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8098 稲畑産業

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9.1 0.91 3.72 0.60
時価総額 1,838億円
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配当期待が最大の銘柄、全体では商船三井、では上級者は

第3回 上級者・勝つ人はココが違う!(データ分析・上級者・4連勝さん編)
~個人投資家3750人調査で判明~

筆者/真弓重孝 = 『株探』編集部・編集統括プロデューサー
ビジネス誌、マネー誌などを経て、2018年4月にみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)に入社。現在に至る。

第1回「調査で判明、上級者と4連勝さんの含み益&含み損の大きい銘柄」を読む
第2回「全体で売買益期待が最大の銘柄はレーザーテク、では上級者は」を読む

上級者・4連勝さんの分析シリーズの3回目は、

・今後6カ月の日本株の見通しや狙い方
・日本株投資で注視する国内外の指標および情報
・配当期待が大きい銘柄のランキング

――などを紹介する。

今後の6カ月の見通しのトップ、全体は中立、上級者は強気

今後6カ月の見通しは、上級者と全体で差が出た。

上級者は強気中立慎重の順に対して、全体は中立慎重強気と、上級者は「強気」、全体では「やや慎重」という傾向が見えている。

調査回答時期の3月中旬~下旬には、米地銀のシリコンバレーバンク(SVB)の破綻が明るみになった直後で、米国の金融引き締めが金融不安を拡大させる懸念が高まっていたが、上級者はそうした中でも強気派が主流となった。

■今後6カ月先の見通し
順位全体割合上級者割合4連勝割合
1位中立36%強気43%中立38%
2位慎重30%中立33%強気30%
3位強気27%慎重20%慎重27%
4位分析中7%分析中5%分析中5%

注:回答数は左から順に3750、236、594


バリュー派とグロース派別に上級者と全体の傾向を見たのが、下の表だ。

投資スタイルにかかわらず、上級者は強気、全体は慎重という傾向は変わらない。一方、投資の腕前にかかわらず、バリュー派よりもグロース派は強気が高割合、慎重が低割合の傾向にある。

■バリューとグロース別~今後6カ月先の見通し
見通しバリューグロース
上級者全体上級者全体
強気41.3%26.2%47.5%31.2%
慎重19.0%30.1%20.3%27.1%
中立37.2%38.7%27.1%33.4%
分析中2.5%5.0%5.1%8.3%

投資歴別に見た傾向では、上級者(下の緑の表)も全体(同オレンジの表)も、投資歴が長いほど、強気派の割合が高くなる傾向がある。
投資を続けている中では、最近のコロナショックのような大きなショックを何度か経験する。その経験を積むことで、過信を戒めつつも、先行きのリスクに対して慎重になりすぎない術を身につけている様子がうかがえる。

■上級者・投資歴別~今後6カ月先の見通し
見通し1993
年以前
1994~
2003年
2004
~13年
2014
~18年
2019
~21年
強気46.2%45.7%42.0%40.7%25.0%
慎重19.4%17.4%20.0%18.5%30.0%
中立31.2%32.6%34.0%33.3%35.0%
分析中3.2%4.3%4.0%7.4%10.0%

■全体・投資歴別~今後6カ月先の見通し
見通し1993
年以前
1994~
2003年
2004
~13年
2014
~18年
2019
~21年
2022
年以降
強気33.1%33.5%28.7%25.9%23.5%24.9%
慎重27.0%26.0%25.1%33.9%33.3%32.7%
中立35.2%36.4%40.6%34.1%35.8%28.4%
分析中4.6%4.2%5.6%6.2%7.3%14.0%

強気の理由は国内景気・業績の拡大期待がトップ

6カ月先の見通しを強気とする理由を示したのが、以下の表だ。上級者、4連勝さん、全体で、大きな差はなかった。強いて言えば、上級者は「日銀の緩和継続」が3位と、他のカテゴリーより注視している状況が伺える。

■強気の理由
順位全体割合上級者割合4連勝割合
1位景気・業績の拡大66%景気・業績の拡大66%景気・業績の拡大72%
2位米国の金融緩和転換38%米国の金融緩和転換43%米国の金融緩和転換34%
3位中国の経済再開31%日銀の緩和継続29%中国の経済再開28%
4位日銀の緩和継続27%中国の経済再開27%日銀の緩和継続28%
5位原材料の上昇一服21%円安継続25%円安継続25%
6位円安継続20%原材料の上昇一服20%原材料の上昇一服23%
7位国内の政策期待15%その他17%その他15%
8位その他14%地政学リスクの後退16%地政学リスクの後退15%
9位地政学リスクの後退14%国内の政策期待8%国内の政策期待12%

