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【市況】米国株式市場見通し:AI関連株の過熱警戒感があらためて台頭の方向に




AI関連株に対する過熱警戒感が再度強まっていく可能性が懸念される。オラクルは決算発表後の2営業日で15%の下落、多額の負債を抱える中での投資拡大計画が懸念されている。CDSも5年物の保証料率が09年以来で最高水準にあるなどと伝わっており、こうした状況は、全般的なAI投資の抑制につながる公算もあろう。また、想定を上回る決算を発表したブロードコムも、週末には11%強の急落となっている。今後の利益率の悪化などが警戒されているものの、ここまでの株価上昇に対する反動安の側面も強いとみる。

こうした流れが変化するか、17日のマイクロンの決算に関心が向かうこととなる。HBMを中心とするAI関連ビジネスの成長による好決算が期待されているが、8月以降の株価は2.2倍の水準にまで上昇しており、一段高の材料とされるにはハードルが高いように見受けられる。さらなるAI・半導体関連株の見送り材料とされる可能性もあり、注視したいところだ。

FOMC通過後、株式市場に出尽くし感は広がっていないものの、ドットチャートは9月FOMCで公表されたものから変化はなく、当面は利下げの停止が見込まれる状況になっている。目先はこれまでのように利下げ期待が下支え材料となりにくいことは警戒されるところだ。18日に発表される消費者物価指数(CPI)にサプライズがなければ、当面の利下げ見送り観測はより強まるものとみられる。長期金利の上昇傾向と合わせて、グロース株の先行きに関しては警戒を強めたい。ほか、来週は雇用統計や小売売上高なども発表されるが、それぞれ、11月、10月の統計であり、あまり重要視はされないだろう。一方、NY連銀やフィラデルフィア連銀などのマインド指数がどれだけ底堅さを保てているかに注目。

経済指標は、15日に12月NY連銀製造業景気指数、12月住宅市場指数、16日に11月雇用統計、10月小売売上高、12月NY連銀ビジネスリーダーズサーベイ、12月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI、18日に11月消費者物価、12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月対米証券投資、新規失業保険申請件数、19日に11月中古住宅販売件数などが発表予定。

主要企業の決算発表は、16日にレナー、17日にマイクロン・テクノロジー、18日にアクセンチュア、フェデックス、ナイキ、KBホームなどが予定されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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