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【市況】株価指数先物【寄り前】 配当再投資に伴う買いが需給面での下支え


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37420 +10 (+0.02%)
TOPIX先物 2782.0 -0.5 (-0.01%) 
シカゴ日経平均先物 37395 -15
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 27日の米国市場はNYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。トランプ米大統領が輸入自動車への25%の追加関税を発表したことを受けて、関税政策を巡る不透明感や貿易戦争への警戒感が高まった。国際通貨基金(IMF)は、リセッション(景気後退)は想定していないとしつつ、米経済の成長ペースが減速すると予想。米政権が4月2日に発動するとみられる「相互関税」を控え、リスク回避姿勢が強まった。また、欧州連合(EU)やカナダなどによる報復措置よって貿易摩擦が激化する可能性が高まるなか、トランプ大統領は「米国に経済的損害を及ぼすことになれば、さらに大規模な関税を課す」と自身のSNSに投稿したことで、NYダウの下げ幅は一時300ドルを超えた。

 NYダウ構成銘柄では、スリーエム<MMM>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、エヌビディア<NVDA>、IBM<IBM>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、JPモルガン・チェース<JPM>が下落。一方で、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、ビザ<V>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、アップル<AAPL>が買われた。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比15円安の3万7395円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比20円安の3万7390円で始まった。3万7400円~3万7530円辺りでの推移を続けるなか、米国市場の取引開始後にショート優勢の動きとなり、一時3万7250円まで売られた。ただし、下へのバイアスは強まらず、売り一巡後は終盤にかけて3万7380円~3万7530円での保ち合いを継続。3万7420円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになりそうだ。トランプ大統領による輸入自動車への関税については、前日の段階でトヨタ自動車<7203>[東証P]など自動車株が売られていたこともあり、下値は限られそうである。日経225先物はナイトセッションで3万7250円~3万7530円での狭いレンジでの推移だった。25日移動平均線(3万7380円)を挟んだ値動きであり、同線での底堅さがみられるかが注目されそうである。

 4月2日の米政権による相互関税を控えて積極的にポジションを傾けてくる動きは限られ、スキャルピング中心のトレードを余儀なくされそうだが、本日においても配当再投資に伴う買いが意識されやすく、需給面での下支えになるだろう。週をまたぐオーバーウィークのポジションは取りづらいが、日中においては25日線を下回る局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。同線での底堅さがみられるようだと、ややロングを強めてくる場面がありそうだ。

 そのため、オプション権利行使価格の3万7250円から3万7750円でのレンジを想定する。また、為替市場では、1ドル=151円前半と円安に振れて推移しており、安心感につながりそうである。

 27日の米VIX指数は18.69(26日は18.33)に上昇した。3月11日につけた29.57をピークに調整が継続し、25日には一時17.02まで下落して200日線を割り込んでいた。概ね75日線(18.15)を上回っての推移だったが、リバウンドが入りやすい水準であり、来週の相互関税の発動を受けた反応を見極めたいところであろう。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.44倍に低下した。アドバンテスト<6857>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが日経平均型の重荷となった半面、金融株などが買われるなかで、NTショートの動きとなった。配当再投資に伴う買いについては、TOPIX型の比率が大きいとみられ、NTショートに振れやすいと考えられる。

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