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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9749 富士ソフト

東証P
9,531円
前日比
-30
-0.31%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
28.6 4.50 0.44 47.00
時価総額 6,424億円
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富士ソフト Research Memo(6):顧客の価値向上に資する多彩なICTサービス・プロダクトを提供(3)


■富士ソフト<9749>の事業内容

4. 底入れ気配が感じられるアウトソーシング
アウトソーシングは、データセンターやシステム運用・保守等のサービスを提供しており、売上高構成比は5.3%(2022年12月期)、営業利益構成比は5.6%(同)である。前期比で見ると、売上高は7.2%増、営業利益は11.6%増、受注高は8.8%増、期末の受注残高は前期末比1.8%減となっている。

売上高については、流通・サービス向け継続案件の減少等を模索する局面が続いていたわけだが、コロナ禍収束後を視野に入れた海外市場における運用保守案件の需要回復を牽引役に前期比で増収増益となった。データセンター事業における他社クラウドサービスとの競争など構造的な問題を抱えつつも、業績は底堅く推移している。

5. ノンコア領域ながら高収益のファシリティ事業
保有するオフィスビルの賃貸を収入とするファシリティ事業の売上高構成比は1.0%(2022年12月期)、営業利益構成比は4.5%(同)である。前期比では前期比1.6%の増収、14.7%の減益となった。

同社は基本的に自社活用目的で不動産を保有しており、ファシリティ事業は空きスペースが有効活用された結果と位置付けて良い。よって、その業績変動に一喜一憂する必要はないわけだが、セグメント利益率は30.7%と高く、ノンコア領域ながら利益水準の下支え役を安定的に果たしている。

有価証券報告書で確認できるファシリティ事業向け保有不動産は、横浜本社(土地取得年:2000年、土地建物等簿価:11,135百万円)、秋葉原オフィス(同:2005年、同30,594百万円)、錦糸町オフィス(同:2000年、同6,065百万円)、両国オフィス(同:2018年、同1,760百万円)である。

6. その他区分の主軸は上場子会社の富士ソフトサービスビューロ
その他の売上高構成比は4.7%(2022年12月期)、営業利益構成比は3.7%(同)、区分内の主軸は子会社の富士ソフトサービスビューロ<6188>が手掛けるBPOサービス事業やコンタクトセンター事業である。

2022年12月期は、BPOサービスとコールセンターサービスとともに地方自治体向けの案件が堅調に推移したことにより、売上高は前期比25.1%増、営業利益は同74.4%増と、大幅な増収増益となった。

7. 区分横断的な技術戦略「AIS-CRM」のさらなる強化を目指す
同社は、2017年12月期から区分横断的な技術戦略として「AIS-CRM(アイスクリーム)」領域を重点技術分野に掲げ、新製品・新事業のシーズ創出や既存事業の付加価値向上に注力している。「AIS-CRM」領域とはAI、IoT、Security、Cloud computing、Robot、Mobile&AutoMotiveの頭文字を並べた同社の造語であり、中長期的に成長が期待される領域を網羅している。一見、流行り言葉の羅列のようだが、「AIS-CRM」戦略の上位概念には同社のコアコンピタンスが据えられており、同領域の2022年12月期単体売上高は1,122億円(過去3年の年平均成長率:15.8%増)と単体売上高の58%程度を占める存在となっている。

その内訳は、「AI」が開発中心に30億円(過去3年の年平均成長率:16.6%増)、「IoT」が開発中心に34億円(同33.6%増)、「Security」が開発及びライセンスで138億円(同16.9%増)、「Cloud」がライセンス及びSI、インフラ関連、ネットビジネス分野等で590億円(同26.6%増)、「Robot」が開発中心及びPALRO、ロボSI等で50億円(同8.8%減)、「Mobile」が開発及びプロダクト等で83億円(同2.7%増)、「AutoMotive」が開発中心で197億円(同5.8%増)、となっている。特にクラウド分野の好調が目立つほか、セキュリティ分野における近年の取り組みも成果を実らせつつあるように見える。

セキュリティ分野における一連の動きとしては、2020年11月に(株)レッドチーム・テクノロジーズとの協業(販売店契約の締結、2020年11月発表)を受けて、インターネットサービスを提供する金融機関等の企業向けに、クラウドソースペンテストプラットフォーム「Synack」を活用した新しいセキュリティサービス(脆弱性診断)の提供を開始したのに続き、2021年6月にはサイバーセキュリティの国内リーディングカンパニーである(株)FFRIセキュリティとサイバーセキュリティ分野における協業の強化について合意、2021年10月にはサイバー攻撃を可視化するセキュリティ対策ソフトウェアであるオープンXDR(Endpoint Detection and Response)のパイオニア的企業Stellar Cyber社から「2021 1st Half Outstanding Partner Japan」を受賞、等が列挙される。

一連の技術戦略が成果を実らせつつあるなかで、同社はビジネス上の重点分野を「AIS-CRM」から「DX+AIS-CRM+SD+(5)G2」へとさらに拡大し、DXソリューションやITバリューチェーンの上流工程(SD:サービスデザイン及びITコンサルティング)、(5)G2(通信の5G技術と事業のグローバル展開)という新たな技術分野での取り組み強化を進め、持続的な成長と付加価値の向上を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石灰達夫)

《NS》

 提供:フィスコ

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