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8132 シナネンHD

東証P
4,905円
前日比
-10
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PTS
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
29.6 1.00 1.53 0.04
時価総額 640億円
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シナネンHD Research Memo(7):成長に弾みがつくシェアサイクル事業


■業績動向

2. 2023年3月期第2四半期のセグメント別業績動向
シナネンホールディングス<8132>の2023年3月期第2四半期のセグメント別業績(概数)は、BtoC事業が売上高30,400百万円(前年同期比17.9%増)、セグメント損失830百万円(前年同期は230百万円の損失)、BtoB事業が売上高99,910百万円(同52.4%増)、セグメント利益160百万円(前年同期は200百万円の損失)、非エネルギー事業が売上高9,300百万円(同3.7%増)、セグメント利益340百万円(同25.9%増)だった。原油価格・プロパンCPの高騰によりBtoC事業、BtoB事業はともに大幅な増収となる一方、BtoC事業の採算悪化要因となった。非エネルギー事業は、抗菌事業でコロナ禍の需要が一服したものの、シェアサイクル事業でステーション数が順調に増加、建物維持管理事業も収益貢献を果たし、増収2ケタ増益と好調だった。なお、調整額で損失を計上したのは、前期に行った埼玉県川口市の土地売却によって不動産賃貸収入が減ったこと、先行投資にかかわる費用が一部計上されたことが要因である。

BtoC事業は、主力のLPガス・灯油販売で、平均気温が平年と比較して高くなったことで特に灯油の販売数量が低調に推移した一方、原油価格・プロパンCPの高騰に伴い販売単価が上昇し、売上高は2ケタ増となった。利益面では、半導体不足で前期に苦戦した住設機器が回復した一方、原油価格・プロパンCPの高騰に対し燃料費調整制度を廃止して対応したが、販売価格の改定に2ヶ月ほどのタイムラグが生じたため採算が低下、加えてテクニカルな話だが、収益認識基準の影響による月ズレの費用計上もあって、営業利益の損失幅が拡大した。想定以上の低迷となったが、収益は上期より寒い下期のほうが圧倒的に大きくなるうえ、LPガスの販売価格改定の効果や月ズレ費用の解消が見込まれ、下期で十分カバーできる見通しとなっている。なお、グループシナジーを活かした新たな収益源確保に向けた取り組みとして、第1四半期より東北エリアで集合住宅向け建物維持管理に関する事業を開始した。

BtoB事業では、主力の石油事業でBtoC事業と同様に原油価格の高騰に伴って販売単価が大幅に上昇、加えて販売機能を強化したオイルスクエアを中心に軽油の販売数量が好調に推移したため、売上高は大幅に増加した。利益面では、石油事業で、流通在庫の確保など原油市況の変動に対応した仕入施策により差益を確保したことに加え、東アジアにおける船舶燃料の需要が円安の日本に集中するなか長期契約案件の獲得に成功した。電力販売では、6月以降調達コストの大幅な上昇の影響を受けたが、相対取引を増やす一方将来の市況回復を見据えて価格改定を進めた。電力に比べて好採算の石油の構成比が上昇したため利益ミックスが改善し、全体としては前年同期比で損失を縮小することができた。

非エネルギー事業は、抗菌事業の需要一服と建物維持管理事業で発生した大型案件のずれ込みなどがあった一方、シェアサイクル事業が好調に推移したことなどにより、全体で増収増益となった。なお、自転車事業は、価格改定を進めたものの、原材料価格や輸送費の高騰など環境悪化が想定以上となったことに加え、中国のロックダウンによる工場での仕入遅延もあり、減益となった。

収益性の高いエリアに高密度で展開するシェアサイクル事業では、神奈川県川崎市で本格運用を開始するなど、戦略に則って駅前やコンビニ、公園を中心にシェアサイクルサービス「ダイチャリ」のステーション開発を推進した。2022年9月末現在、ステーション数は2,900ヶ所、設置自転車数は10,000台を超える規模にまで拡大、国内最大級のシェアサイクル企業となった。利用データを、ステーションでの台数調整など運営の効率化や、2022年4月に実施した15分70円から30分130円への価格改定などに活かしたことで業績は好調を維持、通期で黒字化が見えてきた。また、第1四半期より岩手県で、限定地域の移動手段として「利用者限定シェアサイクル」サービスを開始、今後も地域の課題に応じたサービスの開発も積極化する考えである。

環境・リサイクル事業は、主力の「木くずリサイクル」でウッドショックに起因する建築系廃材減少の影響を受けたが、展開エリアの千葉県と埼玉県ではかえって木質チップの需給変動がプラスに作用し、取引高はおおむね好調に推移した。また、金属スクラップ取引などその他の事業も好調に推移し、収益に貢献した。

抗菌事業は、コロナ禍における抗菌需要が一服したため、自社の銀系抗菌剤だけでなく他社製のガラス系や自然系(ひのき)の商品も幅広く提案したが、減益となった。なお、新たな成長戦略として、水中の重金属など不純物を取り除く「吸着剤」事業を拡大、中国市場での拡販に向けた取り組みを進めた。

システム事業は、主力のLPガス基幹業務システムの安定的な貢献に加え、経営の厳しい新電力各社をバックアップするなかで電力CISが伸長、好調に推移した。また、2028年3月期中のリリースに向けて、次世代システムの開発をスタートさせた。

建物維持管理事業の中核となるタカラビルメンは、マンション・斎場など定期管理業務の安定的な貢献、集合住宅の運営管理業務への事業領域拡大、マンション共用部の清掃業務の好調などにより増収となったが、大型物件を獲得したことで発生した先行費用により減益となった。来期の建物維持管理事業各社の統合に向けて、2022年10月に統合推進室を本格稼働した。

そのほか新規事業として、ノータスソーラージャパン(株)と提携して営農型ソーラーシェアリングに参入した。設計(engineering)、調達(procurement)、建設(construction)を含むプロジェクトを請け負うEPC契約を活用して農地の高度利用をサポートする方針で、2030年には400ヘクタールに200メガワットの太陽光発電設備を設置する計画である。また、亜臨界水処理による水草の再資源化の取り組みも開始、琵琶湖での実証実験を進めている。大量に繁茂する水草を亜臨界水処理装置によってセルロースを抽出、航空燃料の元となるバイオエタノールや梱包材として利用できるモウルド材として再生する考えである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SI》

 提供:フィスコ

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