【通貨】ユーロ週間見通し:下げ渋りか、中東情勢悪化も日銀政策を注視
ユーロ/円 <日足> 「株探」多機能チャートより
■軟調推移、ECBによる10月追加利下げの可能性高まる
今週のユーロ・ドルは軟調推移。週初に1.1209ドルまで買われたが、欧州中央銀行(ECB)による10月追加利下げ観測が広がり、リスク回避的なユーロ売り・米ドル買いが優勢となった。複数の米経済指標が市場予想を上回り、米国の大幅追加利下げ観測が後退したこともユーロ売り・米ドル買いを促す要因となった。取引レンジ:1.0951ドル-1.1209ドル。
■伸び悩みか、中東情勢の悪化も懸念材料に
来週のユーロ・ドルは伸び悩みか。ユーロ圏経済は弱さが目立ち、欧州中央銀行(ECB)は今月開催の理事会で追加利下げに踏み切る公算。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅追加利下げ観測は後退し、中東情勢の悪化も懸念されていることから、ユーロを下押しする可能性もあろう。
予想レンジ:1.0800ドル-1.1100ドル
■上昇、日欧金利差縮小観測は後退
今週のユーロ・円は上昇。一時158円台前半まで売られたが、石破新首相は日本銀行が金融緩和姿勢を維持することを期待しているとの見方が強まり、日本とユーロ圏の金利差縮小を想定したユーロ売り・円買いは縮小。週後半の米ドル・円相場は円安方向に振れたことも影響し、ユーロ・円は週末前に163円台前半まで一段高となった。取引レンジ:158円11銭-163円37銭。
■下げ渋りか、中東情勢悪化も日銀政策を注視
来週のユーロ・円は下げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)による10月追加利下げの可能性は高いものの、日本銀行の早期追加利上げの思惑は大幅に後退。中東情勢の悪化は円買い材料となり得るが、新たなユーロ売り材料が提供されない場合、リスク回避的なユーロ売り・円買いが拡大する可能性は低いとみられる。
○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・7日(月):8月小売売上高(7月:前月比+0.1%)
予想レンジ:161円50銭-164円50銭
《FA》
提供:フィスコ