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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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明日の株式相場に向けて=爆騰株の宝庫「インバウンド祭り」始まる

 週明け10日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比115円高の2万7633円と続伸。前週末7日発表の3月の米雇用統計はマーケットにとってビッグイベントだが、同日の欧州株市場や米国株市場が休場だったことから、この影響をダイレクトで受けるのが東京市場という状況にあった。そのため、イベントドリブン絡みで景気敏感株など中心にショートポジションが組まれていたが、雇用統計の結果は、非農業部門の雇用者数や失業率、平均時給などいずれも市場コンセンサスとおおむね一致する結果だった。これを受けてアンワインド(空売りの買い戻し)が発生し、全体株価を押し上げた。

 もっとも日経平均の上値は重く、朝方の買い戻しが一巡すると、投資資金は終始音無しの構えを続けた。リセッション懸念が緩和されたといっても米経済の先行き不透明感が拭えない状況に変わりはない。5月初旬に行われる次回FOMCで、直近予想では7割が25ベーシスの政策金利引き上げを行うとの見方に変わっており、これをマーケットが完全に許容した状態であるのかどうかは現時点では判断しかねる部分も多い。今週は週央12日に予定される3月の米消費者物価指数(CPI)の動向に市場関係者の耳目が集まるが、これが万が一市場コンセンサスから大きく上方カイ離したような数値であれば、改めてインフレ警報が鳴り響くことになる。

 他方、米銀の相次ぐ破綻による金融システム不安はくすぶったままの状態にある。したがって、FRBの緩和的な動きはしばらく継続する公算が大きい。市場では「FRBは銀行に対し、評価損を抱えた債券を簿価で担保評価して融資するなど、実質的な流動性供給を行っているが、元来の政策方向とは真逆のベクトルとなっている。」(準大手アナリスト)とする。もちろん、FRBとしてはあくまで緊急避難的な措置で持続的な緩和には当たらないと強弁しているのだが、「これまでのパウエルFRB議長のあまりにも先見性に乏しい下手な舵取りを見てきただけに、マーケットは疑心暗鬼となりやすい」(同)と指摘する。自らまいた種とはいえ、FRBの現状はインフレ懸念と金融不安の挟み撃ち状態にある。

 ただ、マクロ面では要注意ながら、個別株物色の動き自体が鳴りを潜めるということはない。投資家サイドとしては上空に広がる雨雲を無視はできないが、過度に恐れずという姿勢で対処する。超短期投資を推奨する意図はないものの、含み損を抱えた株をじっとホールドしておくというスタンスは基本的に避けるべき。少なくとも曇り空は当分続きそうなので、そこら辺は割り切って、雨が降ったらすぐに雨宿りできる軒先を視界の端に捉えながら前進していくよりない。

 物色テーマとして有力視されるものはさまざまあるが、直近では素直にインバウンド関連 に照準を合わせるのが分かりやすい。親玉的な存在は、時価総額およそ8兆6000億円のオリエンタルランド<4661>で既に年初来高値圏をまい進中だ。昨年3月につけた4970円の最高値(分割後修正株価)も視野に入ってきた。業績回復色もさることながら東証信用残や日証金での取組妙味が浮き彫りとなっている。寿スピリッツ<2222>も強力な上昇波を構築、最高値街道をひた走る展開だ。

 中国からの入国者に対する水際規制緩和に加え、大型連休を控えていることも考慮すれば、スケジュール的にもインバウンド関連は今が旬で急騰銘柄の宝庫ともなり得る。ここからマークしておきたい銘柄としては、中古ブランド品や宝飾品を扱うコメ兵ホールディングス<2780>、航空券予約サイトを運営するエアトリ<6191>、現地体験型ツアーで海外だけでなく国内でも強みを発揮するベルトラ<7048>。更に、宿泊関連ではワシントンホテル<4691>や京都ホテル<9723>などにも改めて目を配っておきたい。

 あすのスケジュールでは、2月の工作機械受注額が発表されるほか、午前中に5年物国債の入札が予定されている。海外では3月の中国消費者物価指数(CPI)・中国生産者物価指数(PPI)、韓国中銀の金融政策発表、2月のユーロ圏小売売上高、3月の全米独立事業者連盟(NFIB)中小企業楽観度指数など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2023年04月10日 17時24分

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