エレマテック Research Memo(4):「機を見るに敏」の戦略で収益成長を維持してきた
■会社概要
4. 長期業績推移
エレマテック<2715>の長期的な業績推移を振り返ると、浮沈の激しいエレクトロニクス業界に身を置きながら、経済サイクルや製品サイクルなどの波を乗り越えて安定成長を果たしてきたと言えるだろう。2000年代初めは携帯電話関連で伸びたが、その中身はFPC(プリント配線板)の部材や基板実装、光学フィルムなどが主要な商材だった。2010年前後はテレビの地上波デジタル放送への移行などもあって液晶テレビ関連の部材が大きなビジネスとなった。また、2010年以降はスマートフォンやタブレットが急成長商品として台頭し、同社はそこに各種フィルム類やガラス類などを販売してリーマンショックからの迅速な回復と、連続最高益の更新を達成した。ここ数年は今までのスマートフォン市場が成熟化したことで業績の踊り場を迎えた形となっているが、ドライブレコーダーなど企画力・提案力を強めることで成長を維持している。さらに同社にとって次の成長市場は自動車関連と海外顧客攻略に移行しつつある。多数の取引先と多様な商材を有するだけでなく、提案・製造の力も持っている同社にとっては、一段と商機が拡大すると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
《SI》
提供:フィスコ