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【市況】株価指数先物 【週間展望】 ―政治リスク不安も、ハイテク決算でロングタイミングを図る

ディスコ <日足> 「株探」多機能チャートより

 今週の日経225先物は、衆議院議員選挙の結果が週明けの動向を大きく左右することになる。先週は与党過半数はギリギリの情勢との報道を受けて、政治リスクの織り込みが一段と強まり、24日には一時3万7640円まで売られる場面がみられた。

 日経225先物は石破政権に対する期待から15日に4万0300円まで買われ、自民総裁選の結果を受けた急落分を解消するリバウンドをみせたが、10月半ば以降の調整によってリバウンド分を帳消しにしている。水準としては75日・200日移動平均線が位置する3万8000円処での攻防をみせており、同水準が支持線として意識されている。ただし、与党過半数割れとなった場合には、政治リスクを警戒する海外投資家によるショートの強まりが想定される。

 一方、与党が過半数を維持した場合には、改めて石破政権への政策期待が高まることで、アク抜けによるリバウンドが意識されてくる可能性がある。もっとも、翌週には接戦が続く米大統領選挙の投票日を控えている。米国ではヘッジファンドなどの一部が、トランプ前大統領の勝利を想定したポジションを積み上げているようだ。また、決算発表が本格化するなかで、積極的にはポジションを傾けにくい需給状況が続くだろう。

 米大統領選でトランプ氏優位の報道が目立つようだと、ややショートが意識されやすいとみられる。企業決算については、現在のところ日米ともに好印象である。国内ではディスコ <6146> [東証P]のほか、前週はニデック <6594> [東証P]の市場予想を上回る決算を評価したリバウンドの動きが、センチメントを支えた感がある。足もとで不安定な値動きが続くハイテク株だが、決算後のアク抜けが意識されてくると、押し目待ち狙いのロングも入りやすくなりそうだ。

 日経225先物はボリンジャーバンドの-1σ(3万7980円)辺りでの攻防となった。10月半ば以降はバンドが収斂しており、トレンドが出やすいタイミングである。下へのバイアスが強まるようだと、-2σの3万7290円、‐3σの3万6600円辺りが意識されてくる。一方で、リバウンドが強まると中心値(25日)の3万8670円のほか、+1σの3万9350円がターゲットになるだろう。

 25日の米国市場ではNYダウが5日続落し、週間では7週ぶりに下落した。10月の米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)が70.5と9月の70.1から上昇したほか、市場予想(69程度)を上回った。米経済の底堅さが改めて意識されたほか、良好な決算が続くハイテク企業へ買いが入り、ナスダック指数は上昇した。前日に決算評価から20%を超える上昇となったテスラ <TSLA>は25日も続伸し、9月30日に付けた戻り高値を上回った。

 今週の米国ではアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>、アルファベット<GOOG>、マイクロソフト<MSFT>、アップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>など、大型テックや半導体株の決算発表が相次ぐ。良好な決算が続くようだと、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりそうだ。

 なお、国内では30日にアドバンテスト <6857> [東証P]の決算が予定されている。東京エレクトロン <8035> [東証P]など他の半導体株と比べて強いトレンドを継続していることもあり、予想を上回る決算となれば、センチメントを明るくさせそうだ。その場合、衆議院選挙の結果を受けて波乱の展開から下へのバイアスが強まったとしても、押し目狙いのタイミングを探ることになろう。

 25日の米VIX指数は、20.33(前日は19.08)に上昇した。先週は22日に一時18.05まで低下する場面もみられ、不安心理の高まりを示す20.00を下回っての推移が目立った。25日線(18.88)を挟んでの推移となったが、75日線(18.38)が支持線として意識される形だった。ボトム圏での推移であるが、米大統領選を控えてリバウンドを強める場面もありそうだ。

 先週のNT倍率は、先物中心限月で14.47倍に低下した。22日に14.59倍を付ける場面もみられたが、政治リスクの織り込みが進むなか、相対的に日経平均型の弱さが目立った。ただし、25日線が支持線として意識されており、週半ば以降は同線に沿った形で下値を切り上げている。選挙結果による波乱も予想されるが、米国の大型テックや半導体関連の決算が相次ぐなか、NTロングに振れやすくなる可能性はあろう。

