シュッピン---3Qは2ケタ増収、カメラ事業・筆記具事業・自転車事業が順調に推移
シュッピン<3179>は7日、2023年3月期第3四半期(22年4月-12月)決算を発表した。売上高が前年同期比11.4%増の344.17億円、営業利益が同3.9%減の22.39億円、経常利益が同5.9%減の22.38億円、四半期純利益が同5.0%減の15.56億円となった。
カメラ事業の売上高は前年同期比23.5%増の244.07億円、セグメント利益は同25.1%増の27.88億円となった。AIMD、AIコンテンツレコメンドといった、AIを積極的に活用した独自機能やサービスによるOne to Oneマーケティングが機能し、EC売上高が順調に増加した。また、これまで商品情報やおすすめコンテンツはメールやアプリでのプッシュ通知だったが、その情報をLINEでも受け取ることができるようにすることで、よりスマートフォンでの顧客の利便性を高めた。これらに合わせ、カメラメーカー各社からの注目の新製品の発売もあり、EC売上高は大きく伸長し、店舗売上高も回復したことで、増収増益となった。
時計事業の売上高は同11.9%減の90.25億円、セグメント利益は同80.9%減の1.36億円となった。戦略的商品ラインナップの拡充として、人気ブランド「ROLEX」の買取強化を継続したことでEC売上高は大きく伸長し、また、越境ECとして出店している「eBay」及び「Chrono24」では顧客高評価を得て順調に成長している。レディースブランドサロン「BRILLER」ではブランドバックの店舗フロア拡張と高級ブランドジュエリーの取り扱いを開始し、SNSを中心とした情報発信によって認知度も高まっている。一方、店舗では国内需要は高いものの、国際情勢等(入国規制等)の影響によって免税売上高は未だ低迷しており減収となった。利益面については、時計相場全体の下落が影響し、特に、ROLEX等の人気商品においては、通年をとおして30%強の下落となった。このような外部環境の悪化の中、同社は販売価格の見直しや商品在庫の入れ替えを進める施策をおこなった結果、売上総利益率が大幅に低下し減益となった。
筆記具事業の売上高は同15.3%増の3.28億円、セグメント利益は、売上高の拡大と同時に適切な販売価格の設定による売上総利益率の改善によって同1,417.4%増の0.28億円となった。メーカーとの協業によるオリジナル商品の企画・販売については継続実施し、限定品や国内未発売のレアモデルの万年筆等を多数取り揃えるなどで、「KINGDOM NOTE」でしか手に入らない商品ラインナップを充実させ、同時にYouTubeを活用し筆記具の魅力を広く伝えることにも努めた。また、店舗では売り場改装を実施して生産性の改善を図った。買取及び商品化においては強化を行い、新着商品のWeb掲載数の増量を図ったことで中古商品の売上高は大きく増加し、増収となった。
自転車事業の売上高は同9.7%増の6.55億円、セグメント利益は同34.2%増の0.48億円となった。コロナ禍における生活スタイルの変化と健康志向に伴う自転車需要の高まりも一巡した中で、スマホアプリによる日常的な情報発信や自転車専門サイトでの広告宣伝とECサイト上の様々な営業施策を実施した。店舗では世界的に人気が高い日本メーカーのパーツに対する免税需要が高まったことが全体に寄与し、増収増益となった。
2023年3月期通期については、同日、業績予想の修正を発表した。売上高が前期比2.64%増(前回予想比9.5%減)の446.02億円、営業利益が同26.1%減(同33.8%減)の23.20億円、経常利益が同27.8%減(同33.8%減)の23.00億円、当期純利益が同28.1%減(同33.8%減)の15.87億円としている。また、期末配当金ついて、直近の配当予想1株当たり35.00円から5.00円減配の30.00円とすることを発表した。
《SI》
提供:フィスコ