【市況】半導体規制への警戒や米CPIを控え様子見姿勢【クロージング】
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
15日の日経平均は5営業日続落。29.72円安の38444.58円(出来高概算16億2000万株)で取引を終えた。朝方は自律反発を狙った買いが先行し、取引開始直後に38774.99円まで上昇した。その後は、12月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見ムードが強まった。後場に入ると、米メディアが「米国は台湾のTSMCや韓国のサムスン電子などの半導体メーカーに中国への流出を防ぐことを目的にさらなる規制を要求する方針」と報じたことをきっかけに半導体株が売られ、一時38316.01円まで水準を切り下げる場面もあった。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が850を超え、全体の過半数を占めた。セクター別では、銀行、その他製品、水産農林、保険など20業種が上昇。一方、医薬品、石油石炭、建設、卸売など11業種が下落し、非鉄金属、精密機器は変わらず。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、TDK<6762>、ソニーG<6758>が堅調だった半面、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、リクルートHD<6098>、中外薬<4519>が軟調だった。
前日の氷見野日銀副総裁の講演を受けて、1月の利上げへの思惑が広がり、長期金利が上昇したため、利ざや改善期待からメガバンクなどに買いが波及し、日経平均の上げ幅は一時300円を超えた。ただ、38700円辺りに位置している200日線水準を上回ると戻り待ちの売りや目先の利益を確保する動きから上値を抑えられており、押し目待ち狙いの買いも慎重にさせた。
注目の米CPIは、昨日発表の卸売物価指数(PPI)に続いて、インフレ圧力が弱まるのかがポイントだろう。総合指数は前月から加速することが想定されているが、結果次第では米金融当局の利下げの織り込みにも影響を与える。また、翌週にはトランプ次期大統領就任式や日銀の金融政策決定会合も控えるなど、重要なイベントが複数あるだけに、積極的に売り買いを仕掛ける向きは限られよう。
《CS》
提供:フィスコ