 10月第3週(10月15日-18日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は4159億円(10月第2週は4081億円の買い越し)だった。なお、現物は579億円の売り越し(同2473億円の買い越し)と3週ぶりの売り越しであり、先物は3580億円の売り越し(同1607億円の買い越し)と2週ぶりの売り越し。個人は現物と先物の合算で1824億円の買い越しで2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で599億円の売り越しとなり、3週連続の売り越しだった。

 主要スケジュールでは、29日に9月完全失業率、9月有効求人倍率、米国8月S&Pケースシラー住宅価格、米国10月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米国9月JOLTS求人件数、30日に米国10月ADP雇用者数、米国7-9月期GDP、31日に日銀金融政策決定会合終了後に政策金利、9月鉱工業生産、植田和男日銀総裁が記者会見、中国10月製造業PMI、米国9月個人消費支出、米国9月個人所得、11月1日に中国10月財新製造業PMI、米国10月雇用統計、米国10月ISM製造業景気指数などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
11月限 日経225 32454.88  TOPIX  2318.99
12月限 日経225 32639.57  TOPIX  2343.77
01月限 日経225 36025.97  TOPIX  2513.46
02月限 日経225 37018.07  TOPIX  2563.93
03月限 日経225 39863.92  TOPIX  2716.15
04月限 日経225 39820.59  TOPIX  2766.89
05月限 日経225 38509.47  TOPIX  2728.75
06月限 日経225 38535.35  TOPIX  2714.56
07月限 日経225 41531.26  TOPIX  2893.54
08月限 日経225 35661.68  TOPIX  2510.68
09月限 日経225 36906.92  TOPIX  2585.41
10月限 日経225 39701.93  TOPIX  2721.72

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
24/12 10月25日  38230  38300  37730  38010  -150
24/12 10月24日  38170  38360  37640  38160  +90
24/12 10月23日  38530  38600  37990  38070  -360
24/12 10月22日  39090  39220  38200  38430  -590
24/12 10月21日  39110  39280  38790  39020  +10

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
24/12 10月25日  2638.0  2643.5  2606.5  2626.5  -8.0
24/12 10月24日  2643.0  2646.5  2606.0  2634.5  -2.0
24/12 10月23日  2658.5  2664.5  2632.5  2636.5  -16.5
24/12 10月22日  2685.5  2694.5  2636.5  2653.0  -29.5
24/12 10月21日  2696.5  2711.0  2672.5  2682.5  -7.5

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日大阪比
10月25日(12月限) 38095  +85
10月24日(12月限) 38090  -70
10月23日(12月限) 37850  -220
10月22日(12月限) 38390  -40
10月21日(12月限) 39025  +5
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い    前週末比
10月18日    1774億円  +71億円 1兆8828億円  -1484億円
10月11日    1702億円  +378億円 2兆0312億円  +1765億円
10月04日    1323億円  -263億円 1兆8546億円  -1335億円
09月27日    1587億円  +13億円 1兆9881億円  +1715億円
09月20日    1573億円  -116億円 1兆8166億円  +3909億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
10月23日    5582万株    +2万株  7億6358万株   -5106万株
10月22日    5580万株      0株  8億1465万株   -272万株
10月21日    5580万株      0株  8億1738万株   -788万株
10月18日    5580万株      0株  8億2526万株   -518万株
10月17日    5580万株      0株  8億3044万株   -5894万株
10月16日    5580万株    -38万株  8億8939万株   -485万株
10月15日    5619万株   +290万株  8億9424万株   +652万株
10月11日    5329万株   +370万株  8億8771万株   +2708万株
10月10日    4959万株      0株  8億6063万株   +170万株
10月09日    4959万株      0株  8億5893万株   +726万株
10月08日    4959万株      0株  8億5166万株   -931万株
10月07日    4959万株   +1117万株  8億6097万株   +4086万株
10月04日    3841万株   -484万株  8億2011万株   +141万株
10月03日    4325万株   -195万株  8億1870万株   +835万株
10月02日    4521万株    +11万株  8億1034万株   -384万株
10月01日    4510万株    -43万株  8億1419万株   +1250万株
09月30日    4553万株   +136万株  8億0168万株   -3972万株

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