【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─有望株が豊かな東京市場、堅調高の果実を味わう!
「有望株が豊かな東京市場、堅調高の果実を味わう!」
●目先反落はあっても短期で終了か
久しぶりの日経平均株価の6連騰だ。
「でも、出来高は薄かったじゃないか」――こんな見方もあろうが、4月に入ってすかさず始まった急落が止まり、回復に転じた事実は大きい。
上がってくれば当然、短期筋の利益確定売りが入りやすいので、目先の反落は覚悟しておきたいが、それがあったとしても短期で終わるだろう。
これから発表が本格化する決算を見れば明確になろうが、日本企業の業績は概して好調だからだ。
一方、米国市場は相変わらず不安定だ。米国の3月消費者物価指数(CPI)の上昇率は前月の6.0%から5.0%に減速していたが、米国株投資家には不満なようで、積極買いは見られない。
CPIの減速はインフレが沈静化しつつあることを意味し、それは市場の期待でもあったはずなのに、いまは見方が変わってきている。
こんなペースでの減速は、リセッション(景気後退)に陥るシグナルではないか――こんな見方をするアナリストやストラテジストが多くなっているのだ。
そうした見方には“賛成”だ。なぜなら、リセッションに対する警戒感が強ければ、実際にリセッションに向かっていたとしても、それは起きないか、起きてもショッキングなものにならずに済むからだ。
ただ、皆がリセッション懸念から株を買い控え、多くの株が下げてしまうと、本当にリセッションに陥る可能性がないとはいえない。そのため、手放しの楽観はもちろん許されないのだが、だからといって投資を止めてしまうのはもったいない。現実に多くの銘柄が上昇中だからだ。
その典型がAbalance <3856> [東証S]だ。年初2400円だった株価は、今週末に1万1750円で引けた。年初の4.90倍だ。
この株を見るたびに自分にガッカリするのは私だけではあるまい。2月の初旬、本格的に上昇に転じたところで気づいていたのだが、押し目狙いを基本とする私には無縁の銘柄となってしまった。
Abalance株は、プロポーズしようと思っていた彼女が、他のイケメンと結婚して新婚旅行に飛び立ってしまったようなもの。ここはこう切り替えて、他銘柄への投資を考えたい。
●高値圏の銘柄では不安心理を逆手に取る
ただ、残念ながらAbalanceのように急騰する銘柄はなかなか見つからない。それでも堅調高が見込める銘柄は多数あるので、投資対象には不自由しない。
前回紹介したので今回は取り上げないが、オリエンタルランド <4661> [東証P]などはそのモデルケースだ。新型コロナの感染者数が増加するようなことがあれば、株価は下げるので、そこで拾っておけばよい。市場の神経質な反応を利用するのだ。
では、新たな銘柄を。まずは花王 <4452> [東証P]になる。この銘柄は増配継続が日本一の企業(34期連続)として、配当取り投資家たちに絶大な人気がある。
しかし、コロナ禍で収益が落ち、期待を裏切る値動きが続いていたが、3月半ばから回復に転じている。落ち込んでいた業績が底打ちし、23年12月期は回復に向かう――こう見ている投資家が多いと見てよく、それに歩調を合わせたい。
カメラのほか、工業用顕微鏡といった科学事業を売却して 内視鏡などの医療部門に特化したオリンパス <7733> [東証P]も、収益力を強化したにしては株価は緩やかな浮上ぶりだ。消化器内視鏡の世界シェアが7割に達することを考えると、株価はもっと上がっておかしくない。
コロナ禍による行動制限が解除され、自由にどこにでも行けるようになったことで、リゾートホテルの利用は今後確実に増える。となると、リゾートトラスト <4681> [東証P]になる。この会社は会員制リゾートホテルだけでなく、健康診断施設やゴルフ場も運営している。いずれも利用者増が見込めるため、当然ながら株価も底値圏の脱出は近い。
最近、火事の発生を伝えるニュースをテレビでよく目にする。統計によると、出火件数は年間で春季(3月~5月)が最も多いとされる。消火に不可欠なのは当然、消防自動車。業界首位はモリタホールディングス <6455> [東証P]だが、株価は4月4日に高値をつけたあと失速してしまった。いまはまだ回復途上にあるため、投資するには安全度が高い状況とみる。
最後に、ロードローラーに強い酒井重工業 <6358> [東証P]を。国内では道路の舗装率は8割を超えるが、世界では未舗装の道路が多い地域はいくらでもある。そのため、米国やインドネシア、中国などでロードローラーの需要は好調。株価は調整局面から浮上を開始したところであり、まだ投資適切ゾーンにあると言える。
2023年4月14日 記
株探ニュース