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【材料】エンフェーズが決算受け大幅安 欧州での需要低迷が響く=米国株個別

(NY時間10:46)(日本時間23:46)
エンフェーズ<ENPH> 80.10(-12.13 -13.15%)

 太陽光関連機器のエンフェーズ・エナジー<ENPH>が大幅安。前日引け後に7-9月期決算(第3四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を下回った。欧州での需要低迷が響いた。ガイダンスも公表し、予想を下回る第4四半期の売上高見通しを示している。

 アナリストは「今回の決算は期待外れで、リセット期待の大幅な後退を予想している」と述べた。欧州の需要は悲惨で、販売実績は連続して低下しており、2025年にはさらなるリスクが見込まれている。フランスの電力料金の値下げ予想により、フランスの太陽光発電の使用も冷え込んでいる。フランスは、同社にとって欧州の主要市場。

 コタンダラマンCEOは、バイデン大統領の署名入りの気候変動対策法案からクリーンエネルギー奨励策を削除することは米経済にとって不利益であると述べた。ドナルド氏は選挙運動中、バイデン大統領の気候変動対策を「グリーン・ニュー・スキャンダル」と呼び、これを終わらせると公約している。しかし、インフレ削減法(IRA)を完全に廃止するには議会での承認が必要となる。

 同CEOはIRAのインセンティブについて「雇用を生み出し、製造業を復活させることになる」と語った。同社は現在、米工場からソーラーインバーター機器の3分の2を出荷しており、IRAによる税制優遇措置を活用するために、今後は米国でバッテリーの製造も開始する予定だと語った。

 同社は米国製インバーターの130万台の出荷見込みを基に、第4四半期にIRAから3800万-4100万ドルの純利益を得ると予測している。

(7-9月・第3四半期)
・1株利益(調整後):0.65ドル(予想:0.76ドル)
・売上高:3.81億ドル(予想:3.92億ドル)
・粗利益率(調整後):48.1%(予想:47.1%)
・営業利益:4980万ドル(予想:4800万ドル)
・マイクロインバーター出荷台数:173万台(予想:205万台)
・バッテリー総出荷量:172.9MWh(予想:162.9MWh)

(10-12月・第4四半期見通し)
・売上高:3.60~4.00億ドル(予想:4.37億ドル)
・粗利益率(調整後):49~52%(予想:47.8%)

【企業概要】
 太陽光発電・貯蔵・通信を同一プラットフォーム上で管理するホームエネルギーソリューションを設計、開発、製造、販売し、エネルギーの自己消費、設置の簡素化、システム稼働時間の向上等を実現する。監視と制御の為の半導体ベースのマイクロインバータは、世界の住宅・商業用システムに導入されている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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