0%――――
3位変化なし8.0%変化なし8.6%――――
注:回答数は左から順に100、140、284

両者のプラス・リターン率は「5~10%未満」がトップで、次に「10~30%未満」となっている。

■足元のプラス・リターン動向
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位5~10%未満44.2%5~10%未満34.2%――――
2位10~30%未満24.7%10~30%未満28.1%――――
3位30~50%未満13.0%5%未満14.0%――――
4位5%未満7.8%30~50%未満11.4%――――
5位50~80%未満3.9%2倍~3倍未満5.3%――――
6位2倍~3倍未満3.9%わからない3.5%――――
7位わからない2.6%50~80%未満2.6%――――
注:回答数は左から順に77、114、0

マイナス・リターン率で最多なのは、億り人では「▲5~▲10%未満」、バガーでは「▲5%未満」となっている。これに対して、残念さんは「▲10~▲30%未満」と落ち込みが大きくなっている。

■足元のマイナス・リターン動向
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位▲5~▲10%未満46.7%▲5%未満50.0%▲10~▲30%未満36.3%
2位▲10~▲30%未満26.7%▲5~▲10%未満28.6%▲5~▲10%未満26.8%
3位▲5%未満20.0%▲10~▲30%未満21.4%▲30~▲50%未満12.0%
4位▲30~▲50%未満6.7%――――▲5%未満10.9%
5位――――――――▲50~▲80%未満5.3%
6位――――――――元本を超える減少4.6%
7位――――――――▲80~▲100%2.8%
8位――――――――わからない1.4%
注:回答数は左から順に15、14、284

22年は億り人とバガーの70%が勝ち

主要株価指数の年間騰落率がマイナスとなった22年の成績について見ると、億り人バガーの70%の人が勝ちと回答している(下の表)。

■22年の損益動向
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位利益・含み益71.0%利益・含み益70.0%損失・含み損100.0%
2位損失・含み損20.0%損失・含み損21.4%――――
3位変化なし9.0%変化なし8.6%――――
注:回答数は左から順に100、140、284

22年のプラス・リターン率の1位と2位は、億り人バガーで同じだったが、3~7位が異なっている。

■22年のプラス・リターン動向
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位10~30%未満33.8%10~30%未満33.7%――――
2位5~10%未満32.4%5~10%未満25.5%――――
3位50~80%未満9.9%30~50%未満11.2%――――
4位5%未満8.5%2倍~5倍未満9.2%――――
5位30~50%未満7.0%5%未満8.2%――――
6位2倍~5倍未満5.6%50~80%未満8.2%――――
7位10倍~20倍未満1.4%80~100%未満2.0%――――
8位わからない1.4%わからない2.0%――――
9位――――――――――――
10位――――――――――――
11位――――――――――――
注:回答数は左から順に71、98、0

■22年のマイナス・リターン動向
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位▲10~▲30%未満45.0%▲10~▲30%未満40.0%▲10~▲30%未満34.5%
2位▲5%未満20.0%▲5%未満26.7%▲5~▲10%未満24.3%
3位▲5~▲10%未満20.0%▲5~▲10%未満20.0%▲30~▲50%未満16.2%
4位▲30~▲50%未満10.0%▲30~▲50%未満10.0%▲50~▲80%未満7.4%
5位わからない5.0%わからない3.3%▲5%未満6.7%
6位――――――――元本を超える減少6.0%
7位――――――――▲80~▲100%2.8%
8位――――――――わからない2.1%
注:回答数は左から順に20、30、284

19~21年は億り人とバガーとも80%前後が勝ち

19~21年の3年間の勝敗では、億り人バガーとも80%前後が勝ちとなっている。

■21年の勝敗動向
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位勝ち84.0%勝ち80.7%負け100.0%
2位負け11.0%負け15.0%
3位不明・投資せず5.0%不明・投資せず4.3%
注:回答数は左から順に100、140、284

■20年の勝敗動向
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位勝ち77.0%勝ち77.1%負け100.0%
2位負け18.0%負け20.0%――――
3位不明・投資せず5.0%不明・投資せず2.9%――――
注:回答数は左から順に100、140、284

