エリアリンク Research Memo(4):ストレージ運用がコア事業(2)
■エリアリンク<8914>の事業概要
3. 土地権利整備事業
土地権利整備事業は、権利の複雑な底地の売買をとおして、地主・借地権者の問題を解決する事業である。底地・不動産売買や底地からの賃料収入などがあり、収入タイプは一時的なフロー収入がメインである。
土地権利整備事業の事業モデルは次のとおりだ。土地を借りてその上に自分の建物を建てることは一般的に行われている。この場合、建物の所有者は土地を利用する権利(借地権)を有しているが、土地利用の対価として地代を支払う義務もある。一方、土地の所有者である地主は、借地権の制限があるため、その土地を自由に利用することができない。このように、借地権が付いた土地を底地と言う。土地所有者は土地の利用が制限されるものの、地代収入を得る権利を有することから、この土地を貸している権利を「底地権」と称する。
土地と建物の所有者が異なる状況は、権利関係のねじれが生じて複雑化するだけでなく、土地の価格にも影響を与えることから、通常は借地権の分だけディスカウントされる。そこで同社は、地主から底地(権)を取得し、それを建物所有者に販売して収益をあげるとともに、権利関係を整備する事業を行っている。一時期は不良在庫が増えたが、その整理が完了したことから、業績貢献が期待できる。
4. その他運用サービス事業
その他運用サービス事業は、レンタルオフィスやアセットマネジメントなど賃料収入を基盤とする事業であり、収入タイプはストック型収入となる。レンタルオフィスは、「ハローオフィス」ブランドで東京23区に少人数用オフィスとして展開しており、コロナ禍によるリモートワークの増加に伴って需要が拡大している。アセットマネジメントは、保有不動産の賃貸管理を行う事業であるが、市況が不安定なことに加え地価の下落リスク等も考慮して現状を維持する方針としている。なお、貸会議室は「ハロー貸会議室」ブランドで時間貸し会議室スペースを大都市圏に展開してきたが、事業集中の観点から2020年12月に事業撤退した。また、パーキング事業も2021年3月をもって事業撤退した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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提供:フィスコ