GMOペパボ Research Memo(4):ホスティング事業とEC支援事業を両輪に成長(2)
■GMOペパボ<3633>の事業概要
(3) ハンドメイド事業
インターネット上で手軽に手作り作品の出品・販売ができる国内最大級のハンドメイドマーケット「minne」の事業で、販売手数料(取引額の10.56%(税込))が主な売上となる。「minne」の特徴は、ホームページ作成経験のない初心者でも簡単に販売機能を備えたギャラリーページを作成できること、決済は「minne」が代行するため作家と購入者間で安心して取引できること等が挙げられる。アクセサリー、ファッション、バッグ・財布、食品などのハンドメイド作品のほか、作品の製作に必要となる素材の販売やアンティーク・ヴィンテージ品などの販売も行っている。
また、「minne」は2019年7月に利用規約を改訂し、「CtoCハンドメイドマーケット」から「ものづくりの総合プラットフォーム」へと事業領域を拡大している。ハンドメイド以外の加工品や製作の一部の工程を第三者に委託して作った作品も、「ものづくり」という表現活動の1つであると捉え出品可能としたほか、「ものづくり」にこだわるブランドやメーカー等の企業の出品も可能とし、CtoCからBtoCに事業領域を拡大している。2022年12月末時点の作家・ブランド数は85万人、作品数は1,596万点、アプリダウンロード数は1,411万DLの規模となっている。
(4) 金融支援事業
フリーランス向けファクタリングサービス「FREENANCE」の事業である。同サービスは、フリーランスと取引先の間に立ってフリーランスの請求書(売掛債権)を買い取り、取引先に代わって即日支払いするサービスで、請求書額面(税込/税別の場合は消費税も記載)の3~10%を手数料として利用者から受け取るビジネスモデルとなる。請求書(売掛債権)の買取可能額は1万円からとし、2020年4月から上限額を撤廃した。
2020年11月より、「即日払い」をはじめとする金融支援サービスを外部企業に提供する「FaaS(FREENANCE/Factoring as a Service)」を開始しており、ランサーズ<4484>などフリーランスとの親和性の高い人材サービス業界やIT業界のほか、運送業界などでも口コミが広がり利用者数が増えている。FaaSによる3者間取引に関しては、手数料率が2者間取引よりも相対的に低く紹介手数料も発生するため2者間取引と比べて利益率は低くなるが、逆に利用者数を効率的に拡大できるといったメリットがある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《YI》
提供:フィスコ