【材料】ギグワークス---3Q減収なるも、シェアリングエコノミー事業は引き続き好調を維持
ギグワークス <日足> 「株探」多機能チャートより
ギグワークス<2375>は12日、2024年10月期第3四半期(23年11月-24年7月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比3.4%減の193.25億円、営業損失が1.98億円(前年同期は0.17億円の利益)、経常損失が1.75億円(同0.19億円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が3.29億円(同9.56億円の損失)となった。
オンデマンドエコノミー事業の売上高は前年同期比5.5%減の81.80億円、セグメント利益は同48.7%減の2.47億円となった。同社グループには個人事業主、フリーランスが数多く登録しており、当第3四半期累計期間には3,646人のユニークワーカーが日本全国で稼働した。フィールドサービスでは、IT機器のキッティング業務や設定設置業務の引き合いが増加傾向にあり、確実に取り込んでいる。通信インフラの基地局工事を行うコンストラクションは、スマートソーラー・蓄電池設置工事やIT機器保守業務を中心に稼働した。また、コンタクトセンターは、東京・大阪・福岡を中心に7拠点体制で運営しており、旺盛だったテクニカルサポートや通販関連の需要も一旦落ち着きをみせた。フィールドサービス、コンタクトセンターの基幹事業は、人員最適化も徹底しており、利益は前年水準以上になった。さらに、Web3領域のSnap to earnアプリ写真を撮って稼ぐ「SNPIT」は、関連する広告・プロモーション費用や海外取引所へのトークン上場の負担費用等で3億円規模の事業投資を積極的に行ったため、セグメント利益を大幅に押し下げた。
デジタルマーケティング事業の売上高は同12.0%減の44.15億円、セグメント損失は1.16億円(前年同期は0.88億円の損失)となった。日本直販・悠遊生活ブランドでの総合通販を基盤にサービスを提供している。顧客から継続的にご愛顧頂けるサービスづくりを経営課題とし、顧客宅へ訪問し提供する「お手伝いサービス」や様々な特典を提供する「プレミアム会員サービス」を商品化してきた。11年ぶりになる大型倉庫移転、マーチャンダイジングの再考、新商品であるNFTカメラを主に販売する「カメラの日直」など事業改革を継続している。アイドルや著名医師によるラジオ新番組開始など新たなプロモーションにも注力し、新ロゴでのリブランディングを背景に9カ月間でプレミアム会員は3,000人を突破した。獲得コストが先行している現状であるが、順調に会員数を伸ばしている。
システムソリューション事業の売上高は同2.3%減の35.39億円、セグメント利益は同8.9%減の5.21億円となった。自社開発商品のCRMシステム「デコールCC.CRM3」は、AIを活用したツール開発や機能拡充によって製品強化を進めている。受託開発業務やシステムエンジニアリングサービスは、ギグワーカーを含むビジネスパートナーとの連携を強化することで、開発力向上を図っている。
シェアリングエコノミー事業の売上高は同26.0%増の39.24億円、セグメント利益は3.46億円(同1.07億円の損失)となった。運営するシェアオフィスは、首都圏を中心に直営店87拠点(2024年7月末)、様々な利用提携先の施設を含めると国内最大級となる1,000拠点以上のシェアオフィスネットワークを展開している。シェアオフィスの利用会員数は18,200会員に達し、「必要な時に必要なだけ使える」をテーマに、利用者に対して低コストで機能的な働く場を提供している。シェアオフィス(専用オフィス、共用オフィス)を、マルチロケーションでの利用が選択できるなど、利便性の更なる向上に努めてきた。昨年度の不採算サービスの廃止につづき、今年度新たに提供サービスの刷新を行った。さらに、当期においては、特にマーケティング効果の向上にも注力し、会員数は堅調に増加している。また、シェアオフィス直営店の出店を控え、既存店の稼働率向上を優先する利益重視の運営をし、大幅な収益改善となった。ギグワーカーのスタイリストが活躍するシェアサロンブランド「nex」は、南青山で4店舗を展開し、業績は好調に推移している。
2024年10月期通期の連結業績予想について、売上高が前期比7.7%減の244.00億円、営業利益が同84.6%増の2.05億円、経常利益が同79.8%増の2.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が0.85億円とする期初計画を据え置いている。
《AK》
提供:フィスコ