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9215 CaSy

東証G
1,070円
前日比
+22
+2.10%
PTS
1,072円
21:12 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.92
時価総額 20.2億円
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CaSy Research Memo(3):CtoBtoCモデルで安価で身近な家事代行サービスを提供(1)


■事業概要

1. 事業内容
CaSy<9215>は、家事代行サービスの単一事業セグメントで、9都府県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、京都府、愛知県、宮城県)のサービス対象エリアで提供するマッチング・プラットフォームを運営し、家事代行サービス(掃除代行サービス、料理代行サービス)及びその他暮らしのサービス(ハウスクリーニングサービス、整理収納サービス)を提供している。

同社は、CtoBtoC(Consumer to Business to Consumer)で企業が仲介して個人間の取引を行うビジネスモデルを採用しており、顧客とキャストとのマッチング及び各種調整、取引の決済機能が主な事業となる。顧客から依頼を受けた同社がマッチングするキャストを紹介し、顧客に通知し、キャストからサービスの提供を受けた顧客は同社にサービス料金を支払い、同社はキャストに委託料を支払う。

顧客から依頼を受託し、キャストが顧客の依頼内容(エリア・スケジュールなど)を確認後、キャスト自身が提供できるサービスに応募をすることによりマッチングが完了(予約確定)するため、いつマッチングするのか、希望どおりに確実にマッチングするのかは確約できないが、同社独自のマッチングアルゴリズムにより、「スポット利用」であれば約7割が3時間以内にマッチングする実績がある。

(1) 家事代行サービス(掃除代行サービス、料理代行サービス)
同社の家事代行サービスは、見積訪問や電話での打ち合わせ等の手間を省きながら、顧客に合ったキャストをマッチングし、登録から予約までWebで手続きが可能だ。当日3時間前まで依頼が可能で、部屋の状況や希望に合わせた最適プランを同社が提案し、研修を受け、スキルテストで合格したキャストが顧客を訪問する。

(2) その他暮らしのサービス(ハウスクリーニングサービス、整理収納サービス)
その他暮らしのサービスでは、ハウスクリーニングサービスとして普段の掃除では対処しきれない場所(エアコン、浴室、レンジフード、ソファ、洗濯機など)への専用の洗剤や機器を使った清掃を提供している他、整理収納サービスとして、整理収納に関する知識と実務経験を積んだプロフェッショナルによる片づけと再現性ある整理収納の提案を行っている。

これまで同社の定期サービスの頻度は週1回、2週間に1回、4週間に1回のいずれかで、いずれも2~4時間の選択しかなかったが、2020年1月の「ビットキー」との連携、2021年1月の「TRUSTDOCK」との連携でサービスが向上したため、同年6月から1時間から選択が可能となり、1時間からのサービスを「SMRAT家事代行」とした。

また、同社は単身世帯やファミリー世帯向けサービスに留まらず、法人向けサービスとして福利厚生への家事代行サービスの導入を企業に提案している。従業員が家事代行サービスを利用することで、家事の時間を家族や勉強に費やすことができるようになり、社員の時間にゆとりが生まれ仕事の質も高まるため、従業員のパフォーマンスを上げることができる。加えて、従業員がやりがいや充実感を感じながら働き、各ライフステージにおいて多様な選択と希望の実現ができるワークライフバランスの改善や向上にも貢献している。

2. 家事代行業の市場性と成長性
2014年3月に経済産業省が発表した「家事支援サービスについて」によれば、家事代行サービス市場の規模は将来的には約6,000億円規模になる見通しである。一方で、女性活躍の推進には長時間労働の削減や柔軟な働き方を推進するとともに家庭負担の軽減が必要としたが、家事支援サービスの利用は限定的で家事支援サービス市場はまだ発展途上であるという調査結果であった。利用していない主な理由は、「価格が高い」が53%、「他人が家に入ることへの心理的抵抗」が37%などサービスに対する不安感が多かった。そのため、経済産業省は、家事支援サービスの利用促進を図るためには、品質面と価格面で幅広い層にとって利用しやすいサービスを供給する体制の構築が必要であるとし、価格面では利用者負担軽減の方策を検討し、品質面では利用者のニーズや評価を業務に適切に反映させる仕組みや、サービスの担い手(人材)の技能・管理能力に関する資格制度の構築等、一部事業者・団体における先進的な取り組みを広く業界全体に展開させ、信頼性の高い市場を構築するため、主要事業者等からなる推進協議会を設けることを検討するとした。

また2017年の(株)野村総合研究所による「平成29年度商取引適正化・製品安全に係る事業(家事支援サービス業を取り巻く諸課題に係る調査研究)調査報告書」では、家事支援サービスの利用状況に関して「サービスは知っているが、利用したことがない」が77.7%、「サービスを知らなかった」が15.8%、「過去に利用していたことがある(現在は利用していない)」が4.7%、「現在、利用している」は1.8%であった。

こうした調査結果を見ると、家事代行サービスの存在は知りながらも、サービス自体を利用している層は極端に少なくわずか2%にも満たない。将来的に家事代行サービスには十分な市場性があり、家事代行業界全体で課題とされる価格面・品質面の向上を推進すれば、家事代行業界の市場も拡大し、市場の成長性も大幅に改善される可能性を秘めていることが読み取れる。

これらの状況に対応するため、同社は既に価格面では、サービス実施以外はオンラインで完結できる独自開発のマッチング・プラットフォーム導入によるコスト削減、品質面ではキャストの組織的ブランディングを図り、キャストが辞めない環境づくりと品質管理体制の強化を推進するスタッフ雇用体制に注力している。家事代行サービスのリーディングカンパニーとして十分な成長性が見込めると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

《YI》

 提供:フィスコ

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