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【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

三井ハイテク <日足> 「株探」多機能チャートより

■三井ハイテク <6966>  783.7円 (-150円、-16.1%) ストップ安

 東証プライムの下落率トップ。三井ハイテック <6966> [東証P]がストップ安。10日の取引終了後、25年1月期の連結業績予想の下方修正を発表し、失望売りが膨らんだようだ。今期の売上高予想を230億円減額して2140億円(前期比9.2%増)、最終利益予想を45億円減額して95億円(同38.9%減)に見直した。半導体の最終需要の低迷や在庫調整の長期化による受注減少を背景に、電子部品事業の業績が想定を下回って推移する。電機部品事業においても中国市場での日系自動車メーカーの販売台数の減少などを要因に、計画に対して下振れする見込みとなった。あわせて発表した第2四半期累計(2-7月)の売上高は前年同期比11.1%増の1039億6900万円、最終利益は同8.2%減の70億7500万円だった。

■グリーンエナ <1436>  2,139円 (-291円、-12.0%)

 グリーンエナジー&カンパニー <1436> [東証G]が急反落。10日の取引終了後、25年4月期第1四半期(5-7月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比1.9%増の19憶7900万円と増収となった一方、営業損益は1700万円の赤字(前年同期は3000万円の黒字)に転落しており、嫌気されたようだ。太陽光発電施設の工事完成に一部遅れが生じるなか、系統用蓄電池事業への先行支出やのれん償却費の増加などがあって、損益を押し下げる要因となった。あわせて同社は系統用蓄電池事業に関し、日本エネルギー総合システム(香川県高松市)とDMM.com(東京都港区)の3社の出資により、霧島蓄電所(鹿児島県霧島市)を設立したと発表した。

■サトウ食品 <2923>  7,610円 (-930円、-10.9%)

 サトウ食品 <2923> [東証S]が続急落。10日取引終了後、従来未定としていた25年4月期連結業績予想を発表し、売上高を前期比5.7%増の450億円、営業利益を同21.0%減の21億円と発表。大幅減益の見通しを示したことが嫌気された。同じく未定としていた配当予想は前期比据え置きの60円とした。あわせて発表した第1四半期決算は売上高が前年同期比9.1%増の75億4800万円、営業利益が同26.6%減の1億4100万円だった。製品販売が堅調に推移したものの、各種原材料費や物流費の価格高騰の影響などが出た。

■サンオータス <7623>  520円 (-58円、-10.0%)

 サンオータス <7623> [東証S]が3日ぶり急反落。10日取引終了後に5-7月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比10.2%増の43億6100万円、営業利益は同26.4%減の3700万円だった。減益を嫌気した売りが優勢となった。エネルギー事業で買収会社の売り上げが追加計上されたことが寄与。一方、利益面では先行投資や水道光熱費など販管費の増加が響いた。なお、通期の増収増益見通しは据え置いた。

■ツガミ <6101>  1,340円 (-105円、-7.3%)

 東証プライムの下落率4位。ツガミ <6101> [東証P]が7日続急落。そのほか、ジェイテクト <6473> [東証P]など工作機械関連株への売り圧力が強まった。日本工作機械工業会が10日発表した8月の受注速報によると、受注総額は前年同月比3.5%減の1107億7100万円となった。前年割れは4ヵ月ぶりとなり、工作機械メーカーの業績に対する慎重な見方が広がったようだ。受注総額のうち内需は同9.9%減の321億9400万円、外需は同0.6%減の785億7700万円となった。DMG森精機 <6141> [東証P]なども安かった。

■アマダ <6113>  1,370.5円 (-75円、-5.2%)

 アマダ <6113> [東証P]が続急落。SMBC日興証券が10日付で同社の投資評価を前回の「1」から「2」に引き下げ、目標株価も1900円から1600円に減額したことが弱材料視されたもよう。レポートでは、国内補助金の効果が剥落することで国内需要は低迷し、旧製品における生産調整が長期化するだろうと報告。25年3月期の会社計画未達を予想し、新製品効果による粗利率改善ストーリーへの期待値を当面織り込みづらい局面に入るとしている。

■ビーマップ <4316>  592円 (-29円、-4.7%)

 ビーマップ <4316> [東証G]が続落。東京証券取引所が11日から、同社株の信用取引による新規の売り付け・買い付けにかかる委託保証金率を50%以上(うち現金20%以上)にすると発表。これによって個人投資家からの資金流入が細るとの見方から売られた。また、日本証券金融も同日以降、貸借取引自己取引分と非清算参加者ごとの清算取次貸借取引自己取引分の貸借担保金率を50%(うち現金担保分20%)にするとした。

■INPEX <1605>  1,835円 (-88円、-4.6%)

 INPEX <1605> [東証P]が大幅安で7日続落。そのほか、石油資源開発 <1662> [東証P]も安かった。10日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の10月限が前日9日比2.96ドル安の1バレル=65.76ドルと下落。一時、65.27ドルと昨年5月以来、1年4ヵ月ぶりの水準に落ち込んだ。石油輸出国機構(OPEC)は10日に発表した月報で24年の世界の原油需要見通しを引き下げた。米国や中国の需要減が響く見通しだ。これを受け、原油関連株に売りが膨らんだ。

