利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 33社選出 <成長株特集>
本特集では、10月下旬から11月中旬までの決算集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は18日に配信した総集編 第1弾(時価総額2000億円以上)に続き、時価総額500億円以上2000億円未満の東証プライム上場銘柄を対象に、22年7-9月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、22年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を3%超上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している33社を選び出し、7-9月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、化学用精密ポンプ大手の日機装 <6376> [東証P]。22年7-9月期(第3四半期)の税引き前利益は過去最高益を5.9倍も上回る315億円に急拡大して着地。子会社だったドイツ・レーバとオランダ・ゲベケの全株式を売却したことに伴い、売却益約368億円が発生したことが利益を大きく押し上げた。
2位に入ったエレマテック <2715> [東証P]の7-9月期(第2四半期)は、国内で自動車関連部材の販売が好調だったほか、中国ではディスプレーやゲーム機向け関連部材が伸びた。また、円安による収益押し上げ効果や採算改善も寄与し、経常利益は前年同期比2.1倍の37.1億円に膨らんだ。併せて、23年3月期通期の業績見通しと配当予想を上方修正している。
続く3位にリスト入りしたのはパワー半導体を主力とするサンケン電気 <6707> [東証P]。7-9月期(第2四半期)の経常利益は前年同期比2.4倍の72.2億円に拡大し、実に16年ぶりとなる最高益更新を果たした。自動車向け製品は電動車・先進運転支援システムの普及やサプライチェーンにおける部材確保に伴う高水準な出荷が続いたほか、産業機械市場ではサーバー向けのファンモータドライバーの需要が拡大した。23年3月期通期の同利益予想を上方修正したことも評価され、株価は11月22日に約15年10ヵ月ぶりの高値7180円まで上値を伸ばした。
5位の旭有機材 <4216> [東証P]は、半導体関連の旺盛な設備投資需要が継続するなか、主力の樹脂バルブや継ぎ手の販売が大きく伸びたことに加え、為替の円安進行も追い風となった。半導体関連では、商社の兼松 <8020> [東証P]とレスターホールディングス <3156> [東証P]、半導体回路検査用コネクターが好調に推移しているヨコオ <6800> [東証P]、ウエハー再生加工大手のRS Technologies <3445> [東証P]、表面処理加工大手で半導体・液晶製造装置向けを主力とするトーカロ <3433> [東証P]がリスト入りしている。
6位のストライク <6196> [東証P]は中小企業の事業承継を中心にM&A市場が拡大するなか、大型案件(1組あたりの売上高が1億円以上)が10組成約するなど、成約件数が大きく伸び、7-9月期(第4四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を大幅に更新した。23年9月期の経常利益は前期比29.1%増の54.5億円と9期連続で過去最高益を更新する見通しだ。
7位のサンゲツ <8130> [東証P]は壁紙を主力とするインテリア部門において、原材料価格の高騰や物流コストの上昇を背景に4月から実施した値上げが浸透し、7-9月期(第2四半期)は3四半期連続の最高益更新を遂げた。好調な業績を踏まえ、23年3月期通期の経常利益を従来予想の107億円→180億円に大幅上方修正し、実に32期ぶりに過去最高益を更新する見通しを示した。併せて、配当も従来計画の71円→80円へ引き上げている。
9位、10位に並んだ紙商社大手のKPPグループホールディングス <9274> [東証P]と日本紙パルプ商事 <8032> [東証P]は、海外事業を中心に複数回にわたって価格修正を実施したことが収益を押し上げた。また、円安が進んだこともプラスに働いた。業績好調に伴い、両社とも23年3月期通期の業績予想を上方修正している。これを受けて、KPPGHDの株価は11月18日に上場来高値1067円まで上昇した。一方の紙パル商も同日に約4年5ヵ月ぶりの高値をつけている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<6376> 日機装 488 31507 5360 216 36000 11381 3.9 *
<2715> エレマテック 56.4 3777 2415 39.2 10950 7867 8.1
<6707> サンケン 51.7 7227 4765 67.9 23000 13700 19.6
<4980> デクセリ 43.7 11289 7858 29.1 32300 25023 7.0
<4216> 旭有機材 40.9 3416 2425 48.3 10400 7012 7.4
<6196> ストライク 38.5 1623 1172 29.1 5454 4226 21.9
<8130> サンゲツ 34.1 5308 3959 38.8 18000 12969 10.4