注:回答数は左から順に2499、252、445。回答は3つまで


弱気の理由についても、3カテゴリーの間で大きな傾向の違いはなく、トップ3には「米金融引き締め・景気悪化」「国内景気・業績の悪化」「センチメント・需給の悪化」が入っている。

■弱気の理由

順位全体割合上級者割合4連勝割合
1位米金融引き締め・景気悪化78%米金融引き締め・景気悪化85%米金融引き締め・景気悪化84%
2位国内景気・業績の悪化38%国内景気・業績の悪化47%センチメント・需給の悪化38%
3位センチメント・需給の悪化33%センチメント・需給の悪化45%国内景気・業績の悪化36%
4位地政学リスクの拡大/深刻化33%日銀の緩和から転換40%地政学リスクの拡大/深刻化33%
5位日銀の緩和から転換31%その他36%日銀の緩和から転換30%
6位現政権の政策23%地政学リスクの拡大/深刻化26%現政権の政策23%
7位その他13%現政権の政策11%その他17%
8位実質賃金の停滞9%実質賃金の停滞2%実質賃金の停滞6%

注:回答数は左から順に。回答は3つまで


6カ月先の狙い方、トップは割高回避

今後6カ月先の日本株の狙い方は、3カテゴリーとも「割高回避」がトップで一致した。

2位と3位は上級者と4連勝さんで逆の順番となっており、上級者は「売上・利益の高成長」「インカムゲイン重視」に対して、4連勝さんはその逆になっている。

■6カ月先の狙い方
順位全体割合上級者割合4連勝割合
1位割高回避42%割高回避47%割高回避46%
2位売上・利益の高成長34%売上・利益の高成長36%インカムゲイン重視35%
3位株価モメンタム重視29%インカムゲイン重視33%売上・利益の高成長31%
4位期待のテーマ株28%株価モメンタム重視28%株価モメンタム重視26%
5位成長セクター27%成長セクター28%成長セクター23%
6位インカムゲイン重視26%期待のテーマ株23%期待のテーマ株23%
7位ディフェンシブ重視13%内需・サービス系に配分増16%ディフェンシブ重視17%
8位高ボラ回避11%ディフェンシブ重視14%内需・サービス系に配分増11%
9位内需・サービス系に配分増10%その他11%高ボラ回避9%
10位未定・不明9%高ボラ回避10%マーケット・ニュートラル9%
11位マーケット・ニュートラル8%マーケット・ニュートラル7%その他8%
12位その他6%景気敏感系に配分増6%未定・不明6%
13位景気敏感系に配分増5%低ベータ値に配分3%景気敏感系に配分増6%
14位高ベータ値に配分2%未定・不明3%低ベータ値に配分3%
15位低ベータ値に配分2%高ベータ値に配分2%高ベータ値に配分2%

注:回答数は左から順に。回答は4つまで


投資で参考にしている国内の指標・情報について、見たのが下の2つの表になる。上級者は4連勝さんに比べると、適時開示情報を含め注目銘柄に関する情報が上位に占める数がやや高い傾向がある。

■参考指標&情報(国内)
順位全体割合上級者割合4連勝割合
1位日経平均67%日経平均60%日経平均66%
2位注目銘柄の株価41%注目銘柄の適時開示情報48%注目銘柄の株価41%
3位注目銘柄の適時開示情報38%注目銘柄の株価46%注目銘柄の適時開示情報37%
4位注目銘柄のニュース34%注目銘柄のIR情報43%日銀の金融政策35%
5位日銀の金融政策33%注目銘柄のニュース39%TOPIX34%
6位注目銘柄のIR情報32%日銀の金融政策37%注目銘柄のニュース32%
7位TOPIX28%注目銘柄の株価水準34%注目銘柄のIR情報32%
8位注目銘柄の株価水準24%TOPIX33%注目銘柄の株価水準26%
9位225先物・225オプション20%国内の金利・物価水準22%国内の金利・物価水準18%
10位東証マザーズ指数18%日本政府の政策・予算19%225先物・225オプション18%
11位注目銘柄の信用動向17%東証マザーズ指数19%日本政府の政策・予算16%
12位国内の金利・物価水準17%225先物・225オプション18%注目銘柄の信用動向14%
13位日本政府の政策・予算16%注目銘柄の信用動向17%東証マザーズ指数14%
14位東証の業種別指数の動向6%東証の業種別指数の動向8%東証の業種別指数の動向7%
15位日本の実質GDP成長率5%日本の実質GDP成長率8%日本の実質GDP成長率6%
16位投資部門別の状況5%投資部門別の状況7%国内の雇用・賃金5%
17位国内の雇用・賃金5%国内の雇用・賃金7%投資部門別の状況5%
18位日経平均VI4%日経平均VI6%日経平均VI4%
19位その他3%その他6%その他4%
20位特にない3%東証・名証の信用動向3%東証・名証の信用動向2%
21位東証・名証の信用動向2%特にない1%特にない2%