■19年の勝敗動向
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位勝ち80.0%勝ち84.3%負け100.0%
2位負け10.0%負け8.6%――――
3位不明・投資せず10.0%不明・投資せず7.1%――――
注:回答数は左から順に100、140、284

保有銘柄数、億り人は「多」、バガーは「多少」、残念さんは「少」

保有銘柄数の動向を見ると、億り人は「多」、バガーは「多少」、残念さんは「少」といった状況。各1位は、億り人が「101以上」、バガーが「21~50」、残念さんが「1~5」になる。

■足元の保有銘柄数
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位101以上31.0%21~5024.3%1~543.3%
2位21~5026.0%11~2019.3%6~1023.9%
3位51~10013.0%101以上19.3%11~2015.5%
4位6~1011.0%51~10016.4%21~5010.6%
5位11~2010.0%6~1011.4%101以上1.8%
6位1~59.0%1~58.6%51~1001.4%

残念さんの保有銘柄数が少ないのは億り人バガーと比べて運用資産額が小さいことが影響していると見られる。下の表は、全回答者について保有銘柄数と運用資産額の関係を見たものになる。

運用額が小さいと保有銘柄が少なく、運用額が大きくなると保有銘柄数が増える関係となっている。

■全回答者の運用資産別の保有銘柄の割合
1~56~1011~2021~5051~100101以上小計
100万円未満33%10%3%2%1%2%13%
100万~300万円未満31%32%16%7%4%6%22%
300万~500万円未満14%19%19%11%2%1%15%
500万~1000万円未満11%20%27%23%11%1%18%
1000万~2000万円未満7%12%18%25%19%13%14%
2000万~3000万円未満2%3%7%11%17%9%6%
3000万~5000万円未満1%1%5%11%23%13%5%
5000万~1億円未満1%1%4%7%16%28%4%
1億円以上1%1%1%4%6%28%3%
小計100%100%100%100%100%100%100%
注:回答数は3635。資産額が不明と保有銘柄が0を除く

金融資産に占める日本株資産の割合を見ると、億り人バガーの1位は「90%台」だったが、残念さんでは「100%」だった。

■日本株の全体資産に占める比率
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位90%台23.0%90%台19.3%100%26.4%
2位100%23.0%80%台17.9%30%台11.3%
3位70%台16.0%70%台14.3%20%台9.9%
4位80%台13.0%100%12.9%50%台9.5%
5位60%台7.0%60%台9.3%1~9%8.8%
6位30%台6.0%30%台7.9%80%台7.4%
7位40%台4.0%40%台7.9%10%台7.0%
8位50%台3.0%50%台7.1%90%台5.6%
9位10%台2.0%20%台2.1%40%台4.9%
10位20%台2.0%10%台1.4%60%台3.9%
11位不明1.0%70%台3.2%
12位――――――――不明2.1%
注:回答数は左から順に100、140、284

保有銘柄数と日本株資産の配分比率の動向を見ると、残念さんのフォーマンスが停滞している一因に、分散投資によるリスク分散が効いていない可能性がある。

ただ、これは残念さんが意図して集中投資を選んでいるのではない可能性もある。日本株では株価と最低投資金額の単位が異なり、1銘柄保有するのに10万円、時には100万円単位の金額になってしまうこともあるからだ。

アメ株で、アップル<AAPL>やマイクロソフト<MSFT>のような時価総額が100兆円を超えるような優良銘柄が、日本円で10万円に満たない額で購入できるが、日本では時価総額が最大のトヨタ自動車<7203>を購入するのに、足元で20万円近く必要になる。次に時価総額の大きいソニーグループ<6758>に至っては130万円を超えてしまう。

「貯蓄から投資へ」のスローガンを実りあるものにするには、1株単位の購入が日本株の基本形になる環境づくりが必要だろう。

話を戻すと残念さんの場合、金融資産に対する日本株の配分が「30%台」「20%台」の人も多い(上の表の右上)。

配分比率を抑えている人の場合は、変動リスクを緩和している一方で、上昇モメンタム(騰勢)の波を掴みきれないデメリットを受けている可能性がある。これは次回の記事で見る「平均的な保有期間」からも想定できる。

