CAICAD Research Memo(9):ポテンシャルの大きなWeb3事業での成長を目指す(2)
■今後の方向性(Web3事業の展望)
3. 今後の注目点
Web3化の加速はCAICA DIGITAL<2315>にとって追い風であり、Web3を見据えて取り組んできたブロックチェーン技術や暗号資産に関する知見が、本格的に実用化されるフェーズ(収穫期)に入ってきたとの見方ができる。足元業績は、暗号資産市場の混乱による影響を受けて大きく落ち込んだものの、これを機に「金融サービス事業」を抜本的に見直し、Web3事業の拡大に向けて舵を切った点や、スピード感を持って事業基盤を構築している点は前向きに評価したい。今後に向けては、Web3事業への参入が同社の収益構造や成長モデルにどのような変化を及ぼすのかに注目している。すなわち、ユーティリティ性の高いコイン(トークン)であるとともに、手数料収入が収益源となるため、同社が目指す相場の影響を受けにくい収益構造への転換(収益の安定化)が一段と進むことになるだろう。また、アライアンスパートナーの成長が同社自身の成長につながるため、いかに有力なタイトルやスタートアップを探り出し、成長を支援していけるかが重要なカギを握る。いくつもの成長の種をプラットフォーム上に囲い込み、そこから成功事例を輩出できれば、アップサイドの利益を存分に享受できる成長モデルとして高い評価を得ることもできよう。したがって、同社事業の進捗のみならず、今後はアライアンスパートナーのポテンシャルや事業の進捗についても、重要な判断材料として注目する必要がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
《NS》
提供:フィスコ