<9119> 飯野海 32.2 6739 5096 0.9 16200 16062 5.4
<9274> KPPGHD 29.7 6249 4818 109 18500 8844 3.7
<8032> 紙パル商 29.4 5794 4479 26.2 19000 15051 3.0
<6652> IDEC 28.5 4578 3562 34.6 14000 10398 9.3
<8020> 兼松 26.7 12025 9492 21.7 35500 29177 6.6 *
<4008> 住友精化 24.4 4509 3625 15.7 12000 10375 6.0
<6619> WSCOPE 20.5 3585 2975 247 8600 2479 19.0
<3156> レスターHD 20.4 4806 3992 33.0 12000 9025 8.8
<4481> ベース 17.0 1096 937 19.9 3602 3004 25.4
<6287> サトーHD 16.1 2919 2514 27.3 9700 7618 14.1
<6407> CKD 15.7 5560 4807 13.9 20550 18043 9.0
<7821> 前田工繊 13.9 2192 1925 25.4 8000 6378 17.8
<6800> ヨコオ 13.9 3481 3057 47.0 9600 6529 8.0
<2395> 新日本科学 13.9 3156 2772 38.5 9800 7078 12.9
<9672> 東競馬 11.1 4441 3996 2.1 13115 12842 12.4
<9025> 鴻池運輸 9.9 4359 3967 18.2 14000 11845 9.6
<4373> シンプレクス 9.5 1967 1796 6.8 6610 6191 25.6 *
<6516> 山洋電 8.3 4264 3939 34.9 15900 11787 5.8 *
<5471> 大同特鋼 7.9 12753 11824 16.9 46000 39366 5.4
<2317> システナ 7.3 2618 2441 19.8 10280 8578 22.6
<3445> RSテクノ 6.1 4844 4567 83.4 16200 8832 12.7
<4848> フルキャスト 5.9 2631 2485 27.4 9710 7624 15.8
<3433> トーカロ 4.6 3085 2948 7.8 11400 10571 9.6
<8096> 兼松エレク 4.4 5434 5205 5.6 13500 12784 13.6
<6200> インソース 4.4 932 893 11.2 3720 3346 50.7
<8097> 三愛オブリ 4.2 4391 4212 2.8 13500 13126 10.0
※2021年10月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース
下表では、本決算月にかかわらず、22年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を3%超上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している33社を選び出し、7-9月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、化学用精密ポンプ大手の日機装 <6376> [東証P]。22年7-9月期(第3四半期)の税引き前利益は過去最高益を5.9倍も上回る315億円に急拡大して着地。子会社だったドイツ・レーバとオランダ・ゲベケの全株式を売却したことに伴い、売却益約368億円が発生したことが利益を大きく押し上げた。
2位に入ったエレマテック <2715> [東証P]の7-9月期(第2四半期)は、国内で自動車関連部材の販売が好調だったほか、中国ではディスプレーやゲーム機向け関連部材が伸びた。また、円安による収益押し上げ効果や採算改善も寄与し、経常利益は前年同期比2.1倍の37.1億円に膨らんだ。併せて、23年3月期通期の業績見通しと配当予想を上方修正している。
続く3位にリスト入りしたのはパワー半導体を主力とするサンケン電気 <6707> [東証P]。7-9月期(第2四半期)の経常利益は前年同期比2.4倍の72.2億円に拡大し、実に16年ぶりとなる最高益更新を果たした。自動車向け製品は電動車・先進運転支援システムの普及やサプライチェーンにおける部材確保に伴う高水準な出荷が続いたほか、産業機械市場ではサーバー向けのファンモータドライバーの需要が拡大した。23年3月期通期の同利益予想を上方修正したことも評価され、株価は11月22日に約15年10ヵ月ぶりの高値7180円まで上値を伸ばした。
5位の旭有機材 <4216> [東証P]は、半導体関連の旺盛な設備投資需要が継続するなか、主力の樹脂バルブや継ぎ手の販売が大きく伸びたことに加え、為替の円安進行も追い風となった。半導体関連では、商社の兼松 <8020> [東証P]とレスターホールディングス <3156> [東証P]、半導体回路検査用コネクターが好調に推移しているヨコオ <6800> [東証P]、ウエハー再生加工大手のRS Technologies <3445> [東証P]、表面処理加工大手で半導体・液晶製造装置向けを主力とするトーカロ <3433> [東証P]がリスト入りしている。
