大幸薬品---22年12月期は感染管理事業の需要減少に加えて、医薬品事業の供給不足が継続
大幸薬品<4574>は10日、2022年12月期連結決算を発表した。売上高が50.40億円、営業損失が30.79億円、経常損失が33.52億円、親会社株主に帰属する当期純損失が48.95億円となった。「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当年度の期首から適用しており、2022年12月期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっているため、対前期増減率は記載していない。
医薬品事業の売上高は前年同期比16.7%減の36.24億円となった。また、セグメント利益は、売上高の減少や京都工場医薬品生産設備の稼働に伴う減価償却費等の増加等により、同79.8%減の2.97億円となった。当年度は、新型コロナウイルス感染症に関連する規制が段階的に緩和され、消費者の行動も元に戻りつつある状況の中で需要状況は着実に改善してきたが、セイロガン糖衣Aの一部原材料変更に起因する一時的な生産量低下によって供給不足が継続した。また、正露丸についても、セイロガン糖衣Aの代替需要や他社製品欠品の影響を受け、高い需要状況で推移していることから、供給体制が追い付いておらず出荷制限をしながらの販売が継続した。これらの結果、国内向けの売上高前年同期比18.6%減の25.27億円となった。また海外向けについても、国内同様、需要は回復傾向にあるものの、国内向けの生産を優先していることから海外向けの供給数量が不足し、同11.9%減の10.97億円となった。
感染管理事業の売上高は14.08億円(前年同期は69.42億円)、セグメント損失は21.79億円(同49.36億円の損失)となった。2022年1月20日及び4月15日に「クレベリン」6品目に対し、消費者庁より景品表示法に基づく措置命令を受けたことに伴い、多くの販売店で対象製品等の一時撤去及び返品が行われたため、当年度の売上高は大きく減少した。当年度において措置命令の対象製品の表示の見直しは完了しており、リニューアル品の販売を開始したものの、需要は伸び悩み当該返品影響をカバーするまでには至っていない。また、事業再構築の一環として、一部在庫の廃棄や収益性が低下した棚卸資産に対して評価損を計上した。
2023年12月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比56.7%増の79.00億円、営業利益が5.32億円、経常利益が0.60億円、親会社株主に帰属する当期純利益が0.50億円を見込んでいる。
《NS》
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