残念さんの含み益が最大の銘柄、3位にNF日経レバ<1570>

残念さんの成績不振に陥っている理由で、最もわかりやすいのが銘柄選びだろう。それを見たのが、次に挙げた「足元で含み益と含み損が最大の銘柄」ランキングだ。

足元で、残念さん含み益の大きい銘柄のトップ3は、

三菱UFJ<8306>、
オリックス<8591>、
NF日経レバ<1570>

――となっている。

第1回記事で紹介した全回答者のランキングのトップ3は、

三菱UFJ<8306>、
日本製鉄<5401>、
三井住友FG<8316>

――だった。残念さんでは3位のNF日経レバ<1570>は、全体では25位。残念さんの場合、値動きの激しいブルベア型のETF(上場投資信託)にリターンを依存しているような状況で、この点に改善点があるかもしれない。

残念さんの含み損が最大の銘柄はSBG

含み損が最大の銘柄のトップ3については、残念さんの場合は、

ソフトバンクグループ<9984>、
アンジェス<4563>、
明光ネットワークジャパン<4668>

――となっている。

全回答者では

トヨタ自動車<7203>、
日本M&Aセンターホールディングス<2127>、
アンジェス<4563>

――だった。

なお、億り人バガーのそれぞれのランキングは、次ページの株探プレミアム会員専用ページで閲覧可能となっている。

次回は投資スタイルやスタイル別の注目指標、平均的な銘柄保有期間や売買益期待の銘柄ランキングなどを紹介する。

■残念さんの含み益が最大の銘柄(20位以内)と関連情報
順位銘柄名
<コード>
時価総額株価
(円)
52週高値
(円)
52週
高値日
52週安値
(円)
52週
安値日
1位三菱UFJ
<8306>
11兆9988億円945.7999.52023/02/20632.62022/10/03
1位オリックス
<8591>
3兆0025億円2431.525352022/06/092011.52022/10/03
3位NF日経レバ
<1570>
1866億円17705177952023/05/18121852022/06/20
3位武田
<4502>
7兆0665億円446646292023/05/0934972022/06/17
3位中山鋼
<5408>
528億円83712052023/02/284052022/05/19
6位ジーエヌアイ
<2160>
519億円109220152022/08/169972022/05/12
6位円谷フィHD
<2767>
1666億円240025302023/05/184152022/07/07
6位エニーカラー
<5032>
1727億円5590137902022/10/2739302023/03/15
6位ワイエイシイ
<6298>
288億円295230752023/05/1211802022/10/03
6位ソニーG
<6758>
17兆3020億円13720138402023/05/1892132022/10/03
6位商船三井
<9104>
1兆1385億円314538452022/08/0325782022/10/03
6位NTT
<9432>
15兆0495億円415543342023/05/1536742022/08/17
13位JT
<2914>
6兆1280億円306430692023/05/1721722022/04/27
13位RIZAP
<2928>
929億円1672002023/02/201352022/09/28
13位ヒューリック
<3003>
9269億円120712232023/05/1810072023/01/17
13位じげん
<3679>
764億円6846922023/05/182772022/05/13
13位リミックス
<3825>
315億円2577402022/06/132062023/02/15
13位アドソル日進
<3837>
168億円179219102023/05/0912902022/12/28
13位Aバランス
<3856>
1431億円8230136202023/05/166822022/04/27
13位信越化
<4063>
8兆3758億円413842992023/03/3128372022/09/30
13位アンジェス
<4563>
198億円1064132022/05/24952023/04/26
13位ブライトパス
<4594>
89億円1412702022/11/08612022/10/14
13位ENEOS
<5020>
1兆4427億円475.7580.82022/06/09436.42023/01/05
13位弁護士COM
<6027>
705億円315546652022/07/2122222023/03/16
13位QDレーザ
<6613>
254億円6608742023/04/204072022/05/13
13位アドテスト
<6857>
2兆7429億円14320144602023/05/1866002022/10/03
13位三菱自
<7211>
6840億円4596652022/11/083062022/04/25
13位伊藤忠
<8001>
7兆6661億円483748452023/05/1834782022/10/03
13位イオン
<8267>
2兆4867億円285229072022/11/2221452022/06/17
13位日本取引所
<8697>
1兆2126億円229423002023/05/1818112022/05/19
13位JR九州
<9142>
4963億円315532352022/10/1825172022/05/10
13位ANAHD
<9202>
1兆5163億円313131872023/05/1823372022/07/07
13位マイクロ波
<9227>
273億円177631052022/11/215392022/06/24
13位東電HD
<9501>
7730億円4816642022/07/054162023/01/13
13位SBG
<9984>
7兆6440億円520071802022/11/1144912022/05/12

