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米国株式市場見通し:FOMCや雇用統計、CPIに注目


 

間もなく地銀のファースト・リパブリックの先行きに目処がつきそうだ。連邦預金保険公社(FDIC)は同銀を管理化に置く準備をしていると報じられた。現状では、破綻した中堅銀2行を含め、金融システム全体への影響は限定的との見通しが大半となっている。大手行にとっては逆に恩恵を受けるとの見方から買い推奨する動きも見られる。ただ依然として動向を注視したい。連邦準備制度理事会(FRB)はシリコンバレー銀破綻の検証に関する報告書の中で、当局の対応不備を認めると同時に、同行が金利、流動性リスクの管理に失敗した結果だと指摘。より幅広い銀行対象に基準の強化の必要性を主張した。

また、5月2-3日にはFRBが連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を予定している。インフレが根強く、FRBは今会合で0.25ポイントの追加利上げを実施する見込み。パウエル議長の会見や声明では、前回会合でまだ到達していないとしていた完全な金融引き締め域に達したかどうかの言及で利上げ停止の可能性を見極めたい。金融システム混乱や景気後退を想定し、短期金融市場は年内の利下げをすでに織り込んでいる。一方、FRBはインフレ率が目標である2%達成の証拠が明確になるまで政策金利をピーク水準で当面維持する必要があるとの考えを変えていない。万が一、今会合で金融混乱や信用ひっぱくを理由にタカ派色を弱めた場合、相場を支援するだろう。

ただ、労働市場は依然強くインフレ見通しも不透明で6月の追加利上げの可能性も残る。来週末には金融政策決定の鍵となる4月雇用統計が発表される。さらに、再来週は4月消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)が発表予定で、インフレが引き続き改善基調にあるかどうかを確認していきたい。もし、労働市場が依然強く、物価の伸びの鈍化が滞ったことが確認された場合には、金利先高観が再び売り材料になるだろう。

経済指標では、4月ISM製造業景気指数(5月1日)、3月JOLTS求人件数、3月製造業受注(2日)、4月ADP雇用統計、4月サービス業PMI確定値、4月ISM非製造業景気指数(3日)、3月貿易収支、1-3月期非農業部門労働生産性(4日)、4月雇用時計(5日)、4月CPI(10日)、週次失業保険申請件数、4月PPI(11日)、5月ミシガン大消費者信頼感指数(12日)、などが予定されている。FRBは2日から3日にかけてFOMCを開催する。

主要企業決算では、ハイテクでは携帯端末のアップル(4日)が予定されている。ほか、保険のバークシャーハサウェイ(1日)、自動車メーカーのフォード、配車サービスのウーバー、製薬会社のファイザー、半導体のAMD、コーヒーチェーンのスターバックス(2日)、化粧品メーカーのエスティローダー、ヘルスケアのCVS(3日)、オンライン旅行のブッキング・ホールディングス、バイオのモデルナ(4日)、メディアのワーナー・ブラザース・ディスカバリー(5日)、旅行予約サイトのエアビ・アンド・ビー、スポーツウェアのアンダー・アーマー(9日)、代替肉メーカーのビヨンドミート(10日)、食品会社のUTZブランズ(11日)が予定されている。エネルギー関連ではダイヤモンドバックエナジー(2日)やオキシデンタルペトロレアム、デュークエナジー(9日)が発表予定だ。

アップルの決算では、前年比で2四半期連続の減益が予想されている。PCの需要の弱さが他社の決算でも明らかになっており、Mac(マック)などの売り上げ減に警戒だ。焦点は中国経済の再開を受けたiPhone(アイフォーン)の売り上げだろう。比較的良好な結果となった場合、相場全体の押し上げにつながるだろう。また、保険のバークシャーハサウェイの決算発表にともなう著名投資家のバフェット氏のマクロ経済、金融政策に関する見通しにも注目したい。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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