欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米インフレ高止まりも景気後退に警戒
10日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。本日発表の米消費者物価指数(CPI)でインフレ高止まりが示されれば、引き締め長期化を期待したドル買いが先行。ただ、景気減速が警戒され、ドルは買い一巡後に失速しそうだ。
前日の取引は米国の債務上限問題やインフレを見極める展開で、米長期金利の上昇に転じるとドル買いに振れた。それを受けユーロ・ドルは1.0940ドル付近に軟化、ドル・円は135円30銭台に浮上。本日アジア市場で5・10日に伴い、国内勢により余剰のドルを売る動きが強まり、ドル・円は135円付近に下げる場面も。ただ全般的に動意は薄く135円前半で推移し、クロス円もおおむねそれに追随する値動きとなった。
この後の海外市場は米インフレが焦点。今晩のCPIは前年比+5.0%、コア指数は+5.6%と前回とおおむね同水準が予想されている。ただ、市場予想を上回るインフレ高進の場合、FRBの利上げ長期化の期待感から金利高・ドル高に振れやすい。同時に目先の景気後退に警戒感が広がり、ドルは一段の上昇を抑制される可能性があろう。また、債務上限問題も引き続きリスク要因として意識され、ドル売り・円買いは根強いとみる。
【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・4月消費者物価指数(前年比予想:+5.0%、3月:+5.0%)
・02:00 米財務省・10年債入札
・03:00 米・4月財政収支(予想:+2350億ドル、22年4月:+3082.15億ドル)
《CS》
提供:フィスコ