買い先行後に軟化するも、日経平均は27500円をキープする底堅さ【クロージング】
15日の日経平均は反落。100.91円安の27501.86円(出来高概算11億8000万株)で取引を終えた。1月の米消費者物価指数(CPI)の予想を上回る上昇だったが、上昇率は昨年6月をピークに低下しており、米国の金融引き締めスタンスを変化させる内容ではないとの見方もあり、前日の米国主要市場は高安まちまちだった。米半導体株が買われた流れのなか、買い先行で始まった日経平均は寄り付き直後に27720.27円まで上昇。ただし、その後は米株先物の弱い値動きなどもあって軟化すると、後場開始直後には27444.13円まで下落。売り一巡後は下げ渋る展開となり、27500円を中心に狭いレンジ内の動きにとどまった。
東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1100を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、保険、鉄鋼、銀行、ガラス土石など9業種が上昇。一方、サービス、精密機器、不動産、機械など24業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、東京海上<8766>、コナミG<9766>がしっかりだった半面、リクルートHD<6098>、ソフトバンクG<9984>、ダイキン<6367>、テルモ<4543>が軟調だった。
朝方は米金利上昇を受けた円安進行を手掛かりに輸出関連株中心に買われ、日経平均は取引開始直後に100円超上昇する場面もあった。その後、円相場がやや円高に傾くと、次第に目先の利益を確保する売りが出たほか、来週には日銀総裁候補として選任された植田和男氏の所信聴取なども控えているため、積極的に持ち高を一方向に傾ける地合いでもなく、27500円を挟んでもみ合っていた。
米CPIを通過したが、インフレ加速という霧は市場を覆っている。このため、今夜に予定される1月の小売売上高や2月のニューヨーク連銀製造業景況指数などインフレ指標を確認したい投資家は多い。また、植田氏の所信聴取についても、どのような政策運営をするのか判断するのが見通しづらく、仮に金融緩和政策を進めるならば、市場にとってはネガティブに働くとの見方が多い。内憂外患の状況に変化はなく、目先は方向感のつかめない展開が続くだろう。
《CS》
提供:フィスコ