注:回答数は左から順に。回答はいくつでも


海外の参考指標・情報について見たのが下の表だ。上級者は2位に「FRBの金融政策」が入ったが、4連勝さんは「S&P500」が入った。こうした違いは見られたが、全般的には同様の傾向となっている。

■参考指標&情報(海外)
順位全体割合上級者割合4連勝割合
1位ダウ平均60%ダウ平均70%ダウ平均60%
2位FRBの金融政策48%FRBの金融政策59%S&P50052%
3位S&P50048%ドル円為替レート54%ドル円為替レート47%
4位ドル円為替レート46%ナスダック53%FRBの金融政策46%
5位ナスダック45%S&P50047%ナスダック44%
6位米国の金利・物価水準36%米国の金利・物価水準45%米国の金利・物価水準35%
7位米雇用統計30%米雇用統計36%米雇用統計27%
8位米国政府の政策19%米国政府の政策28%米国政府の政策20%
9位VIX19%VIX20%VIX16%
10位中国政府の政策13%中国政府の政策18%中国政府の政策14%
11位S&P500セクター別11%コモディティ17%コモディティ10%
12位ナスダック10011%ナスダック10014%S&P500セクター別9%
13位コモディティ9%S&P500セクター別11%ナスダック1008%
14位米国の実質GDP成長率7%米国の実質GDP成長率9%MSCIのACWI6%
15位MSCIのACWI7%ラッセル20008%米国の実質GDP成長率6%
16位特にない7%MSCIのACWI7%特にない6%
17位ラッセル20005%ドルインデックス6%ラッセル20004%
18位中国のPMI4%特にない5%中国のPMI4%
19位中国の貿易収支3%中国のPMI5%その他3%
20位ドルインデックス2%中国の貿易収支5%中国の貿易収支3%
21位その他2%OECD景気先行指数4%ドルインデックス2%
22位OECD景気先行指数2%その他2%OECD景気先行指数1%

注:回答数は左から順に。回答はいくつでも


配当期待の顔ぶれは、上位に海運やメガバンクが目立つ

最後に、配当期待の大きい銘柄のランキングを紹介する。大きさを「最大」「2番目」「3番目」と分けて、それぞれの上位30を以下に掲載した。

トップの商船三井<9104>は4月末に24年3月期に大幅減配の計画を明らかにしたが、調査回答時点では減配発表前だったこともあり、高利回り株に期待が集まった可能性がある。

なお、上級者と4連勝さんのそれぞれのランキングは、次ページの株探プレミアム会員専用ページで閲覧可能となっている。

次回は、『株探』および『株探プレミアム』の活用内容、アメ株の投資動向、日本株・アメ株以外の投資対象の動向、そして株主優待の期待が大きい銘柄のランキングなどを紹介する。

■配当益期待が最大・2番目・3番目に大きい銘柄のランキング(30位以内)

