ヨシコン Research Memo(1):「総合街づくり企業 ヨシコン」を掲げる不動産総合デベロッパー
■要約
ヨシコン<5280>は、グループビジョンに「総合街づくり企業 ヨシコン」を掲げ、本社(静岡県静岡市)のある静岡県及び東海エリアを中心に不動産関連事業を展開する総合デベロッパーである。
1. 2023年3月期第2四半期累計業績はREIT上場の反動で減収減益だが、利益は期初予想を超過達成
2023年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比15.2%減の7,953百万円、営業利益が同24.8%減の811百万円、経常利益が同24.9%減の921百万円、親会社株主帰属四半期純利益が同25.0%減の591百万円だった。レジデンス事業において新規1棟卸売分譲マンションの引き渡しを行ったが、2022年3月期のREIT上場時(東海道リート投資法人が2021年6月上場)売上の反動などで、全体として減収減益となった。ただし、期初予想に対しては、売上高が若干未達だったものの、各利益は超過達成して着地と順調だった。
2. 2023年3月期業績は増収増益予想を据え置き
2023年3月期通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が前期比4.6%増の21,000百万円、営業利益が同13.8%増の2,700百万円、経常利益が同5.0%増の2,750百万円、親会社株主帰属当期純利益が同3.4%増の1,700百万円としている。2023年3月期上期はREIT上場時売上の反動で減収減益だったが、期初時点で下期偏重の計画であり、下期は不動産開発事業を中心に物件引き渡しが順調に推移する見込みだ。上期の各利益は期初計画を超過達成して着地しており、弊社では通期ベースでも会社計画の達成は可能だろうと判断している。
3. 盤石な財務基盤と積極的な株主還元
財務面で見ると2023年3月期第2四半期末の自己資本比率は76.8%で2022年3月期末比6.8ポイント上昇した。経営指標としている50%以上を大幅に上回る水準であり、有利子負債削減と利益剰余金積み上げによって、より盤石な財務基盤となった。配当政策については株主への利益還元策を積極的かつ継続的に進めていくことを基本方針としており、2023年3月期の配当予想は前期比1円50銭増配の年間50円00銭(期末一括)としている。12期連続増配予想である。また自己株式取得も実施している。盤石な財務基盤も背景として、今後も積極的な株主還元が期待できると弊社では評価している。
■Key Points
・グループビジョンに「総合街づくり企業 ヨシコン」を掲げる不動産総合デベロッパー
・2023年3月期第2四半期累計はREIT上場の反動で減収減益も、利益は期初予想を超過達成
・2023年3月期通期は増収増益・12期連続増配予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
《SI》
提供:フィスコ