信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

3800 ユニリタ

東証S
1,993円
前日比
+5
+0.25%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.7 1.29 3.51
時価総額 159億円
比較される銘柄
オプティム, 
アイネット, 
テラスカイ

銘柄ニュース

戻る
 

ユニリタ Research Memo(4):DX推進に伴う需要拡大やサービス化の進展により主力サービスが伸長


■決算動向

1. 2023年3月期上期決算の概要
ユニリタ<3800>の2023年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比9.5%増の5,440百万円、営業利益が同22.9%増の336百万円、経常利益が同29.6%増の488百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同38.4%増の321百万円と増収増益となった。期初予想に対しても、売上高、各利益ともに上回る着地となっている。

売上高は3つの事業が計画を上回って伸長した。「プロダクトサービス」は、主力の自動化・帳票プロダクトにおいて製販一体となったサービスシフト提案が奏功し、ストック売上が伸びた。「クラウドサービス」は、「LMIS」や「Digital Workforce」など、DX推進に伴う新たな課題解決ニーズに合致する主力サービスが引き続き好調に推移した。「プロフェッショナルサービス」は、DX推進に伴うコンサルティング案件が堅調であり、グループ機能を結集したワンストップソリューションの起点として業績全体の伸びをけん引した。

損益面では、案件増に対応するための人員増強に伴う人件費並びに将来に向けた研究開発費(農業ITやデータサイエンスに係る費用等)が増加したものの、増収に伴う収益の押し上げや内製化推進(保守サポート等)による外注費削減効果により、計画を上回る営業増益を実現した。営業利益率も6.2%(前年同期は5.5%)に改善している。

財政状態については大きな変動はなく、総資産は前期末比1.8%増の14,618百万円に増加した一方、自己資本も同1.2%増の11,100百万円に拡大した結果、自己資本比率は75.9%(前期末は76.4%)とほぼ横ばいで推移した。

事業別の業績は以下のとおりである。

(1) プロダクトサービス
売上高は前年同期比5.0%増の2,208百万円、セグメント利益は同3.4%減の536百万円となった。1) 主力の自動化・帳票プロダクトでは、システム更改ニーズに対して、製販一体となったサービスシフト提案が奏功し、継続課金型のストック売上が伸びてきた。特に「保守・サービス」の売上高は1,622百万円(前年同期比31百万円増)と増加傾向にあり、ビジネスモデルのサービス化が進展していると評価できる。一方、2) メインフレーム事業は、引き続きキャッシュレス決済の増加対応などによる金融業界からの案件受注が堅調であるものの、前年同期比では減収となった。損益面では、利益率の高いメインフレーム事業の売上減により減益となったが、セグメント利益率は24.3%と高い水準を維持している。

(2) クラウドサービス
売上高は前年同期比8.1%増の1,562百万円、セグメント損失は154百万円(前年同期は167百万円の損失)となった。1) IT活用クラウド事業では、DX化の動きやリモートワークの普及が進むなかで、新たな課題解決ニーズに合致する「LMIS」や「Digital Workforce」、「Waha! Transformer」などの主力サービスが順調に拡大傾向にある※。2) 事業推進クラウド事業では、「DigiSheet」や「The Staff-V」などの人材派遣や人事管理向けのサービスが堅調に推移した。新たな市場を開拓中の「Growwwing」や「infoScoop Smart×Portal」などのサービス群については、当初ターゲットとしていたスタートアップ企業だけでなく、予算規模の大きなエンタープライズ企業による採用も増えてきたようだ。一方、3) ソーシャルクラウド事業では、バス事業者向け位置情報サービスが全国の自治体向けに好感触を得ているものの、本格的な事業展開には至っていない。損益面では、依然としてソーシャルクラウド事業が先行投資の段階にあるものの、主力サービスの伸びとともに損益の改善も進んでおり、セグメント損益の黒字化も視野に入ってきた。

※コンタクトセンター、サービスデスク等のサポート品質向上の需要に対応する「LMIS」は前年同期比12.3%増、リモートワーク環境のセキュリティ強化、システム連携基盤として需要が拡大している「Digital Workforce」は同24.9%増、DX推進を背景にデータ整備、変換等のニーズを受けた「Waha! Transformer」は同2.7%増とそれぞれ順調に伸びている。特に、「Digital Workforce」は、多種多様なクラウドサービスと連携し、一度のログインで多くのクラウドサービスに安全にアクセスできるなど、安全性と利便性の両立が図られており、販売開始わずか2年で利用者数は累計25万人を突破したほか、利用継続率も96%以上を確保している。


(3) プロフェッショナルサービス
売上高は前年同期比17.6%増の1,668百万円、セグメント利益は同29.3%増の65百万円となった。1) コンサルティング事業は、DX推進ニーズを背景として、情報システム部門に加え、事業部門向けのサービスマネジメントやデータマネジメント案件の引き合いが堅調に推移した。グループ機能を結集したワンストップソリューションの起点として、業績全体の伸びをけん引している。また、その動きに伴って、2) システムインテグレーション事業では高単価な業務領域へのシフトが順調に進んでいるようだ。3) アウトソーシング事業についても、DX推進のための人材確保や運用業務の外部委託需要の増加に伴って拡大傾向にある。損益面でも、高付加価値なコンサルティング事業の伸びやシステムインテグレーション事業における利益率向上により増益となった。

2. 2023年3月期上期の総括
以上から、2023年3月期上期を総括すると、すべての事業が計画を上回って伸長したことはもちろん、内製化や高付加価値化による収益性の向上においても一定の成果が見えてきたところは評価すべきポイントと言える。特に、1) ビジネスモデルのサービス化が進展し、安定収益となるストック売上が積み上がってきたことや、2) DX推進に伴う需要に対応するクラウドサービス群が、IT部門だけでなく事業部門向けでも伸びてきたこと、3) グループ機能の結集により、コンサルティングを起点としたワンストップソリューション案件が増えてきたところは、同社のこれまでの取り組みや戦略が着実に軌道に乗ってきたことを示しており、今後に向けても明るい材料と言えよう。また、活動面でも、後述のとおり、専門性の高いパートナー企業との新たな協業モデルの開発や農業経営支援クラウドサービスのリリースなど、今後の事業拡大に向けて大きな進展を図ることができた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《NS》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均