【通貨】為替週間見通し:ドルは下げ渋りか、日銀利上げ予想も円買い拡大の可能性低い
米ドル/円 <日足> 「株探」多機能チャートより【今週の概況】
■米長期金利高止まりでドル売り弱まる
今週の米ドル・円は強含み。日本銀行による12月利上げは確定的となったが、日本の財政悪化に対する警戒感は消えていないことから、日米金利差の縮小を想定した米ドル売り・円買いは拡大しなかった。12月9、10日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で0.25ptの追加利下げが決定されたが、来年以降の米政策金利見通しは引き続き不透明であること、米長期金利の高止まりが意識されたことから、リスク選好的な米ドル買い・円売りが続いた。欧州中央銀行(ECB)は来年後半に利上げを開始するとの観測が浮上したことも円売り材料となった。
12日のニューヨーク外為市場でドル・円はドル・円は、156円10銭まで買われたが、株安を意識したドル売りが入ったことで155円68銭まで反落したが、米長期金利の下げ渋りを受けて米ドル売り・円買いは縮小。米ドル・円は155円88銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:154円90銭-156円95銭。
【来週の見通し】
■ドルは下げ渋りか、日銀利上げ予想も円買い拡大の可能性低い
来週のドル・円は下げ渋りか。米インフレ指標の伸びが鈍化すれば、追加利下げの思惑が浮上する可能性があるものの、日本銀行による追加利上げはすでに織り込まれている。このため、利上げを想定した円買いが急拡大する可能性は低いとの見方が広がっている。
米連邦準備制度理事会(FRB)は今週9-10日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通り追加利下げを決定。今後の緩和的な政策には慎重だったが、政策金利見通しの不透明感は払しょくされていない。ただ、来週発表される11月消費者物価指数(CPI)や11月雇用統計が市場予想を下回る内容だった場合、雇用情勢の悪化やインフレ緩和を背景に追加利下げ観測が広がるため、ドル売り要因となろう。
一方、日本銀行は12月18-19日開催の金融政策決定会合で0.25ptの追加利上げの公算。ただ、市場ではすでに織り込み済みで、リスク回避的な円買いが大きく広がる可能性は低いと予想される。むしろ、日本の財政悪化懸念による円売りが再び強まり、主要通貨は対円で下げづらい地合いとなりそうだ。
【日本銀行金融政策決定会合】(18-19日開催予定)
日銀は12月18-19日に金融政策決定会合を開催し、政策金利の引き上げを決定する公算。ただ、来年以降の金利見通しは不透明であるため、現時点では明確な円買い要因にはなりにくい。
【米・11月雇用統計】(16日発表予定)
16日発表の米11月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比+5.0万人程度、失業率は4.4%、平均時給は前年比+3.6%と予想される。非農業部門雇用者数が市場予想を下回った場合はドル売り要因となろう。
予想レンジ:153円00銭-158円00銭
《FA》
提供:フィスコ

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