本日の注目個別銘柄:萬世電機、カクヤスG、IGポートなど
<7565> 萬世電機 3835 +700
ストップ高比例配分。前日に業績・配当予想の上方修正を発表している。23年3月期営業利益は従来予想の7.5億円から11億円、前期比2倍の水準にまで引き上げ。企業のデジタル化やグリーン投資などに関連する設備投資が好調に推移していることが背景。第3四半期までの状況から上振れ期待はあったが、修正幅の大きさにインパクトが強まっているもよう。また、年間配当金も従来計画の66円から71円に引き上げている。
<7686> カクヤスG 1505 +202
急騰。前日に発表した業績・配当予想の修正が買いインパクトにつながっている。23年3月期営業利益は従来予想の4憶円から7.8億円に引き上げ、前期は33.3億円の赤字だった。コロナウイルス感染症の5類への移行決定などを受け、酒類需要の増加が2月並びに3月の売上伸長につながったようだ。また、未定としていた期末配当金は20円にするとし、年間配当金は前期比10円増配の30円となる。
<3791> IGポート 3290 +380
急伸。岩井コスモ証券では投資判断を新規に「A」、目標株価を4000円としている。コミックの電子書籍などが想定以上に好調で、24年5月期には新たなアニメ放送と劇場版制作が予定されている「SPY×FAMILY」関連などの収益拡大も期待できるとしている。24年5月期営業利益は前期比20%増の11億円を予想。世界的人気を集めている日本アニメの有力制作会社として、中期的にも成長が期待できるとの見方。
<6494> NFK-HD 107 +9
大幅高。固定資産の譲渡、並びに、特別利益の計上見込みを発表。倉庫及び実験設備として使用していた横浜市の土地・建物を譲渡、譲渡益541百万円を24年3月期において特別利益に計上する。譲渡資産の引渡し日は8月10日を予定している。23年3月期純利益は0.9億円であり、インパクトは大きい水準となる。先行きファンダメンタルズ好転への期待よりも、株価の値頃感の強さが短期資金の流入を誘う形とみられる。
<6226> 守谷輸送機工業 899 +54
大幅反発。前日に発表している業績修正が買い材料視されている。23年3月期営業利益は従来予想の5.1億円から7.5億円、前期比58.7%減に上方修正。一部案件のずれ込みなどで売上はやや下振れも、好採算案件の着工、材料コストの想定以上の低減などが背景となっているもよう。過度な警戒感の後退につながっているようだ。同社では上半期の決算発表前に業績予想を大幅に下方修正していた。
<2379> ディップ 3450 -190
大幅反落。野村證券では投資判断「ニュートラル」継続で、目標株価を3940円から3660円に引き下げている。直近の決算を受けてDX事業のセグメント利益率前提を引き下げるほか、人件費の増加を考慮して販管費を増額修正、24年2月期以降の業績予想を下方修正しているもよう。構造的な人手不足から中長期的な成長性は高いものの、株価の割安感には乏しいと判断しているようだ。
<6526> ソシオネクスト 10970 +490
大幅続伸。野村證券では投資判断「バイ」を継続で、目標株価を8900円から11500円に引き上げた。重点領域の自動車、5G&データセンタ、スマートデバイス向け商談が量産フェーズに入り製品売上高が想定通り伸長していること、同領域のNRE収入が着実に積み上がっていること、23年3月期から24年3月期は特需が業績を押し上げると見られることなどを評価している。
<5938> LIXIL 2072 -73
大幅続落。前日に23年3月期業績予想の下方修正を発表。事業利益は従来予想の420億円から260億円、前期比59.9%減に引き下げ。第3四半期までの状況210億円、前年同期比66.0%減から下振れ自体は想定線とみられるが、修正幅の大きさをマイナス視へ。国内新設住宅着工の減少による新築向け製品の販売減、米州の流通在庫調整解消時期の遅れによる販売減、中欧の需要軟化などが下振れ要因とされている。
<6594> ニデック 6684 -112
急反落。SMBC日興証券では投資判断を「1」から「2」に、目標株価も11800円から6500円に引き下げた。不確実性の高い事業環境の中、従来強みを発揮したHDDモーターと異なるモジュールビジネスモデルで勝ち切れる予想を、現時点で織り込むのは困難と判断している。また、ポスト永守体制の在り方を見極める局面であるとも指摘。なお、23年3月期以降の業績予想はコンセンサスを下回る水準へと修正。
<6146> ディスコ 14550 +170
反発。23年3月期営業利益が初めて1000億円を超える見通しとの観測報道が伝わった。前期比2割近く増加、3期連続で最高益を更新したようだ。営業利益は1100億円に迫る公算で、従来の会社予想1032億円や市場コンセンサス1066億円を上回り、買い安心感が先行しているもよう。EV市場などの拡大を受け、電力制御に不可欠なパワー半導体向けの製造装置の出荷が伸びたほか、円安も追い風となったようだ。
《ST》
提供:フィスコ