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【市況】株価指数先物【寄り前】 25日線突破でリバランスの動きが強まる


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37720 +370 (+0.99%)
TOPIX先物 2785.0 +23.5 (+0.85%)
シカゴ日経平均先物 37735 +385
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 24日の米国市場はNYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ米大統領が4月2日に導入予定の「相互関税」を巡り、対象となる国や品目を限定すると、米メディアが当局者の話として報じた。これを受けて、関税を巡る過度な警戒感が後退する形となった。また、トランプ大統領は軽減措置を多くの国に認めるかもしれないと言及したほか、医薬品や半導体など品目別の関税は「近い将来」と述べたと伝わり、足もとで水準を切り下げていたハイテク株が軒並み買われた。

 NYダウ構成銘柄では、ホーム・デポ<HD>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、エヌビディア<NVDA>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、JPモルガン・チェース<JPM>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>が上昇。半面、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、メルク<MRK>、ナイキ<NKE>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>などディフェンシブ株の一角が軟調だった。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比385円高の3万7735円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比80円高の3万7430円で始まった後に、3万7340円と下落に転じる場面もあった。ただし、下へのバイアスは強まらず再びロングが優勢となるなか、米国市場の取引開始後に上昇基調が強まり、中盤にかけて3万7740円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は3万7610円~3万7740円のレンジで推移し、3万7720円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。トランプ大統領の発言を受けてエヌビディアが3%を超える上昇となったほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>やパランティア・テクノロジーズ<PLTR>、マイクロン・テクノロジー<MU>などが買われ、半導体SOX指数は3%近く上昇した。アドバンテスト<6857>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になるだろう。

 日経225先物は足もとで上値抵抗線として機能していた25日移動平均線(3万7550円)を上回ってきており、同線が支持線として意識されてくるようだと、節目の3万8000円を射程に入れたロングが強まる可能性がある。まずは、買い一巡後に25日線での底堅さを見極める必要があると考えられ、押し目狙いのロング対応とみておきたい。値がさハイテク株への買い戻しが入るとみられるため、アドバンテストなどの戻りの強さも確認したいところだ。

 また、トランプ大統領の発言は二転三転するため、リバランスの動きが中心になると考えられ、ポジションをロングに傾けてくる動きは期待しづらい面がある。相互関税について10~15カ国に焦点が当てられる可能性も伝えられているが、その中に日本も入っているとみられるため、結局のところはスキャルピング中心のトレードを余儀なくされる展開も意識しておきたい。

 そのため、オプション権利行使価格の3万7375円から3万7875円のレンジを想定。25日線を上回って推移するようだと、3万7500円から3万8000円のレンジとなろう。

 24日の米VIX指数は17.48(21日は19.28)に低下した。75日線(17.97)を割り込み、200日線(17.31)に迫る場面もみられた。200日線を割り込んでくると、直近のボトム水準である15.00割れが意識されてくる。トランプ関税の影響は不透明ながらも、カバーが強まる需給状況になりそうだ。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.52倍に上昇した。前週末に2020年4月以来の13.50倍を下回ったことで、いったんはボトム形成を意識したリバランスの動きが入ったようだ。ソフトバンクグループ<9984>[東証P]が日経平均型を支えた半面、メガバンクの下げがTOPIX型の重荷となった。本日は米ハイテク株高の流れを受けて、NTショートを巻き戻す動きが入る展開が意識されよう。

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