トレードワークス Research Memo(6):自己資本比率は60%超で実質無借金経営が続く
■トレードワークス<3997>の業績動向
3. 財務状況
2022年12月期末(連結※)の総資産は、前期末の単体実績と比較して79百万円増加の2,178百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金が114百万円、売掛金が402百万円それぞれ減少し、仕掛品が302百万円増加した。固定資産ではソフトウエアが81百万円減少した一方で、投資有価証券が182百万円増加したほかのれんを121百万円計上した。
負債合計は前期末比322百万円増加の715百万円となった。未払法人税等が85百万円減少した一方で、前受金が331百万円、退職給付債務が30百万円それぞれ増加した。また、子会社の借入金9百万円を計上した。純資産合計は同242百万円減少の1,463百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益200百万円を計上した一方で、配当金支出51百万円や自己株式取得による支出199百万円に加えて、収益認識会計基準等の適用に伴い期首時点で利益剰余金を201百万円減額したことが減少要因となった。
経営指標を見ると、自己資本比率は自己資本の減少により前期末の81.3%から67.2%に低下したものの、引き続き高水準で推移している。現金及び預金の水準が688百万円とやや減少したものの、実質無借金経営であることから財務内容は健全と判断される。収益性に関しては、営業利益率が9.7%と前期比1.5ポイント低下したものの、ROEは13.7%と同2.0ポイント上昇しており、2ケタ台を維持している。まだ、売上規模が小さいため四半期ごとの利益は開発案件の進捗状況によって変動が大きくなるが、既存事業におけるストック売上高は前期比14.7%増の1,606百万円と順調に積み上がってきており、収益基盤の安定性も徐々に高まってきているものと思われる。
※同社は2022年3月18日付であじょを子会社化した。これに伴い、2022年12月期より連結決算となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《SI》
提供:フィスコ