最大2番目3番目
順位銘柄名<コード>順位銘柄名<コード>順位銘柄名<コード>
1位商船三井<9104>1位商船三井<9104>1位川崎汽<9107>
2位JT<2914>2位郵船<9101>2位JT<2914>
3位郵船<9101>3位三菱UFJ<8306>3位三菱UFJ<8306>
4位日本製鉄<5401>4位JT<2914>4位三菱HCキャ<8593>
5位三菱UFJ<8306>5位日本製鉄<5401>5位オリックス<8591>
6位三菱HCキャ<8593>6位オリックス<8591>6位三菱商<8058>
7位三井住友FG<8316>7位三菱HCキャ<8593>6位郵船<9101>
8位オリックス<8591>8位三菱商<8058>8位日本製鉄<5401>
9位川崎汽<9107>9位三井住友FG<8316>9位SB<9434>
9位SB<9434>10位川崎汽<9107>10位商船三井<9104>
11位三菱商<8058>11位KDDI<9433>11位三井住友FG<8316>
12位武田<4502>12位ENEOS<5020>12位KDDI<9433>
13位特殊陶<5334>13位武田<4502>13位丸紅<8002>
14位丸紅<8002>14位SB<9434>14位特殊陶<5334>
14位KDDI<9433>15位特殊陶<5334>15位NTT<9432>
16位トヨタ<7203>16位NTT<9432>16位INPEX<1605>
17位三井松島HD<1518>17位丸紅<8002>16位武田<4502>
17位ENEOS<5020>18位トヨタ<7203>18位ENEOS<5020>
19位NTT<9432>19位三井松島HD<1518>19位伊藤忠<8001>
20位INPEX<1605>20位日本郵政<6178>20位三井松島HD<1518>
21位三井物<8031>21位三井物<8031>21位住友商<8053>
22位双日<2768>22位みずほFG<8411>22位東京海上<8766>
22位日本郵政<6178>23位伊藤忠<8001>23位トヨタ<7203>
24位東エレク<8035>24位INPEX<1605>23位みずほFG<8411>
25位みずほFG<8411>24位あおぞら銀<8304>25位日本郵政<6178>
25位SBI<8473>24位東京海上<8766>26位双日<2768>
27位中山鋼<5408>27位住友商<8053>26位ゆうちょ銀<7182>
27位伊藤忠<8001>28位双日<2768>26位あおぞら銀<8304>
27位稲畑産<8098>28位JFE<5411>29位任天堂<7974>
30位イオン<8267>30位任天堂<7974>30位住友林<1911>
30位あおぞら銀<8304>30位神戸鋼<5406>

注:回答数は左から順に624、615、638


■配当期待ランキング銘柄の関連情報
銘柄名<コード>配当
利回り
配当
性向
総還元
性向
純資産
配当率
商船三井<9104>5.55%25.4%25.4%10.5%
JT<2914>6.30%75.4%75.4%10.5%
郵船<9101>3.74%26.1%26.3%12.6%
日本製鉄<5401>4.96%23.9%23.9%4.3%
三菱UFJ<8306>3.71%31.7%45.5%2.1%
三菱HCキャ<8593>4.35%40.4%40.5%3.2%
三井住友FG<8316>4.05%40.7%40.7%2.4%
オリックス<8591>4.03%37.0%55.9%3.1%
川崎汽<9107>5.77%15.6%27.7%8.6%
SB<9434>5.61%76.4%76.5%19.4%
三菱商<8058>3.74%22.2%30.3%3.5%
武田<4502>3.93%122.3%157.4%5.2%
特殊陶<5334>5.09%50.9%51.0%6.3%
丸紅<8002>4.03%24.7%24.5%5.5%
KDDI<9433>3.20%41.7%73.2%5.8%
トヨタ<7203>3.21%33.4%50.9%3.0%
三井松島HD<1518>10.19%19.3%19.3%3.2%
ENEOS<5020>4.58%13.2%13.2%2.7%
NTT<9432>2.86%34.9%34.7%4.9%
INPEX<1605>4.39%19.3%46.7%2.1%
三井物<8031>3.48%19.4%43.0%3.6%
双日<2768>4.59%27.0%27.2%3.8%
日本郵政<6178>4.42%37.9%105.4%1.5%
東エレク<8035>3.39%50.0%50.0%18.6%
みずほFG<8411>4.22%38.2%38.8%2.2%
SBI<8473>5.63%10.0%10.0%4.9%
中山鋼<5408>4.44%29.1%29.1%3.2%
伊藤忠<8001>3.43%25.6%33.2%4.5%
稲畑産<8098>4.08%33.5%49.2%3.7%
イオン<8267>1.31%143.4%144.4%3.1%
あおぞら銀<8304>6.21%49.7%49.7%3.5%
東京海上<8766>3.63%41.6%63.6%4.5%
住友商<8053>4.61%25.4%31.9%4.1%
JFE<5411>5.45%28.5%28.6%2.3%
任天堂<7974>2.57%50.1%61.8%10.0%
ゆうちょ銀<7182>4.63%52.7%52.8%1.7%
住友林<1911>4.22%23.0%23.2%4.4%
神戸鋼<5406>3.87%25.0%25.8%2.0%

出所:QUICK・ファクトセット、株探。注:データは5月10日終値時点。銘柄名は略称。


※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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