6位のストライク <6196> [東証P]は中小企業の事業承継を中心にM&A市場が拡大するなか、大型案件(1組あたりの売上高が1億円以上)が10組成約するなど、成約件数が大きく伸び、7-9月期(第4四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を大幅に更新した。23年9月期の経常利益は前期比29.1%増の54.5億円と9期連続で過去最高益を更新する見通しだ。
7位のサンゲツ <8130> [東証P]は壁紙を主力とするインテリア部門において、原材料価格の高騰や物流コストの上昇を背景に4月から実施した値上げが浸透し、7-9月期(第2四半期)は3四半期連続の最高益更新を遂げた。好調な業績を踏まえ、23年3月期通期の経常利益を従来予想の107億円→180億円に大幅上方修正し、実に32期ぶりに過去最高益を更新する見通しを示した。併せて、配当も従来計画の71円→80円へ引き上げている。
9位、10位に並んだ紙商社大手のKPPグループホールディングス <9274> [東証P]と日本紙パルプ商事 <8032> [東証P]は、海外事業を中心に複数回にわたって価格修正を実施したことが収益を押し上げた。また、円安が進んだこともプラスに働いた。業績好調に伴い、両社とも23年3月期通期の業績予想を上方修正している。これを受けて、KPPGHDの株価は11月18日に上場来高値1067円まで上昇した。一方の紙パル商も同日に約4年5ヵ月ぶりの高値をつけている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<6376> 日機装 488 31507 5360 216 36000 11381 3.9 *
<2715> エレマテック 56.4 3777 2415 39.2 10950 7867 8.1
<6707> サンケン 51.7 7227 4765 67.9 23000 13700 19.6
<4980> デクセリ 43.7 11289 7858 29.1 32300 25023 7.0
<4216> 旭有機材 40.9 3416 2425 48.3 10400 7012 7.4
<6196> ストライク 38.5 1623 1172 29.1 5454 4226 21.9
<8130> サンゲツ 34.1 5308 3959 38.8 18000 12969 10.4
<9119> 飯野海 32.2 6739 5096 0.9 16200 16062 5.4
<9274> KPPGHD 29.7 6249 4818 109 18500 8844 3.7
<8032> 紙パル商 29.4 5794 4479 26.2 19000 15051 3.0
<6652> IDEC 28.5 4578 3562 34.6 14000 10398 9.3
<8020> 兼松 26.7 12025 9492 21.7 35500 29177 6.6 *
<4008> 住友精化 24.4 4509 3625 15.7 12000 10375 6.0
<6619> WSCOPE 20.5 3585 2975 247 8600 2479 19.0
<3156> レスターHD 20.4 4806 3992 33.0 12000 9025 8.8
<4481> ベース 17.0 1096 937 19.9 3602 3004 25.4
<6287> サトーHD 16.1 2919 2514 27.3 9700 7618 14.1
<6407> CKD 15.7 5560 4807 13.9 20550 18043 9.0
<7821> 前田工繊 13.9 2192 1925 25.4 8000 6378 17.8
<6800> ヨコオ 13.9 3481 3057 47.0 9600 6529 8.0
<2395> 新日本科学 13.9 3156 2772 38.5 9800 7078 12.9
<9672> 東競馬 11.1 4441 3996 2.1 13115 12842 12.4
<9025> 鴻池運輸 9.9 4359 3967 18.2 14000 11845 9.6
<4373> シンプレクス 9.5 1967 1796 6.8 6610 6191 25.6 *
<6516> 山洋電 8.3 4264 3939 34.9 15900 11787 5.8 *
<5471> 大同特鋼 7.9 12753 11824 16.9 46000 39366 5.4
<2317> システナ 7.3 2618 2441 19.8 10280 8578 22.6
<3445> RSテクノ 6.1 4844 4567 83.4 16200 8832 12.7
<4848> フルキャスト 5.9 2631 2485 27.4 9710 7624 15.8
<3433> トーカロ 4.6 3085 2948 7.8 11400 10571 9.6
<8096> 兼松エレク 4.4 5434 5205 5.6 13500 12784 13.6
<6200> インソース 4.4 932 893 11.2 3720 3346 50.7
<8097> 三愛オブリ 4.2 4391 4212 2.8 13500 13126 10.0
※2021年10月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース