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4845 スカラ

東証P
459円
前日比
-1
-0.22%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
23.4 2.01 3.49 3.80
時価総額 81.5億円

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スカラ Research Memo(7):IT/AI/IoT/DX事業、人材・教育事業、EC事業が2ケタ増収増益に(1)


■スカラ<4845>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) IT/AI/IoT/DX事業
IT/AI/IoT/DX事業の売上収益は前年同期比70.6%増の3,318百万円、営業利益は同12.9%増の228百万円、Non-GAAP指標での全社費用配賦前営業利益は同11.3%増の556百万円となった。

売上形態別で見ると、月額課金収入が前年同期比12.7%増の1,386百万円、従量課金収入が同162.4%増の753百万円、受託開発等の一時売上が同175.2%増の1,178百万円であった。いずれもエッグのふるさと納税システムに関連した売上が上乗せ要因となった。エッグは、2022年9月より鳥取県米子市のマイナンバー普及促進事業を受託したこともあり、堅調に推移したようだ。既存事業ではコネクトエージェンシーのクラウド型PBXサービスが減収となったが、主力サービスである「i-シリーズ」の増収でカバーした。

直近の共創案件は以下のとおり。

a) 「スマートヘルスケアプラットフォーム」の開発
スカラコミュニケーションズ、大塚製薬(株)、損害保険ジャパン(株)の3社と、ヘルスケア領域における「スマートヘルスケアプラットフォーム」の開発を進めている。大塚製薬が販売している特定保健用食品を利用するユーザーを対象とし、摂取状況や自身の生活習慣(睡眠時間、運動時間等)、体の状態(体重等)などを開発中のスマートフォンアプリに記録することで生活習慣の改善を促し、健康の維持・増進を図る。既に実証実験を開始しており、今後リリースを予定している。同社はアプリの開発・運営を行い、月額利用料を売上として計上する。また、大塚製薬はツールを提供し、損害保険ジャパンは販売を担当する。

b) 「eGプラス」のサービス提供開始
畜産DXとしては、2023年1月に、酪農経営の効率化に貢献する乳牛ゲノム検査結果データ活用システム「eGプラス」の提供を開始した。乳牛のゲノム検査で国内トップシェアを誇る(株)エリートジェノミクスと共同開発したスマートフォンアプリで、米国最大のゲノム検査を実施するNEOGENの「アイジェニティー(R)ダッシュボード※」から得られる検査結果等のデータを日本語で検索・表示できる。

※ゲノム検査の結果を閲覧・分析できるゲノム解析専用ソフトウェア。個体の結果一覧だけでなく、牛群の能力や健康形質の分布、年次変化等の閲覧も可能。


c) 「U-メディカルサポート」の提供開始
畜産DXとして、2023年1月に、遠隔診療や電子カルテ、指示書等の機能を備えた牛の総合診療サポートツール「U-メディカルサポート」の提供を開始した。牛の行動モニタリングシステム「U-motion(R)※1」を開発・提供するデザミス(株)及び三井住友海上火災保険(株)との共同開発による。「U-motion(R)」を通じて牛の健康状態に異変を把握した際には獣医師に往診を依頼する場合が多いが、獣医師の処置が遅れ悪化してしまうケースもあったようだ。遠隔診療機能を備えた「U-メディカルサポート」を併用することで、これらのリスクを軽減できるだけでなく、獣医師の業務負荷軽減にもつながる。国内で飼育されている乳用牛は約137万頭、このうち約10万頭で「U-motion(R)」が利用されていることから、デザミスを通じて「U-メディカルサポート」や「eGプラス」の拡販を進めていく方針だ。「U-メディカルサポート」は、獣医師が支払う月額利用料※2のうち一定比率を同社の売上として計上するため提供開始直後の業績寄与は少ないが、導入施設数の増加や横展開により安定収益源としての貢献が期待される。

※1 牛の首に取り付けたセンサーが反芻・動態・横臥・起立等の主要な行動を24時間365日記録することで、牛の健康状態をリアルタイムに把握できるサービス。
※2 月額料金は1アカウント2万円、1事業所で5万円だが、酪農家は無料で利用できる。機能の追加により価格が変更となる可能性もある。ちなみに、畜産に関わる動物の診療施設数は全国で約4,000施設ある。


(2) カスタマーサポート事業
カスタマーサポート事業の売上収益は前年同期比15.6%減の591百万円、営業損失は30百万円(前年同期は15百万円の損失)、Non-GAAP指標での全社費用配賦前営業損失は26百万円(同13百万円の損失)となった。電気通信事業法改正に向けた対応により、主力案件の活動を停止したことが減収要因となった。新規案件の獲得が計画を下回ったことに加え、沖縄の自社コールセンターへの移管ペースが遅れたこともあり、会社計画に対しても未達となった。

(3) 人材・教育事業
人材・教育事業の売上収益は前年同期比16.3%増の811百万円、営業利益は同11.4%増の105百万円、Non-GAAP指標での全社費用配賦前営業利益は同3.5%増の134百万円となった。

採用支援サービスは、コロナ禍からの経済再開や人手不足を背景とした採用意欲の高まりにより、合同企業説明会への参加企業が高水準で推移し、売上収益は前年同期比7.5%増の460百万円と増収基調が続いた。新卒学生の求職登録者数については、女子学生は順調に増加したものの、コロナ禍で体育会系クラブに入部する学生の数が減少したことなどを背景に、体育会系学生が低調だったようだ。

保育・教育サービスは、2022年3月に子会社化したブロンコス20の寄与により、売上収益は前年同期比30.2%増の350百万円となった。ブロンコス20はバスケットボール教室が好調に推移した。保育サービスの売上は前年同期比横ばい水準であった。ただし、2023年4月の新年度開園に向け、2022年9月に幼保園「Universal Kids品川」(直営)及び「Universal Kids バンコク」(他社運営でプログラムの提供のみ)をプレオープンしており、2023年6月期第4四半期以降に売上貢献する見込み。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《NS》

 提供:フィスコ

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