注:回答数は183。銘柄名は略称。5月18日終値時点。出所:QUICK・ファクトセット。以下同。52週高値・安値は調整前


■残念さんの含み損が最大の銘柄(20位以内)と関連情報
順位銘柄名
<コード>
時価総額株価
(円)
52週高値
(円)
52週
高値日
52週安値
(円)
52週
安値日
1位SBG
<9984>
7兆6440億円520071802022/11/1144912022/05/12
2位アンジェス
<4563>
198億円1064132022/05/24952023/04/26
3位エムスリー
<2413>
2兆1048億円310051012022/08/192993.52023/05/08
3位RIZAP
<2928>
929億円1672002023/02/201352022/09/28
3位ヘリオス
<4593>
195億円3078252022/05/112472022/12/26
3位WSCOPE
<6619>
624億円113131752022/09/158262022/05/12
3位レーザーテク
<6920>
1兆9319億円20490296452022/11/16143202022/10/03
8位VIX短期
<1552>
272億円99028552022/05/109892023/05/18
8位INPEX
<1605>
2兆0703億円149318312022/06/0912932022/07/07
8位アジアGHD
<1783>
88億円52832022/11/24502022/10/13
8位フロンテオ
<2158>
238億円60516132022/04/265832023/03/16
8位CAICAD
<2315>
59億円491812022/06/15472023/05/18
8位ファーマF
<2929>
518億円178118722022/04/2611142022/09/22
8位ラクーンHD
<3031>
157億円70718992022/06/246992023/05/18
8位フジタコーポ
<3370>
9億円2774172022/09/201992022/06/22
8位じげん
<3679>
764億円6846922023/05/182772022/05/13
8位リミックス
<3825>
315億円2577402022/06/132062023/02/15
8位GW
<3936>
79億円2186252022/04/262062022/12/29
8位スパイダー
<4192>
222億円6389402022/12/143502022/06/20
8位メルカリ
<4385>
4573億円282731952023/02/0818502022/06/23
8位ミンカブ
<4436>
273億円182030152022/06/0916302023/04/27
8位HENNGE
<4475>
259億円79613702022/08/167012023/04/07
8位Aiins
<4488>
166億円414563302022/11/1736502022/05/13
8位エーザイ
<4523>
2兆4485億円8256100502022/12/0150112022/06/17
8位そーせい
<4565>
2355億円287529132023/05/159912022/06/20
8位シンバイオ
<4582>
143億円3619302022/05/233562023/05/17
8位ZHD
<4689>
2兆7801億円364.2522.32022/04/273262022/12/28
8位サイフューズ
<4892>
84億円107824682022/12/059222023/02/15
8位Pアンチエイ
<4934>
99億円113843002022/06/0911342023/05/18
8位エニーカラー
<5032>
1727億円5590137902022/10/2739302023/03/15
8位日本電解
<5759>
149億円164638402022/04/2514792023/01/10
8位弁護士COM
<6027>
705億円315546652022/07/2122222023/03/16
8位QDレーザ
<6613>
254億円6608742023/04/204072022/05/13
8位アルプスアル
<6770>
2759億円125815402022/06/0910282022/10/03
8位INC
<7078>
92億円92514852022/09/137852022/05/17
8位イオン
<8267>
2兆4867億円285229072022/11/2221452022/06/17
8位乾汽船
<9308>
355億円136222442023/02/2812902023/05/17
8位レノバ
<9519>
1282億円162039952022/09/1414322022/05/10
注:回答数は204

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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