【特集】クラボウ Research Memo(5):注力する半導体製造関連分野や、サステナブル素材の販売拡大でも一定の成果
クラボウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■クラボウ<3106>の主なトピックス
1. 半導体製造関連分野の拡大
化成品事業及び環境メカトロニクス事業における半導体製造関連製品の拡大に注力し、足元の業績を伸ばしている。半導体製造の各工程において、化成品事業では高機能樹脂製品(前工程)及び半導体製造工程フィルム(後工程)が、環境メカトロニクス事業では、シリコンウエハ洗浄装置(シリコンウエハ製造工程)、液体成分濃度計(前工程)、薬液供給装置(シリコンウエハ製造工程)などが順調に伸びてきた。また、半導体製造関連分野での研究開発でも、独自のセンシング技術によりウエハ上の薬液を装置内で計測(In-Situ計測※)するシステムを開発している。
※ ユーザーによる試作機評価に加え、技術研究所内に実用開発環境を整備。
また、拡大を続ける半導体市場でのさらなる成長を見据え、高機能樹脂製品の生産・開発体制の強化を目的とした熊本事業所の新棟建設(約31億円)やフッ素樹脂素材生産能力増強(約4億円)、シリコンウエハ洗浄装置能力増強(約2億円)など、今後の事業拡大に向けた投資も積極的に行っている。
2. 資源循環型社会の実現に向けた動き
様々な分野の企業や主要繊維産地、自治体など共創パートナーとの連携強化により、廃棄衣料を新たな資源にするアップサイクルシステム「ループラス」を活用した製品の拡販に取り組んでおり、各方面で成果が出始めている。例えば、日本航空<9201>(他2社)との連携では、役目を終えた構内ブランケットを「ループラス」でTシャツやバッグなどの商品に再生するプロジェクトが進んでおり、2024年4月26日よりJAL公式ショッピングサイトで発売を開始した。また、プロバスケットボールチームのシーホース三河(他2者)とは、ファンが使わなくなった応援グッズを「ループラス」で再びシーホース三河が販売する応援グッズにアップサイクルするプロジェクトを推進中である。今後は海外への展開も計画しており、まずはタイクラボウに生産ラインを設置した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
《HN》
提供:フィスコ