■トヨタ <7203>  2,422円 (-77.5円、-3.1%)

 トヨタ自動車 <7203> [東証P]が大幅安で7日続落。そのほか、ホンダ <7267> [東証P]、SUBARU <7270> [東証P]など自動車株が軟調に推移した。11日は米大統領選の候補者によるテレビ討論会が開かれるなか、日銀の中川順子審議委員が秋田県金融経済懇談会で挨拶を行った。中川審議委員は先行き日銀の経済・物価見通しが実現していくとすれば、2%の物価安定目標のもとで、その持続的・安定的な実現の観点から「金融緩和の度合いを調整していくことになる」と表明。早期の利上げシナリオが意識されるなかで、午前10時半過ぎにドル円相場は一時1ドル=141台半ばまで急速にドル安・円高に振れた。海外時間でのドル安・円高を受けた売りが先行した後、自動車株は持ち直す場面があったものの、中川審議委員の挨拶を受けた東京時間での円高進行に伴い、売り直しの流れとなった。

■アールエイジ <3248>  899円 (-29円、-3.1%)

 アールエイジ <3248> [東証S]が3日ぶり大幅反落。10日取引終了後、24年10月期の連結業績予想について、売上高を42億円から47億1000万円(前期比36.9%増)へ、営業利益を5億7000万円から8億8000万円(同60.6%増)へ、純利益を3億3200万円から5億2500万円(同60.6%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を18円から21円へ引き上げた。これを受けた買いが先行したものの、6月につけた年初来高値を手前にして戻り売りが優勢となり、下げに沈んだ。運営管理事業で安定収益を確保しつつ、都心部にフォーカスした優良な賃貸事業用不動産の企画開発に注力した結果、開発販売事業の売上高が期初の予想を上回る見込みとなったという。なお、年間配当は36円(前期33円)を予定している。同時に発表した第3四半期累計(23年11月-24年7月)決算は、売上高40億2200万円(前年同期比46.7%増)、営業利益8億2400万円(同83.5%増)、純利益5億300万円(同90.0%増)だった。

■セブン&アイ <3382>  2,120円 (-62円、-2.8%)

 セブン&アイ・ホールディングス <3382> [東証P]が続落。ロイター通信は10日、米連邦取引委員会(FTC)が、カナダの小売大手アリマンタシォン・クシュタールによるセブン&アイの買収計画を巡り、調査する意向をセブン&アイに通知したと報じた。反トラスト法(独占禁止法)を巡る懸念が理由と伝えている。報道を受け、株価にプレミアムを乗せる形でのクシュタールによる買収シナリオについて、不透明感が強まったと受け止めた投資家の売りが出たようだ。

■カドカワ <9468>  2,948円 (-77円、-2.6%)

 KADOKAWA <9468> [東証P]が続落。11日午後0時30分ごろ、6月に発覚したサイバー攻撃を巡り、攻撃を行ったと名乗る組織がカドカワグループ保有の情報の一部を追加的に公開したとの主張を行っていることを確認したと発表した。捜査当局との情報連携と外部の大手セキュリティー専門機関の支援を得ながら対応しているが、現時点で新たなサイバー攻撃を受けた痕跡は検知されていないという。攻撃を行ったと名乗る組織の犯行声明を不安視する向きもあるようだ。

■日本製鉄 <5401>  2,945円 (-76円、-2.5%)

 日本製鉄 <5401> [東証P]が8日続落。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が10日、USスチール <X> の買収交渉を担う日本製鉄の副会長が、11日にワシントンで米政府高官と協議すると報じた。USスチールに対する買収計画が米国で政治問題化するなか、交渉の動向を見極めたいとの姿勢が広がり、買い手控え要因となったようだ。調整色を強める全体相場に連れる形で同社株にも売り圧力が強まった。

■パンパシHD <7532>  3,681円 (-56円、-1.5%)

 パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス <7532> [東証P]が3日ぶり反落。10日の取引終了後、8月度の月別販売高(速報)を発表しており、国内リテール事業の既存店売上高は前年同月比9.4%増と、27ヵ月連続で前年実績を上回った。朝方はこれを手掛かりに買いが先行したものの下げに転じる展開となった。日経平均株価が大きく値下がりするなかで全体相場に連れ安する格好となった。前年より休日が1日多かったことに加えて、夏の季節家電やスキンケア、寝具・インテリアなどが売り上げに貢献した。また、日向灘地震の発生や南海トラフ地震注意報の発令に加え、3つの台風が接近・上陸したことで、災害に備えた防災関連商品も急増した。全店売上高は同11.2%増だった。

■三菱UFJ <8306>  1,427.5円 (-18円、-1.3%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]が反落。そのほか、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、みずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]などメガバンクが軟調に推移した。米ブルームバーグ通信は、JPモルガン・チェース <JPM> のダニエル・ピント社長が10日、来年の経費と純金利収入に対するアナリスト予想は「楽観的過ぎる」と述べたと報じている。前の日にはゴールドマン・サックス・グループ <GS> のデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)がトレーニング部門について減益となる見通しを示していたこともあって、10日の米国市場で銀行株は下落。JPモルガンの下落率は5%を超えた。米銀株の下落を受けて東京市場でも金融セクターに対し売り圧力が強まった。

※11日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

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