本日の注目個別銘柄:アダストリア、DTS、フェローテクなど
<7203> トヨタ自 1812.5 -4.5
もみ合い。EV向けの専用ラインを国内工場に設ける検討に入ったと一部で伝わった。設計も骨格から見直しを進め採算性も高めていく方針のもよう。2025年にも増産を始める方向で、生産規模は年間20万台程度まで膨らむ可能性があるようだ。EV「出遅れ」の巻き返しにつながる可能性もあるが、引き続き半導体供給不足の影響が懸念されるほか、為替の円高反転の動きも警戒され、ストレートに期待感が高まる状況にもならず。
<6981> 村田製 6588 -16
続落。米アップルのスマートフォン「iPhone」に関して、上位モデル「Pro」シリーズの生産が需要に追いつき始めていると米紙で報じられた。中国の状況は平常とは言えないものの、少なくともフォックスコン工場で抗議運動が起きた11月より改善したとみられているようだ。同社などアップル向けの電子部品各社には、今後の業績回復が高まる状況から買い戻しの動きが先行したが、買いは続かず手じまい売りに。
<6920> レーザーテック 21745 -770
大幅反落。前日の米国市場ではハイテク・グロース株を中心に買い戻しが優勢となったことで、SOX指数は3.3%超の大幅高となった。東京市場でもアドバンテストなど半導体関連の一角は堅調な値動きとなっている。ただ、同社に関しては、値幅取り狙いの短期資金の商いも相対的に多いとみられ、明日以降の年末年始休暇を挟む中、目先の換金売り圧力などに押されているようだ。
<9616> 共立メンテ 5900 +100
大幅反発。前日に11月の月次動向を発表。単月売上高は前年同月比で33%増、10月の同31%増に続く高い伸びとなり、年度累計では前年同期比22%増となっている。全国旅行支援や訪日外国人旅客数の段階的回復などでホテル事業が大幅増、日本人学生稼働室数の大幅な増加で寮事業も堅調推移が継続。今後もインバウンド需要が一段と増加する公算も大きく、先行き期待も高いようだ。
<9682> DTS 2982 -138
大幅続落。大和証券では投資判断を「2」から「3」に、目標株価も4000円から3200円に引き下げた。23年3月期は成長投資や処遇改善、新規連結に伴うM&A費用及びのれん償却などが負担増となり、利益は低めの伸びになると分析。また、自社社員や外注パートナー向けの処遇改善、積極的な成長投資を反映し、24年3月期以降の収益予想も下方修正。26年3月期にかけて増収率程度の増益率にとどまるとみている。
<6890> フェローテク 2787 +117
大幅反発。連結子会社である安徽富楽徳科技発展股(人偏に分)有限公司の、深セン証券取引所創業板市場への上場日が12月30日に決定したと発表。同子会社は中国で部品洗浄事業を手掛けている。12月20日のリリースでは、公募価格は8.48中国元、時価総額は28.7億中国元(約564億円)とされていた。株式公開によって資産価値の上昇などにつながるとの見方が先行している。
<8771> Eギャランティ 2443 +32
大幅続伸。前日に記念配当の実施、並びに、株主優待の廃止を発表。保証残高1兆円達成を受けて記念配当金4円を実施することで、年間配当金は従来計画の26円から30円に引き上げた。一方、1500円分のクオカードを提供していた株主優待制度は廃止するとしている。トータル利回りは低下することになるが、もともと利回り水準は高くなく、保証残高1兆円達成など業績成長を期待する動きが強まっているようだ。
<2685> アダストリア 2345 +340
急騰。前日に第3四半期決算を発表、累計営業利益は112億円で前年同期比2.5倍となり、通期予想は従来の100億円から125億円、前期比90.4%増に上方修正している。120億円程度の市場コンセンサスも上振れへ。外出需要が回復する中、商品企画やマーケティング施策が奏功したことで原価上昇や為替の影響を想定以上に吸収できたもよう。年間配当金も従来計画の55円から60円に引き上げている。
<2767> 円谷フィHD 2727 +41
大幅続伸。2022年の株価上昇率は前日までで5.26倍、プライム市場では最大の上昇率となっている。業績の急拡大を受けて株価は大幅に水準訂正を果たす形になった。また、パチスロ業界での「スマスロ」導入開始に伴って、今後の関連機種導入に伴う業績拡大への期待も高まる形に。引き続き、2023年相場への期待も反映する動きになっているようだ。
<7606> Uアローズ 1852 +44
大幅続伸。前日にアダストリア<2685>が業績予想の上方修正を発表し、株価が急伸している。つれて、同じく衣料品専門店の同社にも連想感が強まる展開となっている。同社も既存店売上高は今期に入って前年比プラス基調が継続している。年初来の株価上昇率は前日までの段階で、アダストリアの24%に対して、同社はマイナスパフォーマンスと出遅れ感が強いだけに買いが強まっている。
《ST》
提供:フィスコ