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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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5563 新日本電工

東証P
295円
前日比
+3
+1.03%
PTS
295円
17:06 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.9 0.56 3.39 46.51
時価総額 405億円
比較される銘柄
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年間127%増なのに、「自分はハイパー下手くそ」とダメ出しする訳

すご腕投資家に聞く「銘柄選び」の技 駄犬さんの場合~最終回

登場する銘柄
INTLOOP<5563> 、トレジャー・ファクトリー<3093>、キャリアリンク<6070>、新日本科学<2395>、三井松島ホールディングス<1518>、ジャパンディスプレイ<6740>

文・イラスト/福島由恵(ライター)、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

■駄犬さん(ハンドルネーム・40代・男性)のプロフィール:
フリーランスのITエンジニアを本業としつつ、2012年からそれまで手掛けたFX(外国為替証拠金取引)から移行し株式投資を開始。15年のチャイナショックでは、運用資金1000万円を溶かした上に追証発生で借金を抱えることに。一旦退場となるも、給料を原資に再挑戦へ。その後は、急激な資産回復劇を遂げ、現在は3億円プレーヤーとして資産拡大中。「業績は先読みできる」をモットーとし、短期決算プレーと中長期業績先読み投資を両輪に、応用技も加えて好成績を打ち出している。値動きが大きい中小型株がメイン。幅広い情報収集力が強みで、ブログや勉強会を通じて情報発信も熱心に行う。

第1回「株価より決算を読め! 借金のドン底から3億円選手に浮上した技-その1」を読む
第2回「『ゴールは目標決算、株価じゃない』で、ドン底から3億円選手の技-その2」を読む
第3回「こんなところからもお宝発掘、雑食&時々手抜きの勝ち技」を読む

超短期で億り人、そして3億円選手へと飛躍した駄犬さん(ハンドルネーム)は、著名なすご腕たちも一目置くほどの、まさに「すご腕中のすご腕」的な存在だ。これまで何人もの投資の達人を見てきた取材班も、突き抜けた感を抱かずにはいられなかった。

だがそんな逸材でも、百戦百勝とはいかないのが不確実性のゲームである投資の常だ。実は、駄犬さんは、昨年(2022年)の滑り出しでは、1カ月で▲20%ものドローダウンを食らってしまう。

金額ベースで約5000万円となる大きなヤラレだが、そのままでは終わらないのが駄犬さんのスゴイところ。一旦は2億円にまで凹んだ資産を、22年末には倍近い3.6億円まで拡大させる快挙を遂げる。このリベンジの背景に何があるのかを、シリーズ最終回は探っていく。

年初の大ヤラレから逆転、そして大躍進

1カ月で▲20%も削られるのは、15年のチャイナショックの退場から復活の道を歩んできた中では最大級のヤラレとなる。

この大ショックの22年1月は、米国の利上げを嫌気して、その前年の秋から強まるグロース株のバリュエーション調整に一層拍車がかかった月だ。東証マザーズ指数の騰落率は、1カ月で約▲23.3%という大荒れ状態に。とりわけ成長株メインの投資家へのダメージはハンパないもので、極力ホールド姿勢を貫く駄犬さんも、この逆風をもろに受ける格好となってしまった(参考記事)。

その時期、ちょうど高額の歯科治療を受ける予定があったこともあり、あまりのヤラレに治療を取りやめようかと思うほどだった。

■マザーズの日足チャート(2021年11月~)【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同


ところが、22年の年間成績は、先に紹介したように43%増という結果に。1月の凹みから大きな反撃を成し遂げた。

22年の東証マザーズ指数の年間騰落率は▲26.1%、日経平均株価も▲9.4%だったので、駄犬さんはこれらの指数を大きくアウトパフォームすることに成功した。

■駄犬さんと東証マザーズ指数の年間成績の比較
【タイトル】

先物売りを役立てリスク管理

大ヤラレしてもパニックに陥らず、自分の銘柄選択眼を信じて今まで通りにやるべきことを淡々と進めていたからだ。

最初のつまずきから挽回するのに貢献したのは、INTLOOP<5563> 、トレジャー・ファクトリー<3093>、キャリアリンク<6070>、新日本科学<2395>、三井松島ホールディングス<1518>など多くの銘柄が寄与する形となった。

■トレジャー・ファクトリーの日足チャート(2022年4月~)
【タイトル】

22年の復活劇を支えたのは、15年にチャイナショックでの退場時に得た教訓と講じた改善策、その後にリベンジで資産を急拡大させた実績だ。

15年の経験で、駄犬さんはリスク管理の重要性を痛感。同じ痛みを二度と感じないようにと、かつての信用取引フルレバだったイケイケ姿勢を改め、その後は半分の1.5倍レバまで抑えることとした。

そのうえで、現物株の買いポジションと同時に、先物による売りポジションとの両建てを実行。下げ局面へのヘッジを施すことで、ネット100%の実質レバなし状態をキープさせている。銘柄も30~40銘柄に分散投資して、過度なリスクを負わない環境へと改善させた。

「相場に居続けさえいれば、挽回のチャンスは必ずやってくる」と、資金管理を徹底したことで、大きく凹んでも冷静さを失わずに対策を講じられるようになった。

失敗の反省に留まらない"技"も駆使

失敗を反省し、二度と同じ間違いを犯さないように教訓を得る――。駄犬さんに限らず、全てのすご腕たちと言っても過言でない投資家が実践していることだ。そんなすご腕たちからも駄犬さんが一目を置かれているのは、失敗から学ぶことに留まらない"技"を持っていることだ。

「あのときの自分は本当にハイパー下手くそだった」。本人が振り返るのは2017年。この年のパフォーマンスは127%、つまり運用資産を2倍以上に膨らますことに成功した時のことだ。念押しするが、この年の127%というのは、マイナスではなくプラスの数字だ。

17年の株式市場を振り返ると、東証マザーズ指数の年間騰落率は前年比+31%、日経平均株価も同+19%だった。この追い風にうまく乗り、駄犬さんは市場平均をはるかにアウトパフォームする成績を手にしたのだが、本人の評価は「単に運が良かっただけ」。自分の実力は大したものではないと、慢心しなかった。

この姿勢は、翌年に成果につながる。18年は2月と10月、そして12月に大きなショックが襲い、マザーズの年間騰落率は同▲35%、日経平均は同▲13%と、大きく落ち込んだ。その逆風に駄犬さんは飲み込まれるどころか、同+34%の好成績をはじき出すことに成功した。

この原動力となったのが、本シリーズの1回目2回目に紹介した「株価は読めなくても、業績は読める」「目標株価よりも目標業績」の投資法だ。

だが本人が言うには、18年になるまでは「初心者の発想で銘柄を選ぶといった、だめトレードしかしてこなかった」。その一例にこんなものがある。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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